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■ 彼女の気持ちと僕の不安■オマケ的短編⑤

*僕だけのもの2

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***

「んっ、……はぁ、っ。……りひ、と……ちょっと待っ――」

 1501号室。
 エレベーターを降りると、本当にすぐそこの部屋が葵咲きさきちゃんの押さえてくれていた部屋だった。

 しっかりしているように見えて、少し方向音痴なところのある彼女だから、ホテル側に分かりやすい位置の部屋をお願いをしたのかもしれない。

 何にしても好都合だ。僕は押し込むようにして彼女を部屋に入れると、扉が閉まりきるのも待たずに性急に唇を塞いだ。葵咲ちゃんが、僕の背後にわずかに開いた隙間を気にして、「待っ、まだドア……」と身じろぐ。
「待てるわけ、ないだろ……?」

 僕がそう言ったのと同時に、パタン……とドアが閉じ切った音が後ろから聞こえて、オートロックが作動した。

 彼女のダッフルコートコートのボタンを、キスしながら次々に外すと、僕は葵咲ちゃんからコートを脱がせる。

「こんなに可愛いことされて、僕がおとなしくしていられると思ってたの?」

 低くつぶやいて、剥ぎ取ったばかりのコートを足元に落とすと、自分の上着も乱暴に脱ぎ捨てて、葵咲ちゃんをギュッと抱きしめた。

 葵咲ちゃんはダッフルコートの下に、白いニットのワンピースを着ていた。
 すっぽり被るタイプのそれは、ファスナーなどが付いていない。

 そういえば、初めて彼女を抱いた時も、葵咲ちゃんはこんな感じの被るタイプのワンピースに身を包んでいたっけ。

「葵咲、今日の服、何だか初めての時を思い出してそそられるね」
 すごく興奮する……。そう耳元でささやきながら、彼女の耳朶じだに舌を這わせた。

「……やぁ、んっ、理人りひと、それ……ダメぇっ」

 嬌声きょうせいとともに、葵咲ちゃんの身体から力が抜けて、僕にすがりついてくる。

 僕は葵咲ちゃんが座り込んでしまわないように片腕で支えながら、もう片方の手でお尻を撫でた。

 柔らかなヒップラインを堪能しながら、その動きに合わせてワンピースの裾を少しずつたくし上げていく。

 そうしてまんまと下着に到達した僕の手は、そのまま葵咲ちゃんの一番敏感なところに触れようと、前方を目指した。

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