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17、怒られた

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 凪が魔力を探し始めて三十分。
 凪の周囲には、始めの頃より強い光が溢れていた。部屋に取り付けられたライトが不要なほどに。

(んー……何か、ほんわかした感じがするけど…これで合ってるのかな?)

 グググッと集中力を高めると、何かを掴んだような気がした。

(えーと、この次は……魔力を放出するんだったよね?)

 そっと目を開けて……絶句した。

「何で?え?え?」

 きょろきょろと周りを見渡して、自分を中心に光が溢れていたことにやっと気づいた凪。……鈍い。鈍すぎる。

「……ま、いっか。害はなさそうだし」

 そして、楽観視しすぎだった。
 凪は、すぐに気を取り直して魔力を放出する練習を始めた。

◇◆◇◆◇◆

 凪が魔力操作について練習している中、他の人たちはというと……。

「あー、何かつまらねぇ。つか、腹減った」

「なに言ってるんか、自分。ここに来てから、そんなに時間経ってへんやろ?」

「ナギがいねぇから、やる気おきねぇ」

「本心ダダ漏れじゃないですか」

「……うける」

「はぁ……、一時間経ったら様子を見に行くか?」

「あぁ、そうする」

 凪がいないとやる気が出ないとのたまうヴィルムに、サルージャ達は呆れ顔をした。まぁ、サルージャ達も口ではヴィルムに呆れた様子だが、内心はヴィルムと同意見だった。

 魔術師や騎士を相手に、剣や魔術を使ってバッタバッタと薙ぎ倒して、不満をぶちまけた面々は結局、早々に訓練場を後にしたのだった。

◇◆◇◆◇◆

 その頃、凪はと言うと。

「ばーん」

 間抜けな声を出して、魔力をそこかしこに放っていた。

(むむむ、何とか外に魔力を出すことには成功したけど……、こう…自由自在に扱うことはできないなぁ)

 上手くいかないことに頬を膨らませていると…

 バンッ!

「ふぇっ?」
「「「「「何やってんの!?」」」」」

 突然、図書室の扉が音を立てて開かれた。そして、向こう側にいたのは、鬼のような形相をしたサルージャ達。凪はどうして怒鳴られたのか理解出来ていなかった。

「あ、あのっ、何か悪いことしちゃいましたか?」
「あぁぁぁ……悪くねぇ、悪くねぇんだが…!」
「そう、悪い訳では無いんです!」
「……悪くないけど」
「なんて言ったらええんやろなぁ?」

 歯切りの悪い言い方のヴィルム達に首を傾げる凪。すると、サルージャが簡潔に言った。

「約束は破ってないが、魔力を誰もいない所で乱発するのはとりあえず止めろ」

 (なんか悪いことしちゃったっぽい?)

 理由はイマイチ分からないけど。

「ごめんなさい」

 凪は素直に謝った。
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