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告白

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「……立てますか?」
「は、はい……」
 まだ衝撃の余韻が残っていたけれど、塚田つかださんに優しく手を差し伸べられた私は、彼に支えられてゆっくりと立ち上がる。

 塚田さんは作業着の上を脱いでTシャツになっていらして、だからと言って下は部屋着に着替えるでもなく作業ズボンのままで。

 ここがご自宅ならば、本来今頃お風呂に入ってゆっくりなさっている頃だったかも知れない。
 そう思ったら、申し訳ない気持ちになってしまった。

「ごめ、……にゃさい」
 塚田さんのほうを見られなくてうつむいたままそう言ったら、「それは……何に対する謝罪ですか?」と聞かれてしまった。
 そんなことを言われるとは思っていなかった私は、一瞬言葉に詰まってしまう。

わらし塚田つからしゃんにご迷惑おかけしれ……しまってましゅ」
 一人で歩くことも出来ないほどに酔っ払って、まともに喋ることもままならない。

 考えただけで恥ずかしくて……穴があったら入りたい。

 私の言葉を黙って聞いていらした塚田さんが、瞬間、どこか安心したようにほぅっと溜息をかれた。そうして「なんだ、そんなことでしたか」とつぶやいて小さく笑う。
「しょんな、ころ?」
 私にとっては大問題なのに、と思いながら聞き返すと、
「ええ。僕はまた、僕を大好きだと言ってくださったことを後悔しておられるのかと、心配しました」
 クスクスと笑いながら、楽しそうにそう仰る。

 私は、塚田さんのその言葉に瞳を見開いた。

(あれは……夢の中の出来事じゃ……なかった、の?)

 塚田さんの楽しそうな表情を見て、彼が私の告白を喜んでくださっていることが分かった。それを素直に嬉しいと感じれば感じるほど、それと同じぐらい……いやそれ以上に……。健二けんじさんに対する罪悪感がふくらんで。

「あ、あにょっ、わ、わらしには……っ」
 思わず背後を振り向いてそこまで言って、私は塚田さんの笑顔に、ずる賢くも思わず言葉を飲み込んでしまう。

 私は……人として取り返しのつかない事をしようとしている。そんな、気がした。


***

 しばらく私の言葉の続きを待ってくださった塚田さんだったけれど、私が先を言えずに躊躇ためらっているのを知ると、ややして話し始められた。

「僕はね、歓迎会が始まってからずっと、心の片隅で貴女がこんな風に酔っ払ってくれたらいいと願っていました。だから……はやしくんたちが貴女に酒を勧めたときも、キミが困っているのを知りながら、なかなか止めに入らなかったんだ。ずるい男でしょう? ――なので」
 そこで一旦言葉を区切ると、塚田さんが私を抱く腕にほんの少し力を込める。
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