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個人活動

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みんなを部屋に呼ぶと、用意してあった紅茶をまず入れていた。

「なんだよ、麗奈。急に呼ぶなんて、珍しいよな。」

「ええと、さっき用事があって事務所に行ったんですけど。とっても良いニュースでした。」

「おお 給料でも上がるのか? 今、年収120万だけどね。」

「まぁ、家賃と食事代と光熱費と携帯代はかからないけどね。それで?」

「12月24日から東京をスタートして、関東を回って1月3日に北海道から全国ツアースタートだそうです。でも、今回は1日2回の昼と夜のライブになって。1県1箇所で、3ヶ月くらいで終了するそうです。休みもなくなるかもしれないって言われました。」

「2日に1回だろ?移動日だけじゃないかよ。多分、鬼だから移動日も着いたらライブかもしれないしな。」

「まぁ、私達は演奏だけだからまだいいけどさぁ。麗奈は大丈夫なの?100くらいのライブを3ヶ月ちょっとなんてさ。」

「まぁ、大丈夫だと思いますよ。ライブできて幸せですからね。」

「ここに来てから、ライブはこれで350くらいやってるのかな?」

「もう、5年経つものね。まぁ、それは会社の決定だから仕方ないよね。」

「稼ぎが悪いからかしらね? まぁ、ツアーない年はのんびりできてるけどね。」

「まぁ、そこそこでしょうね。人気あるか、無いかなんてわからないですしね。」

「そうそう、全国を追いかけてきてるファンもいるみたいよ。」

「言ってくれれば、なにかするのにね。」

「だよな。ファンとか大事だものね。」

「えっと、それでなんですけど。選曲なんですけどね。CMの曲は3曲と新しい曲4曲は決まってるんですけどね。7曲なので、後9曲くらい決めて、大体、20曲くらい練習しよと思ってるんですけどね。」

「そうそう、麗奈。毎日2回のライブだし、アンコールは1回で1曲にしなよ。」

「そうね。麗奈が潰れたら困るから1回18曲制限ね。」

「わかりました。アンコールは1~2曲にしましょうね。」

個々で考える事にして、その日は解散していた。
洋子に頼んで、楽器屋に行くことにした。
純也も着いてきてくれて、車からギターを運ぶのを手伝ってくれていた。
4本のギターをメンテに出した。 
ピックも大量に買っていた。
楽器屋ではもうわかっているので在庫として置いてくれあったので、全て買った。
弦も4種類、50セット買ったのでダンボール箱に入れられていた。
大きなダンボール箱と小さなダンボール箱をもらい、代金は洋子が払っていた。
店では、ギターは鍵の付いた保管庫に入れられていた。
まぁ、盗まれたら3000万は弁償しなければならないし、程度の良いギターも今は市場に出てなかったのでお金では弁償できなかった。
まぁツアー前は大量に買いにくるので。店ではホームページを見ていた。
今度は関東で1週間ライブをしてから、北海道から下りてくるみたいだった。
チケットも、除々に売れ始めていて。
都内の会場はすでに9割くらい売れてしまっていた。
他の会場も6~7割売れていた。  
まぁ、あれだけCMソングがヒットすれば当然だった。
弦とかピックは、事務所に預かってもらうことにした。
今使う分は、十分あって20弱のセットがギターと共に部屋にあった。
それから、選曲を始めていた。 
冬・恋人・雪が大体のテーマだった。

1ヶ月の間に、宣伝の為10回ほどTVにも出演をしていた。
まぁ急に言われたので、残っていたFenderでの出演となっていたが。
その間に選曲した曲で善人に了解を得て、練習はしていた。
麗奈は、練習の合間に【恋詩】【桜並木】と曲を作っていて、善人に聞かせていた。
12月上旬に、この2曲のレコーディングが開始されていた。
もうギターも戻ってきてるので、2曲共アコースティック2本で演奏していた。
Martinと購入した400万ちょっとのGibsonアコースティックで演奏していた。
まぁ事務所で弦やメンテの費用は出してくれてたので、お金をあまり使わない麗奈は買えていた。
主にGibsonはリズムでコード中心に弾いていた。
Martinは、ピッキングやアルペジオの時に使っていた。
3本の時は、Ovationでリードを入れたりもしていた。
12月の20日には全て終わっていて、ファミレスで打ち上げをした。
洋子や純也も一緒だった。  
6人で食事して楽しく会話していた。
明日から3日間通し合わせの練習を1階で行い、23日は休養日だった。

器材のトラックには、みんなで積み込まれていた。
麗奈の大量の弦とピックも積まれ、5本のギターも積み込まれていた。
普通のトラックと違うところは、荷台はあまり振動しなく気温や湿度は一定に保たれれる様になっていた。
4人は、洋子と善人と共に、普通の6人乗りのミニバンに乗った。
中は案外広くゆったり出来ていた。どのシートもキャプテンシートに改造されていた。
24日のクリスマスから東京でスタートした。

「麗奈。今回は凄いギターばかりだな?それって、この前レコーディングで借りたのでしょ?今回も借りたの?」

「なんかCMで、売上が凄かったみたいで。貰っちゃいました。」

「これで、貰ったギターは2本目か。良かったな。それにアコースティックも新しく買ったしね。」

「これだけは買いましたね。そういうみんなだって、新しく買ってるじゃないですか。」

「買ってるけど、そこまで高くないからね。しかし、大晦日まで休み1週間で7箇所14ライブだものね。来年は自宅で正月迎えられるけどね。今回は2日の午前中に飛行機移動みたいだから。」

「初めての飛行機だわ。楽しみだわね。」

「まぁ、それだけスケジュールが過密だってことだよね。1番可愛そうなのは、器材や車を運ぶスタッフさんですけどね。」

「そうよね。大晦日ライブ終わったら。そのまま走るんでしょ?」

「今回はフェリーで行くみたいですよ。運転も疲れるでしょうからね。」

ライブ会場では、タオル・チケットケース・コースター・マグカップ・キーホルダー・携帯ストラップ・リストバンド・Tシャツなどが売られていた。
これは入場者限定で販売された。 
全員の物から、個人での物があった。
半分は麗奈のグッズが売れていたが、彼女達は知る由もなかった。
関東エリアで7回のライブが終了すると、北海道から始まったツアーは3月上旬には都内に戻ってきていた。

4人は、4月から個々に別々の仕事に取り組む様になってきていた。
あすかなど3人は、色々なTV番組に個人で出ていた。
話しとか、上手なのでトーク番組とか多かった。
麗奈はスタジオミュージシャンとして他のレコーディングに参加したり、ソロで他の人のライブに参加したり。
170センチの身長とスタイルの良さ・小顔で美人なのでファッションショーなどにも出ていた。
勿論曲作りは幅広く制作していて、4人のCDなどの楽曲も作っていた。
色々な歌手やミュージシャンと知り合い、たくさんの曲構成なども身につけていた。
4人は、朝は必ず一緒に走って食事をしていたが。 
スケジュールが違うので、夜は1人とかも多かった。
それぞれに、マネージャーもついていて。 
1番活動してる麗奈は、運転手と洋子が付いていた。
メンバーの中でTVに出演してないのは、麗奈だけであった。

この年の夏、やっと地元に帰る許可が下りたが。
事務所は夏祭のゲストとしての多額のお金での出演を引き受けたのだった。
その代わり、実家に1日泊まる事を許されていた。
小さな街では、大イベントだった。  
街の経費もかなり使われていた。
まぁその代わり、まだあまり名前の知られてない3組のバンドと4人のアイドルユニットを前座として出演させるのが条件ではあったが。




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