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第198話 第三王子は理不尽な虐殺を見る!
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父上の強行手段によってフロンシニアス王国に魔導具が導入されることになり、ついに僕の王太子が発表された『シュウ』です。
『ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ』
――そりゃー、そうなるよなぁ。今まで無能、役立たずと言われ続けて来たヤツがいきなり王太子だなんて僕でも反対するよ。
「父上! 何を考えておられるのです! 役立たずに国を任せておいたら国が滅びます。父上はフロンシニアス王国が滅んでも良いとおっしゃられるのですか!」
「ジェニシス兄上の言う通りです! 何も出来ない無能者ではありませんか! こんなゴミより私たちの方が優秀です! 私たちならフロンシニアス王国をさらに発展させて見せます!」
「黙らんか! お前たちの発言は許しておらんぞ!」
「「……………………」」
ジェニシス兄上とパリック兄上は自分たちがなるであろう王太子を僕に奪われたと思って、父上に食って掛かったのだろうが、父上の一喝で黙り込んでしまった。
「陛下、発言をお許し頂きとうございます」
「ピエール。なんだ、申せ」
「ありがたき幸せ。では、貴族代表で申し上げます。ロッシュウ様を王太子にするなどあってはならぬこと。陛下もロッシュウ様に対して無能すぎて、王太子には成れぬと申しておったではないですか?」
「ああ、以前そのような事もあったな……」
「ならばなぜ、王太子に推挙されるのですか…… ジェニシス様かパリック様のどちらかが相応しいのではないですか!」
「……………………」
父上は黙り込んでしまった。
――貴族たちが父上と僕に集中している間、父上の無言が合図だったのか、衛兵たちが静かに動き始めた。
父上が黙り込んだのをいい事に、ここぞとばかり、
「陛下、発言のお許しを!」
「――ロマーニ。発言を許す」
――父上から聞いた話しだと、このロマーニという貴族はピエール侯爵と同じ侯爵で反王族派のジェニシス派だと聞いた。
「その優秀な知識と王としての品格を持ち合わせている。ジェニシス様こそ未来の国王に相応しいかと存じます。」
「陛下、私も発言よろしいでしょうか」
「ザザンガなんだ?」
――父上がもう飽きたのかテキトーになってる…… 面倒臭くなったのかな?
「ジェニシス様も優秀ですが、パリック様も武勇に優れ、強き王としての器がございます。王に相応しいのはパリック様だと確信しております」
――このザザンガ伯爵も反王族派の一人でパリック派の人間だ。ピエール侯爵は元々一つであった反王族派をジェニシス派とパリック派の二つに分け、ジェニシス兄上、パリック兄上のどちらか一方が王に即位した時、派閥争いに敗れた派閥は勝った派閥に鞍替えする打算になっているそうだ。例えば、ジェニシス兄上が王位を継いだ時にはパリック派はパリック兄上を裏切りジェニシス派に移る。また逆もしかりである。反王族派とアポー正教会にすれば傀儡になる王であれば、どちらが王になっても構わないという手の込んだやり方のようだ。そして、両派閥をまとめているのがピエール侯爵というわけだ。
「うむ、わかった。あとこの件で意見のある者は意見を述べよ」
――父上は予想していただろう展開にうんざりしたのか、超テキトーになってしまった。
ジェニシス派とパリック派双方から僕への批判的な意見が上がる。兄上達も如何に自分が王位に相応しいか父上に訴えかけていた。ある貴族の調子に乗った一言で父上はブチギレた。
「ロッシュウ様は、何をやるのも見当違い。民の事など何も考えておりません! 国王に相応しくないのは明白。私はロッシュウ様が王太子になるのは大反対でございます!」
「……………………」
父上は軽く手を上げた。
その瞬間、衛兵たちが無言で反王族派を捕らえ始めた。
「何をする! 私は侯爵だぞ! 無礼であろう!」
「陛下! 何をなさるのです! 私が何をしたと言うのですか!」
次々と捕らわれる反王族派の貴族たち、中には衛兵に立ち向かう者もいた。
――大人しく捕まっていれば良いものを僕は後の事は知らないぞ……
父上は、マリーパパに
「じっくりと味わえよ」
の一言で、マリーパパ、マリーママ、マリーの目に炎がメラメラと浮かぶ!
「この時を待ってたぜ!」
「メインディッシュは私の物よ!」
「お父様、お母様には負けませんわ!」
この世における災厄が一同に集まったような惨劇が始まってしまい、この三人よって美しかった庭園は血の海庭園へと変貌してしまった……
――だから大人しく捕まっていれば良いものを…… そこの三人! 今、殴ってるのは味方の衛兵ですよ! しかも、反王族派ではない貴族までディナーの生贄になってるし、もうすべてが無茶苦茶だよ…… 特にマリー! お前だよ! いくら『知性』『強力』『技巧』『残虐』『飛翔』の加護があるからといって、反王族派とは関係の無いご婦人を『キ○肉バスター』で仕留めるのはヤメロ! ご婦人が羞恥心でトラウマになるだろうが! せめて、お胸様を強調出来る。ア○ル兄さんの『ナパーム・ストレッチ』にして差し上げて!
僕たち以外にその場に立っている者は誰もいない…… なんでこうなった?
『ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ』
――そりゃー、そうなるよなぁ。今まで無能、役立たずと言われ続けて来たヤツがいきなり王太子だなんて僕でも反対するよ。
「父上! 何を考えておられるのです! 役立たずに国を任せておいたら国が滅びます。父上はフロンシニアス王国が滅んでも良いとおっしゃられるのですか!」
「ジェニシス兄上の言う通りです! 何も出来ない無能者ではありませんか! こんなゴミより私たちの方が優秀です! 私たちならフロンシニアス王国をさらに発展させて見せます!」
「黙らんか! お前たちの発言は許しておらんぞ!」
「「……………………」」
ジェニシス兄上とパリック兄上は自分たちがなるであろう王太子を僕に奪われたと思って、父上に食って掛かったのだろうが、父上の一喝で黙り込んでしまった。
「陛下、発言をお許し頂きとうございます」
「ピエール。なんだ、申せ」
「ありがたき幸せ。では、貴族代表で申し上げます。ロッシュウ様を王太子にするなどあってはならぬこと。陛下もロッシュウ様に対して無能すぎて、王太子には成れぬと申しておったではないですか?」
「ああ、以前そのような事もあったな……」
「ならばなぜ、王太子に推挙されるのですか…… ジェニシス様かパリック様のどちらかが相応しいのではないですか!」
「……………………」
父上は黙り込んでしまった。
――貴族たちが父上と僕に集中している間、父上の無言が合図だったのか、衛兵たちが静かに動き始めた。
父上が黙り込んだのをいい事に、ここぞとばかり、
「陛下、発言のお許しを!」
「――ロマーニ。発言を許す」
――父上から聞いた話しだと、このロマーニという貴族はピエール侯爵と同じ侯爵で反王族派のジェニシス派だと聞いた。
「その優秀な知識と王としての品格を持ち合わせている。ジェニシス様こそ未来の国王に相応しいかと存じます。」
「陛下、私も発言よろしいでしょうか」
「ザザンガなんだ?」
――父上がもう飽きたのかテキトーになってる…… 面倒臭くなったのかな?
「ジェニシス様も優秀ですが、パリック様も武勇に優れ、強き王としての器がございます。王に相応しいのはパリック様だと確信しております」
――このザザンガ伯爵も反王族派の一人でパリック派の人間だ。ピエール侯爵は元々一つであった反王族派をジェニシス派とパリック派の二つに分け、ジェニシス兄上、パリック兄上のどちらか一方が王に即位した時、派閥争いに敗れた派閥は勝った派閥に鞍替えする打算になっているそうだ。例えば、ジェニシス兄上が王位を継いだ時にはパリック派はパリック兄上を裏切りジェニシス派に移る。また逆もしかりである。反王族派とアポー正教会にすれば傀儡になる王であれば、どちらが王になっても構わないという手の込んだやり方のようだ。そして、両派閥をまとめているのがピエール侯爵というわけだ。
「うむ、わかった。あとこの件で意見のある者は意見を述べよ」
――父上は予想していただろう展開にうんざりしたのか、超テキトーになってしまった。
ジェニシス派とパリック派双方から僕への批判的な意見が上がる。兄上達も如何に自分が王位に相応しいか父上に訴えかけていた。ある貴族の調子に乗った一言で父上はブチギレた。
「ロッシュウ様は、何をやるのも見当違い。民の事など何も考えておりません! 国王に相応しくないのは明白。私はロッシュウ様が王太子になるのは大反対でございます!」
「……………………」
父上は軽く手を上げた。
その瞬間、衛兵たちが無言で反王族派を捕らえ始めた。
「何をする! 私は侯爵だぞ! 無礼であろう!」
「陛下! 何をなさるのです! 私が何をしたと言うのですか!」
次々と捕らわれる反王族派の貴族たち、中には衛兵に立ち向かう者もいた。
――大人しく捕まっていれば良いものを僕は後の事は知らないぞ……
父上は、マリーパパに
「じっくりと味わえよ」
の一言で、マリーパパ、マリーママ、マリーの目に炎がメラメラと浮かぶ!
「この時を待ってたぜ!」
「メインディッシュは私の物よ!」
「お父様、お母様には負けませんわ!」
この世における災厄が一同に集まったような惨劇が始まってしまい、この三人よって美しかった庭園は血の海庭園へと変貌してしまった……
――だから大人しく捕まっていれば良いものを…… そこの三人! 今、殴ってるのは味方の衛兵ですよ! しかも、反王族派ではない貴族までディナーの生贄になってるし、もうすべてが無茶苦茶だよ…… 特にマリー! お前だよ! いくら『知性』『強力』『技巧』『残虐』『飛翔』の加護があるからといって、反王族派とは関係の無いご婦人を『キ○肉バスター』で仕留めるのはヤメロ! ご婦人が羞恥心でトラウマになるだろうが! せめて、お胸様を強調出来る。ア○ル兄さんの『ナパーム・ストレッチ』にして差し上げて!
僕たち以外にその場に立っている者は誰もいない…… なんでこうなった?
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