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10 カルダモン視点(後編)
これは非常にまずい。
クミンが家にいることがバレてしまえば、私たちはどうなってしまうことか……。
教科書に書いてあったとおりだとしたら……最悪処刑。考えるだけで全身が震え始めてしまった。
とにかくまずはクミンを隠さなければ!
小声でクミンに命じた。
「クミン……見つかってしまえば結婚どころの話ではなくなる。一旦このクローゼットの中に隠れてくれ」
「一体いつまで隠れていればいいの……?」
「隙をついて逃げ出すしかない! もしも見つかってしまえば処刑になってしまう可能性もあるんだぞ」
「嘘……でしょ!? たかが不倫じゃないの」
私も『たかが不倫』だと思っていた。だからこそクミンを気軽に口説いたというものだ。
「確かに一般市民同士ならそこまでにはならない。しかし、私はこれでも貴族だ……貴族が不倫行為をした場合はそうなってしまうらしいのだ」
「そ……そんな……」
「とにかく隠れろ! すぐに来るぞ!」
慌ててクミンはクローゼットの中に飛び込んだ。
幸い大きめのクローゼットなので、人が入る分には問題はない。
だが、窮屈な思いをさせてしまって申し訳なく思う。
「こちらにいましたか。旦那様、ただいま実家より戻りました」
「う……うむ、ず……随分と早い帰宅だな」
「えぇ、当初の目的が早く達成しましたので、予定より早く帰れましたので」
何の目的か知らないが、大迷惑だ。
どうしてこんなに早く帰ってきてしまうのだ。
「随分と汗だくのようですが……大丈夫でしょうか?」
「だだだだだ……大丈夫だ。ちょっと部屋で運動をしていたからな」
嘘は決してついていないぞ。運動は運動なのだから。
「そうですか。その割にはタオルでなくティッシュが散乱していますね……」
おのれルフナめ……どうしてこういうときに限って妙なところに気がつくのだ……。
私は慌ててそこらへんに散らかっている残骸をゴミ箱に捨てた。
体力が尽きているので動くだけで辛い。
明日あたり、ぎっくり腰になってしまいそうだ。
「タオルがなかったのだ。急遽ティッシュで汗を拭いていたのだよ」
「そうでしたか。それにしても部屋が臭いますね。今すぐにソラシに清掃をお願い致しますので一旦部屋の外へ出ていただけますか?」
「へっ!?」
それだけは絶対に困る!
私が拒否する前に、タイミング悪くソラシが部屋に入ってきてしまった。
「これはこれは……学習を命じていたはずですが運動をされていたとは」
「あ……うん、頭ばっかり使っていたから身体が鈍っていたので……」
よし、さすが私だ。言い訳や誤魔化しの言葉がすぐに浮かんできてくれる。
おかげで違和感なくスムーズに会話ができているはずだ。
「まぁ……いいでしょう。では部屋の片付けはお任せください。ついでに……そうですね、そろそろ衣替えの時期ですし、整頓も行っておきましょうか」
「それは絶対にしないで!」
げ……限界かもしれん。
「とにかく私は運動のしすぎで疲れた。今日はこのまま寝る。絶対に部屋に入ってくるなよ、絶対にだ!」
私は二人を追い出し、扉に鍵をかけておいた。
部屋の外が静かなことを確認して、こっそりとクローゼットを開ける。
「ちょっと……カルダモンさま、早く外に出たい……」
「す……少し待て。今出て行くのは危険すぎる。せめて明日の早朝まで……」
「無理。トイレに行きたいの……」
「なんだと……!?」
クローゼットの中でさせるわけにはいかないし、外に出てしまえば見つかってしまう。
いくら変態魔神の私とて、愛人をクローゼットの中で卑猥な状態にさせるような趣味はない。
一体、どうしろというのだ……。
クミンが家にいることがバレてしまえば、私たちはどうなってしまうことか……。
教科書に書いてあったとおりだとしたら……最悪処刑。考えるだけで全身が震え始めてしまった。
とにかくまずはクミンを隠さなければ!
小声でクミンに命じた。
「クミン……見つかってしまえば結婚どころの話ではなくなる。一旦このクローゼットの中に隠れてくれ」
「一体いつまで隠れていればいいの……?」
「隙をついて逃げ出すしかない! もしも見つかってしまえば処刑になってしまう可能性もあるんだぞ」
「嘘……でしょ!? たかが不倫じゃないの」
私も『たかが不倫』だと思っていた。だからこそクミンを気軽に口説いたというものだ。
「確かに一般市民同士ならそこまでにはならない。しかし、私はこれでも貴族だ……貴族が不倫行為をした場合はそうなってしまうらしいのだ」
「そ……そんな……」
「とにかく隠れろ! すぐに来るぞ!」
慌ててクミンはクローゼットの中に飛び込んだ。
幸い大きめのクローゼットなので、人が入る分には問題はない。
だが、窮屈な思いをさせてしまって申し訳なく思う。
「こちらにいましたか。旦那様、ただいま実家より戻りました」
「う……うむ、ず……随分と早い帰宅だな」
「えぇ、当初の目的が早く達成しましたので、予定より早く帰れましたので」
何の目的か知らないが、大迷惑だ。
どうしてこんなに早く帰ってきてしまうのだ。
「随分と汗だくのようですが……大丈夫でしょうか?」
「だだだだだ……大丈夫だ。ちょっと部屋で運動をしていたからな」
嘘は決してついていないぞ。運動は運動なのだから。
「そうですか。その割にはタオルでなくティッシュが散乱していますね……」
おのれルフナめ……どうしてこういうときに限って妙なところに気がつくのだ……。
私は慌ててそこらへんに散らかっている残骸をゴミ箱に捨てた。
体力が尽きているので動くだけで辛い。
明日あたり、ぎっくり腰になってしまいそうだ。
「タオルがなかったのだ。急遽ティッシュで汗を拭いていたのだよ」
「そうでしたか。それにしても部屋が臭いますね。今すぐにソラシに清掃をお願い致しますので一旦部屋の外へ出ていただけますか?」
「へっ!?」
それだけは絶対に困る!
私が拒否する前に、タイミング悪くソラシが部屋に入ってきてしまった。
「これはこれは……学習を命じていたはずですが運動をされていたとは」
「あ……うん、頭ばっかり使っていたから身体が鈍っていたので……」
よし、さすが私だ。言い訳や誤魔化しの言葉がすぐに浮かんできてくれる。
おかげで違和感なくスムーズに会話ができているはずだ。
「まぁ……いいでしょう。では部屋の片付けはお任せください。ついでに……そうですね、そろそろ衣替えの時期ですし、整頓も行っておきましょうか」
「それは絶対にしないで!」
げ……限界かもしれん。
「とにかく私は運動のしすぎで疲れた。今日はこのまま寝る。絶対に部屋に入ってくるなよ、絶対にだ!」
私は二人を追い出し、扉に鍵をかけておいた。
部屋の外が静かなことを確認して、こっそりとクローゼットを開ける。
「ちょっと……カルダモンさま、早く外に出たい……」
「す……少し待て。今出て行くのは危険すぎる。せめて明日の早朝まで……」
「無理。トイレに行きたいの……」
「なんだと……!?」
クローゼットの中でさせるわけにはいかないし、外に出てしまえば見つかってしまう。
いくら変態魔神の私とて、愛人をクローゼットの中で卑猥な状態にさせるような趣味はない。
一体、どうしろというのだ……。
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