17 / 39
17、怒られた
しおりを挟む
凪が魔力を探し始めて三十分。
凪の周囲には、始めの頃より強い光が溢れていた。部屋に取り付けられたライトが不要なほどに。
(んー……何か、ほんわかした感じがするけど…これで合ってるのかな?)
グググッと集中力を高めると、何かを掴んだような気がした。
(えーと、この次は……魔力を放出するんだったよね?)
そっと目を開けて……絶句した。
「何で?え?え?」
きょろきょろと周りを見渡して、自分を中心に光が溢れていたことにやっと気づいた凪。……鈍い。鈍すぎる。
「……ま、いっか。害はなさそうだし」
そして、楽観視しすぎだった。
凪は、すぐに気を取り直して魔力を放出する練習を始めた。
◇◆◇◆◇◆
凪が魔力操作について練習している中、他の人たちはというと……。
「あー、何かつまらねぇ。つか、腹減った」
「なに言ってるんか、自分。ここに来てから、そんなに時間経ってへんやろ?」
「ナギがいねぇから、やる気おきねぇ」
「本心ダダ漏れじゃないですか」
「……うける」
「はぁ……、一時間経ったら様子を見に行くか?」
「あぁ、そうする」
凪がいないとやる気が出ないとのたまうヴィルムに、サルージャ達は呆れ顔をした。まぁ、サルージャ達も口ではヴィルムに呆れた様子だが、内心はヴィルムと同意見だった。
魔術師や騎士を相手に、剣や魔術を使ってバッタバッタと薙ぎ倒して、不満をぶちまけた面々は結局、早々に訓練場を後にしたのだった。
◇◆◇◆◇◆
その頃、凪はと言うと。
「ばーん」
間抜けな声を出して、魔力をそこかしこに放っていた。
(むむむ、何とか外に魔力を出すことには成功したけど……、こう…自由自在に扱うことはできないなぁ)
上手くいかないことに頬を膨らませていると…
バンッ!
「ふぇっ?」
「「「「「何やってんの!?」」」」」
突然、図書室の扉が音を立てて開かれた。そして、向こう側にいたのは、鬼のような形相をしたサルージャ達。凪はどうして怒鳴られたのか理解出来ていなかった。
「あ、あのっ、何か悪いことしちゃいましたか?」
「あぁぁぁ……悪くねぇ、悪くねぇんだが…!」
「そう、悪い訳では無いんです!」
「……悪くないけど」
「なんて言ったらええんやろなぁ?」
歯切りの悪い言い方のヴィルム達に首を傾げる凪。すると、サルージャが簡潔に言った。
「約束は破ってないが、魔力を誰もいない所で乱発するのはとりあえず止めろ」
(なんか悪いことしちゃったっぽい?)
理由はイマイチ分からないけど。
「ごめんなさい」
凪は素直に謝った。
凪の周囲には、始めの頃より強い光が溢れていた。部屋に取り付けられたライトが不要なほどに。
(んー……何か、ほんわかした感じがするけど…これで合ってるのかな?)
グググッと集中力を高めると、何かを掴んだような気がした。
(えーと、この次は……魔力を放出するんだったよね?)
そっと目を開けて……絶句した。
「何で?え?え?」
きょろきょろと周りを見渡して、自分を中心に光が溢れていたことにやっと気づいた凪。……鈍い。鈍すぎる。
「……ま、いっか。害はなさそうだし」
そして、楽観視しすぎだった。
凪は、すぐに気を取り直して魔力を放出する練習を始めた。
◇◆◇◆◇◆
凪が魔力操作について練習している中、他の人たちはというと……。
「あー、何かつまらねぇ。つか、腹減った」
「なに言ってるんか、自分。ここに来てから、そんなに時間経ってへんやろ?」
「ナギがいねぇから、やる気おきねぇ」
「本心ダダ漏れじゃないですか」
「……うける」
「はぁ……、一時間経ったら様子を見に行くか?」
「あぁ、そうする」
凪がいないとやる気が出ないとのたまうヴィルムに、サルージャ達は呆れ顔をした。まぁ、サルージャ達も口ではヴィルムに呆れた様子だが、内心はヴィルムと同意見だった。
魔術師や騎士を相手に、剣や魔術を使ってバッタバッタと薙ぎ倒して、不満をぶちまけた面々は結局、早々に訓練場を後にしたのだった。
◇◆◇◆◇◆
その頃、凪はと言うと。
「ばーん」
間抜けな声を出して、魔力をそこかしこに放っていた。
(むむむ、何とか外に魔力を出すことには成功したけど……、こう…自由自在に扱うことはできないなぁ)
上手くいかないことに頬を膨らませていると…
バンッ!
「ふぇっ?」
「「「「「何やってんの!?」」」」」
突然、図書室の扉が音を立てて開かれた。そして、向こう側にいたのは、鬼のような形相をしたサルージャ達。凪はどうして怒鳴られたのか理解出来ていなかった。
「あ、あのっ、何か悪いことしちゃいましたか?」
「あぁぁぁ……悪くねぇ、悪くねぇんだが…!」
「そう、悪い訳では無いんです!」
「……悪くないけど」
「なんて言ったらええんやろなぁ?」
歯切りの悪い言い方のヴィルム達に首を傾げる凪。すると、サルージャが簡潔に言った。
「約束は破ってないが、魔力を誰もいない所で乱発するのはとりあえず止めろ」
(なんか悪いことしちゃったっぽい?)
理由はイマイチ分からないけど。
「ごめんなさい」
凪は素直に謝った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
610
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる