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第3章 岡山県2

05 お仕置き

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「今の音ってなぁに?なんか聞いた事がある音だった気がするけど…」
平田が博之を見下ろしていると下着を干してあった部屋から全裸の凜が顔を出した。
「何でもない。死にたくなければお前はあいつらに遊んでもらってろ…お前と一緒に行った連中はどうした?」
持っていた銃を凜に向ける平田。

「銃…こっちもけっこう出回ってるんだ…ハァ…それで?連中ってさっきの3人の事?」
「あぁ」
「あいつらならもう出せないって泣きを入れてきたからちょっとだけ限界を超えて絞ってやったら寝たわ。次はもしかしてあんたが相手してくれるの?」
裸のまま出てきてドアの枠に腕を伸ばし足を少し上げながら股間を少し広げて挑発的な視線を向ける凜。
「…ずいぶんとそっちが強いみたいだな。店で限界まで楽しませてやるから少し待ってろ」
「あらそうなの?そしたら少しだけ飲み物を~♪」
凜が足取り軽くキッチンに向かうと床に倒れている博之が見えてきた。

「…博之?えっ?あんた何してるの?ねぇ、ちょっと?!」
「近づくな!お前も死にたいのか?!…まったくめんどくせぇ…お前は…まぁいい。死にたくなければそっちで着替えて待ってろ」
平田が銃で凜が出てきた部屋を指示したら青い顔をした凜が何度も頷きながら部屋に後ずさり入って行った。

スマホを取り出し今日一緒に来た手下のアドレスを選び通話ボタンを押す。

………

呼び出し音が鳴るだけで出ない。

「…あいつら何してやがる」
下の車に居るはずの手下達に手当たり次第に連絡を取るが誰も出ない。
5人目に発信していたら近くから着信メロディーが聞こえてきた。
銃をスーツの中に隠すのと同じタイミングで玄関のドアが開いた。

「もしもし~陽菜だけどだぁれ?」
開いた玄関から上着を手に持ちチューブトップの上の部分が半分ぐらい切れていて谷間がほとんど露出した姿のストッキングもボロボロに破れた陽菜と、ボロボロなセーターとブラジャーとパンティーを手に持ってスカジャンとスカートだけを身に着けた美咲が部屋に入ってきた。

「…なんでお前らがここに来た?下の連中はどうした?」
「んー?なんか寝不足だったんじゃないかなぁ?」
「少しだけ裸になって子守唄を歌ってあげたら全員寝ちゃったよね~♡」
「あんたの子守唄はエロ過ぎだけどね~♪」
「陽菜も大して変わらなかったじゃん♡地下駐車場に陽菜のエロ声が響き渡ってたよ?」
「えー私ここに住むのが恥ずかしくなっちゃうぅ~新しいマンションが欲しいなぁ~チラッ?」
勝手に話しだした陽菜と美咲を見ていて玄関から出て行った緑の事が頭を過った…今下には意識のある奴は誰も居ないかもしれない…お嬢様は地上に停めた車に行ってるはずだが…

「お前ら…緑お嬢様は見てないのか?」
何かが引っかかる気がしたので隠した銃を取り出し陽菜と美咲に銃口を向ける。

「銃って…なんで…あー緑?」
「そんなので脅さなくても話すわよ…えーっと緑は…陽菜見た?」
「私見てないわ」
「本当に見てないんだな?それならば…」
2人がお嬢様を見てないのはまぁいいだろう。でもお嬢様ならば安全な所に行けば連絡ぐらいはしてくるはずなのに…持っているスマホを見るが着信の形跡はまったく無い。

言い知れぬ不安が頭を過り部屋を飛び出しお嬢様を探したくなった平田だったがこの場を放置して通報でもされたらまずい事に意識が向いた。
「っと…今ここを離れるのは…チッ、お前らこっちに来い!」
銃で狙われている陽菜と美咲は平田の言う通りに玄関で靴を脱いで室内に入って来た。
廊下を恐々歩きキッチンの近くに来た時に美咲が博之に気付いた。
「えっ?博之さん?」
「博之君?!ちょっとまさか?!」

陽菜と美咲が博之に走り寄ろうとしたので博之の太ももの辺りに向けて弾を1発撃ちこむ。
「勝手な真似をするな!!さっさとこっちに来い!」
「待って撃たないで!いう通りにするから!」
「やめて!博之さんを撃たないで!!」
「さっさとこっちに来い!」
陽菜と美咲が博之からゆっくり離れて震えながら平田の銃で指示された辺りに移動する。

「おいさっきの女、出てこい!」
「…もしかして私?」
閉まったドアの後ろから凜の声が小さく聞こえた。

「そうだ、出てこい!妙な事をするなよ!まだ弾は10発以上あるからな!」
5秒ほどして凜がさっき着ていた服を着なおして出てきた。
「そいつらの所に行け」
銃を向けられ抵抗できず、平田の言うとおりに集まる陽菜達。

「とりあえずこれでお前らの親指を後ろ手に止めろ」
平田が投げてよこしたのは太めのナイロン製の結束バンド。
陽菜達は言われるままにお互いの親指を後ろ手に止める。
3人がお互いを拘束したのを見て平田が一人づつ自分の方に来させて締まってるかを確認した。
「よし、お前らはその部屋に入ってろ。何か音がしても勝手に外に出るな、分かったな」
平田が銃を陽菜の顔に銃身を当てて脅すと3人が揃って何度も頷いた。
部屋の中には裸のままで床に倒れている手下の3人が居たがそのまま一緒に閉じ込めておいた。

目が覚めれば動けないこいつらをまた勝手にいたぶって遊んでるだろう。
使えない手下を自分がわざわざ運んでやる必要は無い。

下着部屋に3人を隔離してドアが内側から開かない様に良さそうな大きさのゴミ袋を部屋の前に置き玄関から出て駐車場に走る。

頭の中では緑お嬢様の無事だけを願っていた。
最初にエレベーターの所に来たら2基のエレベーターの内、片方が故障中のランプが点灯していて1Fで止まっている。もう一基は下に向かって3階下を移動中。
一回舌打ちをしてそのまま非常階段を使い指示した地上階の駐車場へ。

エレベーターが地下の駐車場に到着するのとほぼ同じ頃に非常階段のドアが開かれて平田が1Fのエレベーターホールに現れた。
エントランスを出て車に向かうが緑お嬢様は居ない。
確か車のキーはお嬢様も持っていたはず…ここに居ないという事は、もしかしたらどこかで落とした?
平田は地下駐車場の入り口に向かって走る。
手下達が乗ってきた大型SUV3台が客用の駐車エリアに止まっていた。
走り寄ると手下の全員が陽菜達が言った様に意識を失い下半身を露出したまま倒れていた。

「緑お嬢様!お嬢様!!」
大声で呼び駐車場内を走り回って確認してみたが緑お嬢様は居ない。
お嬢様が車の中で籠城できない状態でもしここに来てあいつらの状態を見たらどうするか…
緑の行動予測を終えて止まっていたエレベーターに乗ってさっきの部屋に向かう平田。

階を示すランプがゆっくりと上の階を示していく…
陽菜の部屋の階に着いたらドアを押し開けて走る。

「お嬢様!居ませんか?!」
玄関のドアを開けて陽菜の部屋に入ると数人の人影が見えた。
その内の1人が緑お嬢様だった。

「お嬢様よかった!緑お嬢様ぁ!!」
泣きそうな気分で緑お嬢様に駆け寄るとなぜか緑お嬢様が自分から距離を取った。
「緑お嬢様?」
「なぁ、お前は誰を緑お嬢様とか呼んでんの?まさかこいつの事か?」
緑お嬢様の肩に腕を回して抱き寄せた男が下卑た顔で聞いてきた。



「お前は…死んだはず…頭を撃ち抜いたはずだ!なんで生きてる?!」
平田が亡霊でも見ている様な顔で大きな声で言葉を返し銃の狙いを定めようとする…できれば心臓辺りを狙いたいがお嬢様に当たる可能性が高く狙えない。消去法により博之の眉間の辺りに狙いを定めたが…こいつは頭を撃たれても死ななかった…なんとかしてお嬢様を手元に…
平田は緑お嬢様を自分の手の及ぶ範囲に取り戻す算段を付けるべく考えていた。

「うるせぇなぁ、俺がいつ死んだって思ったんだ?お前もしかしたら寝てたんじゃねぇの?夢でも見たのか?なぁお前ら?」
博之が振り向いて声をかけたら陽菜達がベッドの上に座って平田を笑顔で指差して笑っていた。

「今日の主演女優賞は私だよね?下でも熱演だったから間違いないねっ♡」
「あんたのはあれは熱演じゃないってば、あれはマジ気持ちいい時の声だってば(笑)」
「えー私もう博之君でしかいけない体になっちゃってるから少ししか気持ちよくなれなかったんだけど…ダメ?」
「前はまったく気持ちよくなれなかったくせにずいぶんと感度が上がってるんじゃないの?」
「そりゃぁ…あんなすっごいオチンチンで全部の穴にあの気持ちよさを教えられたりしたらさぁ~♡」
「まぁ私も小さなオチンチンでも少しだけ楽しめたから陽菜の言ってる事はなんとなく分かるわ~やっぱり下手な奴としかしてないと気持ちよくなれないって事なのよね~」
陽菜と美咲がお互いの健闘を称えあっている?と、凜が声を上げた。

「ねぇねぇ♪凛もけっこういい感じに演技出来てたはずよ?どうどう?ヒロリンどうだった?」
「凛、お前はセシリアの時の記憶を元にした話し方してたよな?あれはNGだ」
「えーなんでよぉ~~あれぐらいいいじゃん!」
「中学卒業してプーやってる女がアメリカの銃事情とか知る訳ねぇだろ?お前は最下位だ」
「そんなぁ~~!!」
「そしたら今日は私と美咲のどっちかが最初に遊んでもらえるのね♡」
「チッ…最後に飛ぶまでヒロリンに頑張ってもらうからいいも~~ん」
「とりあえず最初にどっちが楽しむかだけは決めないといけない訳なんだけど…どうやって決める?」
「まぁそうだなぁ…なぁ平田?お前ちょっとすごいって言ってたよな?」
「…へっ?いきなり何の事だ?」
目の前で始まった妙な言い合いに意識を奪われていたのもそうだが、緑お嬢様が目の前の男に肩を抱かれているのにそれを払いのけない事に、大きな衝撃を受けて何も考えられなくなっていた平田が聞き返した。

「この緑の体で毎日高速腰振りしてんだろ?って聞いてんの。聞こえたか?」
緑が顔を真っ赤に染めて博之の顔を一瞬見て顔を両手で覆って胸の所にそっと顔を押し付ける様に近づいた。
「あっ!凛があんな事してる!」
「ちょっと凛?!あんた男が苦手って言ってて何してんの?!」
「凛は今は私なの!その子は緑!」
「お前らは少しぐらい黙ってられないのか?!」
「他の事なら静かにしてられるけどこれは別よ!」
「そうだ!そうだ!私らもハグしろ!!労働環境の改善を求める!!」
「…こいつらは…何を言ってるんだ?」
1人置いてけぼりな平田が自分以外に抱き着く緑お嬢様の姿に衝撃を受けて膝から崩れ落ちそうな気分になっていた。

「だって凛…ずっと博之様の中に居て…全身を博之様に包まれていたから…♡他の人は絶!対!に!嫌だけど、博之様なら…♡」
博之の中で博之の考えている事をうっすらと感じ続けてきた凜は、桐生達に拉致されてからこれまで誰一人として自分の事を守ろうとしてくれなかった頃との落差を感じ、博之にインプリンティングに近いレベルで親近感を抱いていた。
ついでに言えば凜は自分が今動かしている体が後ろはひとまず置いておくとしても処女を維持している事で、それまで全ての穴を男達に好き勝手使われていた、死にたいと願うほどに嫌悪していた自分の体から抜け出せた解放感を強く覚えていた。
無垢な頃の自分に戻れたといった感覚だろうか。

「ひゃんっ?!博之様?!」
服の上から自分のお尻の穴に指を深く突き立てられて甘い痛みを感じて驚いて可愛い声を漏らす緑。
「お前の考えてる事は分かってる。でもこの体はなぁ、尻だけはここにいる女の中でもトップクラスで1人の男に使い込まれてるからな?」
「…それぐらい知ってます!もうっ!!…でも…私の体の初めては…できれば…博之様に奪って欲しいです♡キャツ♡凛恥ずかしい♡♡」
「ちょっと待ったぁ!凛あんた何清楚ぶってんの?!あんたの尻はスーパーヘビー級なのよ?!清楚枠じゃないでしょ!勘違いするな!」
「そうよ!少し前まで男に入れられてだけで死にそうな顔していたくせに何乙女な顔で博之さんに迫っちゃってるのよ!」
「そうだそうだ!あんたの体はこっちが本物なの!そっちは緑って女が作り上げたスーパー尻だけボディー!あんたが処女な訳じゃないの!」
「うるさい!うるさい!!うるさい!!!凜はもう生まれ変わったの!この体はもう凜のモノなの!お尻はスーパーヘビー級かもしれないけど処女なの!あんた達の体と一緒にしないで!」
「こいつ言ってはならない事を言いやがった!ゆるせねぇ、表に出ろ!」
「きっちり〆てやるからさっさと出ろ!!緑の処女なんて拳でぶち破ってやる!パンツ脱げ!」
「凜は怖いからヒロリンと見てるね~頑張ってっ♡」
「「「凛?!」」」

「だからお前らはなんで勝手に暴力で解決しようとするんだ!俺はおしとやかな女が好きだって何回も言わせるな!」
「「「「…ハイッ♡」」」」
こっちの凛も小さな声で答えるのがオシトヤカな女のイメージだったらしい。
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