64 / 74
第三章
ドラゴンと戦闘
しおりを挟む
「石化!」
フィリムの目から放たれた光がドラゴンが飛ぶための翼だけを捉え一点集中でヒットする。
『ゴギャアアアアアア!!?』
見事だ。
無事に翼だけは石化され、飛行が不可能になったドラゴンが垂直に落ちていく。
しかも、フィリムは落ちる先も考慮して、被害が出にくい場所を考えた上で放ってくれたのだ。
「ありがとうフィリム! 後は俺がなんとかする!」
「そう……無理しないでね……」
フィリムはかなり疲れている様子だ。
顔からは汗が出ているし、表情もよろしくない。
相当無理してしまったのだろう。
「待っててくれ。倒したらすぐにフィリムに回復薬を与えるからな。とにかくまずはアイツをやってみるか」
「レイス……死んじゃ嫌よ!」
それは俺のセリフだ。
さっきまで命をかけて石化させようとしていたくせに……。
「大丈夫だ。魔眼の力はほんの少ししか使わない。アイツを転移させるだけの大きい門を出すだけだからな」
「何……? 大丈夫なの!?」
「まあ見ていろ」
俺は距離が離れているドラゴンに向けて魔眼を使う体制をとった。
「転移!!」
ドラゴンは相当な大きさだ。
だが、それが今回は相手の弱点にもなる。
ドラゴンの地面いっぱいに巨大な転移門を作った。
そして、ドラゴンは抵抗もできずに門の中へ落ち、姿を消した。
「え!? 地面にもできるの!?」
フィリムは目を開けるのがやっとの状況だ。
「ごめん、とりあえずヨハネスから貰っていたエリクサーだ」
「そんな高級なものを私なんかに……」
「良いから飲め。飲まないならこのまま捨てるぞ?」
勿論そんなことをする気はないが、そうでも言わないとフィリムは受け取ってくれない。
エリクサーは俺の知っている限りでは最強の回復薬で、主にギルドランクS級冒険者が持っている高級品である。
フィリムは、ドラゴン本体に魔眼を限界近くまで使ってくれたんだから飲んで当然だ。
「ありがとう……」
すぐに瓶を空けてゴクゴクと飲み干した。
さすが怪我も疲労も魔力さえも全回復できるエリクサーだ。
魔眼のエネルギーにも効くのかは半信半疑だったが、これにも効果があるようだな。
みるみるうちに顔色が良くなっていくし、おそらく疲労も吹っ飛んだのだろう。
「もう大丈夫! でもねレイス……。どこに転移させたのよ? あんな奴放って置いたら他の場所でも被害が」
「あぁ、もうすぐ奴は帰ってくるだろうな」
「は!?」
フィリムは驚きながらも不安と恐怖をあらわにしている。
「はるか上空を見てみろ」
「え!? 空!?」
俺が指をさした方角の空を一緒に見上げる。
「そろそろだと思うが……」
「あーーー!!」
フィリムが大声で驚くのも無理はないか。
空からドラゴンが炎を無差別に吐きまくりながら落下しているのだから。
やがて……。
──ドッグオオオォォォォォォォーーーーーーーン!!!!
激しい地響きがこちらにまできた。
まるでフリザス王子が放ったような拳の響きのようである。
しばらくドラゴンが動かないことを確認した。
ーーーーーーーーーーーーー
ここまで長い間ご覧いただきありがとうございます。
更新が不定期になってしまいましたが、こちらは完結まで書く作品ですので、気長にお待ちいただけたら幸いです。
新作を投稿しましたのでお知らせ致します。
『無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました』
こちらも是非宜しくお願い致します。
フィリムの目から放たれた光がドラゴンが飛ぶための翼だけを捉え一点集中でヒットする。
『ゴギャアアアアアア!!?』
見事だ。
無事に翼だけは石化され、飛行が不可能になったドラゴンが垂直に落ちていく。
しかも、フィリムは落ちる先も考慮して、被害が出にくい場所を考えた上で放ってくれたのだ。
「ありがとうフィリム! 後は俺がなんとかする!」
「そう……無理しないでね……」
フィリムはかなり疲れている様子だ。
顔からは汗が出ているし、表情もよろしくない。
相当無理してしまったのだろう。
「待っててくれ。倒したらすぐにフィリムに回復薬を与えるからな。とにかくまずはアイツをやってみるか」
「レイス……死んじゃ嫌よ!」
それは俺のセリフだ。
さっきまで命をかけて石化させようとしていたくせに……。
「大丈夫だ。魔眼の力はほんの少ししか使わない。アイツを転移させるだけの大きい門を出すだけだからな」
「何……? 大丈夫なの!?」
「まあ見ていろ」
俺は距離が離れているドラゴンに向けて魔眼を使う体制をとった。
「転移!!」
ドラゴンは相当な大きさだ。
だが、それが今回は相手の弱点にもなる。
ドラゴンの地面いっぱいに巨大な転移門を作った。
そして、ドラゴンは抵抗もできずに門の中へ落ち、姿を消した。
「え!? 地面にもできるの!?」
フィリムは目を開けるのがやっとの状況だ。
「ごめん、とりあえずヨハネスから貰っていたエリクサーだ」
「そんな高級なものを私なんかに……」
「良いから飲め。飲まないならこのまま捨てるぞ?」
勿論そんなことをする気はないが、そうでも言わないとフィリムは受け取ってくれない。
エリクサーは俺の知っている限りでは最強の回復薬で、主にギルドランクS級冒険者が持っている高級品である。
フィリムは、ドラゴン本体に魔眼を限界近くまで使ってくれたんだから飲んで当然だ。
「ありがとう……」
すぐに瓶を空けてゴクゴクと飲み干した。
さすが怪我も疲労も魔力さえも全回復できるエリクサーだ。
魔眼のエネルギーにも効くのかは半信半疑だったが、これにも効果があるようだな。
みるみるうちに顔色が良くなっていくし、おそらく疲労も吹っ飛んだのだろう。
「もう大丈夫! でもねレイス……。どこに転移させたのよ? あんな奴放って置いたら他の場所でも被害が」
「あぁ、もうすぐ奴は帰ってくるだろうな」
「は!?」
フィリムは驚きながらも不安と恐怖をあらわにしている。
「はるか上空を見てみろ」
「え!? 空!?」
俺が指をさした方角の空を一緒に見上げる。
「そろそろだと思うが……」
「あーーー!!」
フィリムが大声で驚くのも無理はないか。
空からドラゴンが炎を無差別に吐きまくりながら落下しているのだから。
やがて……。
──ドッグオオオォォォォォォォーーーーーーーン!!!!
激しい地響きがこちらにまできた。
まるでフリザス王子が放ったような拳の響きのようである。
しばらくドラゴンが動かないことを確認した。
ーーーーーーーーーーーーー
ここまで長い間ご覧いただきありがとうございます。
更新が不定期になってしまいましたが、こちらは完結まで書く作品ですので、気長にお待ちいただけたら幸いです。
新作を投稿しましたのでお知らせ致します。
『無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました』
こちらも是非宜しくお願い致します。
10
あなたにおすすめの小説
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【完結】英雄様、婚約破棄なさるなら我々もこれにて失礼いたします。
紺
ファンタジー
「婚約者であるニーナと誓いの破棄を望みます。あの女は何もせずのうのうと暮らしていた役立たずだ」
実力主義者のホリックは魔王討伐戦を終結させた褒美として国王に直談判する。どうやら戦争中も優雅に暮らしていたニーナを嫌っており、しかも戦地で出会った聖女との結婚を望んでいた。英雄となった自分に酔いしれる彼の元に、それまで苦楽を共にした仲間たちが寄ってきて……
「「「ならば我々も失礼させてもらいましょう」」」
信頼していた部下たちは唐突にホリックの元を去っていった。
微ざまぁあり。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる