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2.覚悟を決めたい
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「拓海? どうしたの?」
奏が声をかけてきた。彼は着ていたシャツを脱ぎ、綺麗に畳んでベッドの横に置いている。
「いや、なんでもない」
拓海は一応返事をするが、頭の中では相変わらず様々な意見が錯綜していてそれどころではない。
(俺、どうしたらいいんだ? “積極的”ってなに?)
意識していなかったことを急に意識すると、今までできていたことまでできなくなる。
(奏はいつもどうしてる?)
拓海は頭を抱えたい気分だった。なにも思い出せない。
「クソ⋯⋯もっとちゃんと見ておくんだった⋯⋯」
拓海が小さく呟く。奏はすぐにそれに反応し、拓海の方を見た。
「え、なに? ⋯⋯あ、わかった」
しばらく訝しげに拓海を見ていた奏だったが、ふとなにかに気がついたように笑顔になり、こちらに近づいてくる。
「たっくん、脱がしてほしいんでしょ?」
奏はそう言うと、拓海の服に手をかけた。
「え、いや⋯⋯」
このままではまた奏に任せきりになってしまう。しかし、今日はそれでは駄目なのだ。
拓海は奏の手を抑え、じっと彼を見据えた。
(ここは覚悟を決めろ)
心の中で自分を励ます。
「奏」
「ん?」
奏は微笑みながら首を傾げた。
「どうしたの?」
拓海は二の句が継げない。恥ずかしくて死んでしまいそうだ。
「奏、今日は俺が攻めるから」
意を決して言葉にする。奏は一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐに優しい笑みに戻り、
「わかった」
とだけ答えた。
奏が声をかけてきた。彼は着ていたシャツを脱ぎ、綺麗に畳んでベッドの横に置いている。
「いや、なんでもない」
拓海は一応返事をするが、頭の中では相変わらず様々な意見が錯綜していてそれどころではない。
(俺、どうしたらいいんだ? “積極的”ってなに?)
意識していなかったことを急に意識すると、今までできていたことまでできなくなる。
(奏はいつもどうしてる?)
拓海は頭を抱えたい気分だった。なにも思い出せない。
「クソ⋯⋯もっとちゃんと見ておくんだった⋯⋯」
拓海が小さく呟く。奏はすぐにそれに反応し、拓海の方を見た。
「え、なに? ⋯⋯あ、わかった」
しばらく訝しげに拓海を見ていた奏だったが、ふとなにかに気がついたように笑顔になり、こちらに近づいてくる。
「たっくん、脱がしてほしいんでしょ?」
奏はそう言うと、拓海の服に手をかけた。
「え、いや⋯⋯」
このままではまた奏に任せきりになってしまう。しかし、今日はそれでは駄目なのだ。
拓海は奏の手を抑え、じっと彼を見据えた。
(ここは覚悟を決めろ)
心の中で自分を励ます。
「奏」
「ん?」
奏は微笑みながら首を傾げた。
「どうしたの?」
拓海は二の句が継げない。恥ずかしくて死んでしまいそうだ。
「奏、今日は俺が攻めるから」
意を決して言葉にする。奏は一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐに優しい笑みに戻り、
「わかった」
とだけ答えた。
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