【R-18】異世界で開拓?

甘い肉

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二章:領土拡張編

22話:閑話休題<ゴブ美達の冒険>

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ゴッゴッゴブリンノー♪メッスワ、ヨワクテチッチャイゾー♪
ゴッゴッゴブリンノー♪メッスワ、ゼンゼンクッサクナイー♪
ゴッゴッゴブリンノー♪メッスワ、トッテモ♪カワイイゾー♪


 何処から見てもアホな子だが、とても楽しそうに歌いながら、縦一列に並んで歩いていたのわ、
 以前タカシによって連れて来られたメスゴブリン達だ

 実は子供好きという、サーナに「子供が覚えられるような歌を考えろ」

 とタカシに無茶ぶりされたサーナが考え、タカシが教えてみると気に入ってくれた、仕事で外を出る時に歌いながら歩かせる事で住民たちに不安を与えない為だった

 ゴブ美達は、三日に一度の間隔で壁内の中にある、スライムの養殖場で仕事をしていた、

 クルスの立案によって、都市化には恒久的にスライムが必須だと言われて養殖が始まった、
 始めは交換ポイントによって数匹だったが適切な餌と環境によってその数を増やすことに成功した

 都市化が進むほどに数が必要となるため、養殖場の管理は怠れない、
 増えすぎると養殖場から溢れてしまう事があり、

 定期的に数を間引く必要があった

 壁の中は塔の中心から壁まで歩いて6時間、
 時速4キロとした場合、半径二四キロという事になる。
 其処の端っこまでわざわざスライムの為に向かう仕事を望んでやる者は少なく、ゴブ美たちをいずれ冒険者にしたいと考えていたタカシにとって、丁度良かった

 またゴブ美達もずっと洞窟で過ごし、今度は奴隷部屋という閉鎖的な生活を続けていたので、外に出られるのは単純に嬉しかったみたいで
 ゴブ美たちも喜んでいた

 この他にも住民を安心させる為、
 異世界から召喚された元奴隷商人によって
 タカシの奴隷と分かるよう、目印としての首輪を嵌められていた

 一目でわかる大袈裟な首輪を嵌められているが、
 一般住民が安心を得る為にデザインされたもので、見た目と違って軽い作りになっている、
 実際には隷属の紋章という魔法を身体に掛けられていて、

 これにはタカシ自身、必要性を感じなかったが、外に出すのを住民に反対された為の措置だった

 ゴブ美達はそれぞれ名前を与えられ、ギルドにノービス(新人)として登録されている

 ゴブ美一九才(人間換算)
 ゴブ子二八才(人間換算)
 ゴブリー一九才(人間換算)
 ゴブ・リン子一六才(人間換算)
 ゴブ・ブミ子一四才(人間換算)

 この五人はとてつもなく弱く、スライム以外は倒せないが
 レベルを上げいつかクラスアップを果たした場合に冒険者として活動出来るかどうかの試験的な意味合いもあった

 タカシは、きっとこの世界には他にもいる筈だと考えていた

 ドリアード、オークの牝、オーガの牝、ラーミア、リザードの牝、ハーピー、ヴァンパイア、他にも未だ見ぬモンスター娘が居るかもしれない、
 人間を見た事が無い無垢な牝達を育て、亜人として育てる事は出来ないか?
 その為の試験としてゴブ美達を育てたいとカイに伝え、
 住民に害が無いならと承諾を得た





 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 スライムの養殖場

「ツイター!ツカレター!」

「ヤスム?ネル?」

「ネルー!」

「スライムタオス!ダイジ!」ポカポカ

「ダイジ!ダイジ!」ポカポカポカ

「「「イタイ!イウコトキク!」」」


 年長組のゴブ子とゴブ美が他の三人にゲンコツし、養殖場の外に出ようとするスライムを倒し始める


「「「「「セーノードーン!」」」」」


 外に出ようと上がってくるスライムを五人がかりで一気に叩く

 こうすると、反撃されずにスライムのコアを潰す事ができる。

 始めの頃は一人一匹で戦い、やられて半裸で泣きながらギルドに逃げ込んだ。

 それを見た数名の冒険者が腰を折り、女性から冷たい視線を浴びる事になった

 二対一の方が楽だとわかり、それでも大きくなった個体にはやられそうになり、
 三対一でようやく安全に勝てた、そうすると三対一と二対一の組みでバランスが悪いので少ない組みの
方が負ける事があり、

 少しずつ工夫し、今のやり方に自力でたどり着いた

 タカシは敢えて、冒険者達にも手助けしないように厳命しておいた

 スライムに安全だが、ボゴボコにされ、自分で考える力を付ける事も重要だと考えたからだ

 少しずつ服が溶ける面積が狭くなり、レベルも1から3になる頃、
 服は溶かされなくなった。


「ヤッター!カッタカッタ!」
「コア!コア!」
「一コメ!アト九コ!」
「アッチ!スライムアガッテキタ!」
「ヤッツケル!」
「「「「オー!」」」」

 ヤー!キャー!オー!ワー!
 と養殖場ではしゃぐメスゴブリン達に


「おーおー頑張ってるなぁ?」


 一人の男が近づいて声を掛けた


「ダレダ?」


 棍棒を肩に担いで爽やかな笑顔で聞くゴブ美

 人に話しかけられたら、笑顔で話せと言われているのを素直に守っているのだ


「おお、最近服溶けて無えからちゃんと仕事してるか見に来たんだよ」


「ツヨクナッタ!スライムコワクナイ」

 スライムを倒して回収したコアを冒険者に見せる

 袋の中には十個のコアが入っていた


「やるじゃねえか、だが冒険者になるんなら一人でスライム倒せるように何ねえとな!そうしたらマスターも喜ぶんじゃねえか?」


「マスターヨロコブカ?」


 ゴブ美達は顔を見合わせる


「ドウスル?」
「ヒトリデヤルカ?」
「マスターヨロコブ!ヤル」
「ヤル!ツヨクナッタ!」
「ダイジョウブ!」


「ああ、スライム倒すのはなコツがあるんだ、見せてやるから良く見とけよ?」


「オマエイイヤツ!」
「イイヤツ!ミセテ」


 興奮して冒険者を見上げるゴブ美たち

 豚鼻以外は可愛いらしいゴブリン達に見つめられ、思わず照れてしまい、張り切りだす若い冒険者


「よーし、よく見てろよー」


 冒険者は手頃なスライムを掴みとり、力ずくでコアを抜き取る


「「「「「オオオオオオ!」」」」」


 コアを抜かれたスライムはただの水たまりとなっていく


「カンタン!」
「コレカンタン!」
「ラク!ラク!」
「ヤッテミル!」
「ヒトリデヤル!」


「じゃあ適当なスライム取って投げてやるからそれでやってみろ」


「ワカッタ!オマエイイヤツ!」


 男は適当なスライムを捕まえてはポイポイと地面に投げる


「イグゾーヒッコヌケー!」


 ゴブ美たちは、スライムを両手で捕まえてコアを抜きにかかる


「ムウ、コアトレナイ!」


「慣れないとな、力の入れ方が難しいんだ、胸に抱くようにすると良い」


「「「「「ワカッタ!」」」」」


 ムキになってスライムを抱きしめながら中のコアを抜きにかかるゴブ美達は気がつかない、

 胸の服が溶け始めている事を
 ただの布の服は、スライムによってに溶け始める……

 うほースライム越しに小さいのから大きいのまで丸見えだ!
 スゲー!!

 ゴブ美達をけしかけたのは
 ギルドで半裸のゴブ美たちを見て腰を折っていた冒険者だった

 マスターの奴隷であるゴブ美に直接手を出せないが、
 半裸のゴブリンたちを見るのが楽しみだったチェリーボーイだ


「ハアハア!トレタ!トレタ!」


 年長組の三人は正面の部分に丸い穴を開けて、丸出しの状態になりながらもコアを取る事が出来ていた。


「ムリ!ムリ!タスケテー!」

「タベラレルー!」


 年少組は身体が小さいため、身体の前面の布を殆ど溶かされていた

 小さな身体の胸に付いている、ソフトボールぐらいの丸い膨らみがスライムに身体を包まれ、揺らめいていた


「おっとやべ!」


 ゴブリンの緑色の肌が少し赤くなり始めてるのは酸のせいだ。

 チェリーボーイが慌ててコアの抜き、
 スライムはただの液体へと姿を変えていく


「タスカッター」

「アブナカッター」


 スライムにやられそうになった、リン子とブミ子は、仰向けで緑色の肌をやや赤くし、身体をスライムまみれの状態で仰向けに寝そべる


「身体がスライムまみれだな……ふっふいてやるよ」

 チェリーボーイの冒険者が震えながら手をソフトボールの形を崩さない胸を掴む


「アン!ソレダメ!」


 リン子の声に反応したゴブ美達が一斉にチェリーボーイを止めようとする


「ソレ!ダメ!サワルノダメ!マスターオコル!」


「っち!俺が助けてやったんだろ!ちょっとぐらい良いだろ!」


「ダメ!ムリ!コレツナガッテル!マスターワカル!オマエシヌゾ?」


 ゴブ美は、リン子のお腹に光る紋章を指差す


「っち!クソが!調子のんなよブス!」


 チェリーボーイは走って逃げいくのを見てゴブ美たちはほっとする
 紋章にそんな能力は無いが、襲われた時にそう言うよう、サーナに教わっていた


「ダイジョウブカ?」

「サワラレルノヒサビサ!マスターホシイ!」
「ワタシモ!」


 胸を弄りだすリン子とブミ子


「カエルノオソクナル」
「マスターオコルゾ」
「「マスターオコル、コワイ、カエル」」


 帰り道で、いつものようにゴブ美たちは笑いながら、歌いながら、街へ戻っていくと

 途中で畑を世話してた農家のおばちゃんに声を掛けられた


「アンタ達!またやられたのかい?」

「ヤラレター!ケドカッタ!」

「裸で歩いたら駄目だよ!これ着な!」

「アリガト!オバチャン!」

「マタナー!」


 また歌いながら歩き出すが再びおばちゃんに止められた

「待ちなよ、これ上げるから持ってきな」


 オバチャンは五人にパンを手渡した


「パン!パンだ!」

「ヤッター!」

 大はしゃぎするゴブ美たち

「気をつけて帰りなよー」

「「「「「ワカッター!アリガトー!」」」」」


ゴッゴッゴブリンノー♪メッスワ、ヨワクテチッチャイゾー♪
ゴッゴッゴブリンノー♪メッスワ、ゼンゼンクッサクナイー♪
ゴッゴッゴブリンノー♪メッスワ、トッテモ♪カワイイゾー♪


「……本当に可愛い子たちだねえ」


 離れていくゴブ美たちを見て、ボソリと呟くオバチャンの背中は少し寂しそうだった……

 住民の魔物に対する偏見が少しづつ変わりゆく瞬間だった
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