【完結】私より優先している相手が仮病だと、いい加減に気がついたらどうですか?〜病弱を訴えている婚約者の義妹は超が付くほど健康ですよ〜

よどら文鳥

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「シャロン、これからは妻として共に過ごすことになるのだが……」
「嬉しいですわ義兄……いえ、ハーベスト様ー!」

 私たちがいる前で、シャロンは堂々とハーベストに抱きついた。
 そして彼女は私の方を見て、ニヤリと笑ってきた。
 どうやら略奪に成功して勝った気でいるようだ。

「少々複雑な気もするが、シャロンのことは大事にしよう……」
 そう言いながら、ハーベストもシャロンの身体を抱きしめた。

 私には未練はないし、この二人が抱き合っていてもなんとも思わない。
 しかし、どうしてこのような公約を結ばせたのかが全く理解できなかった。

 これでは罰ではなく幸福じゃないか。
 なんでシャロンさんの希望通りになるような公約をさせたのだろうか。

 それにしても、この二人、両親が捕らえられているのにお互いのことばかり考えているようだ。両親の心配や不安など全くしていないように見える。

 最後の最後までブレない精神力だけは尊敬しておこう……。





 おかしな話だが、私とハーベストの婚約破棄が承認された数分後、今度はハーベストとシャロンの婚姻届が受理されたことを告げられた。
 急に義兄様はニヤリと笑い始め、二人に大きな拍手を送っていた。

「そうでしたか。ライト元義兄様はシャロンとの結婚を祝福してくれるのですね?」

 ハーベストは不思議そうな顔をしながら確認するように言っていたのだが、義兄様は首を横に降った。

「まさか……大事な義妹を散々な目にあわせた者達に祝福などするものか……」

 義兄様が物凄く恐い。

 なんのために拍手をしたり不気味な笑いをしたりしているのか謎のままだ。ハーベスト達までもが恐怖を感じているような表情になっているではないか。

「さて、では正式にお前たちは夫婦になったわけだが、ジュリエルの婚約破棄に追い込んだ件と殺そうとした慰謝料を請求させてもらおうか。それとは別に、国からは今までの仕事免除の賠償が請求されるからな」

「「は!?」」

 義兄様が更ににやりと微笑む。

 この言葉で、私はなんとなくだが理解できた。
 どうやら義兄様は、あまりにも残酷な公約をさせていたようだ。
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