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8 カルダモン視点(前編)
今日はクミンと会う約束の日なのだが、ソラシの厳重な監視の上、厳しい教育をされている最中なので外に出ることができない。
後のことはどうにでもなれ精神で、何としてでも部屋から脱出して愛するクミンの元へ会いにいきたいのだ。
「あの……ソラシさん……トイレ」
「さっき行ったばかりでしょう?」
「さっきとは別のパターンなのだ……今度はおっきい方だ……」
「カルダモン様よ……もしもこれが社交界の場だったらどうするおつもりで!? 事前に済ませるべきだと反省してください。万一の場合は我々が責任を持って処理いたしますので」
厳しすぎるではないか。
生物の自然現象すら認めてくれない使用人がどこにいるというのだ。
まぁ……トイレに行きたいわけではなくて、何とか逃げ出したいだけなのだが。
くそう……作戦失敗だ。なんとか脱出する策を考えながら再び教科書を開く。
「あの……ソラシさん……この教科書に書かれていることは本当なのか、ですか?」
「どれどれ……ああ、これは貴族が不倫を犯した場合の罰ですか。これは当然ですな。不倫行為とは生涯を誓った相手に対しての裏切り行為。人の目を盗み密会し不倫行為を行った両者の罪は、当国では殺害と同様の処遇にあたるのです」
私はそれ以上何も聞けなかった。
せいぜい慰謝料を少々払って終わるものかと思っていたのだが……。
これは何としてでもクミンを貴族の人間にさせて、正式な第二夫人にする必要がありそうだ。
くそう……このような事実を知った上でも、クミンとは会いたい。
すでに一時間も待たせてしまっているのだからカンカンになっているに違いない。
どうしたらいいものか頭の中ではそればかり考えてしまっている。
「カルダモン様、一旦休憩と致します。私とレミファは夜までアールグレイ伯爵様との打ち合わせのために外へ出ますが、残りの課題をやっておくように。くれぐれも外出などしないようお願いしますよ」
「う……うむ……。あ、はい、承知しました」
何というチャンス到来なのだろうか。
全くもって使用人どもはバカだ。
私と三日も一緒に過ごしているというのに、家を完全に留守にすれば帰ってくるまでの間私がどのような行動をするのかも判断がつかないとは。
レミファとソラシが家を出て行った瞬間に、私は大急ぎで準備を始める。
もちろんクミンとの待ち合わせ場所へ行くためだ。
準備を整え、家を出ようとしたとき、勝手に玄関のドアが開いた。
まずい! もう使用人が帰ってきてしまったのか。
私は慌てながら頭を深く下げる。
「す、すみません! ちょっと外の空気を吸いたかっただけで──」
「カルダモンさまぁ、私です私」
聴き慣れている甘い声が聞こえた。私は驚き、顔をすぐにあげる。
「クミン!」
「会いたかったから来ちゃったの」
後のことはどうにでもなれ精神で、何としてでも部屋から脱出して愛するクミンの元へ会いにいきたいのだ。
「あの……ソラシさん……トイレ」
「さっき行ったばかりでしょう?」
「さっきとは別のパターンなのだ……今度はおっきい方だ……」
「カルダモン様よ……もしもこれが社交界の場だったらどうするおつもりで!? 事前に済ませるべきだと反省してください。万一の場合は我々が責任を持って処理いたしますので」
厳しすぎるではないか。
生物の自然現象すら認めてくれない使用人がどこにいるというのだ。
まぁ……トイレに行きたいわけではなくて、何とか逃げ出したいだけなのだが。
くそう……作戦失敗だ。なんとか脱出する策を考えながら再び教科書を開く。
「あの……ソラシさん……この教科書に書かれていることは本当なのか、ですか?」
「どれどれ……ああ、これは貴族が不倫を犯した場合の罰ですか。これは当然ですな。不倫行為とは生涯を誓った相手に対しての裏切り行為。人の目を盗み密会し不倫行為を行った両者の罪は、当国では殺害と同様の処遇にあたるのです」
私はそれ以上何も聞けなかった。
せいぜい慰謝料を少々払って終わるものかと思っていたのだが……。
これは何としてでもクミンを貴族の人間にさせて、正式な第二夫人にする必要がありそうだ。
くそう……このような事実を知った上でも、クミンとは会いたい。
すでに一時間も待たせてしまっているのだからカンカンになっているに違いない。
どうしたらいいものか頭の中ではそればかり考えてしまっている。
「カルダモン様、一旦休憩と致します。私とレミファは夜までアールグレイ伯爵様との打ち合わせのために外へ出ますが、残りの課題をやっておくように。くれぐれも外出などしないようお願いしますよ」
「う……うむ……。あ、はい、承知しました」
何というチャンス到来なのだろうか。
全くもって使用人どもはバカだ。
私と三日も一緒に過ごしているというのに、家を完全に留守にすれば帰ってくるまでの間私がどのような行動をするのかも判断がつかないとは。
レミファとソラシが家を出て行った瞬間に、私は大急ぎで準備を始める。
もちろんクミンとの待ち合わせ場所へ行くためだ。
準備を整え、家を出ようとしたとき、勝手に玄関のドアが開いた。
まずい! もう使用人が帰ってきてしまったのか。
私は慌てながら頭を深く下げる。
「す、すみません! ちょっと外の空気を吸いたかっただけで──」
「カルダモンさまぁ、私です私」
聴き慣れている甘い声が聞こえた。私は驚き、顔をすぐにあげる。
「クミン!」
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