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26話 慣れない

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 それからは毎日お姫様みたいな生活だった。

 朝起きるとクレアさん達にかわいいお洋服を着せてもらった。
 同じ服じゃないんだよ? 毎日違うかわいいお洋服。しかも一日に何回も着替えるの!
 いっぱいお洋服がずらーって並んでてどれでも選んでよくて、ドキドキする。

 絵本の中のお姫様みたいなかわいいドレスやお洋服がいっぱい。

 私はかわいいお洋服をたくさん着せてもらった。
 今日はきれいな青いお洋服をきて、ルヴァイス様のお部屋で食事。
 ルヴァイス様と護衛にテオさんそれにクレアさんも控えていてくれて四人だけで食事をするの。

 その後はテオさんに館の中を案内してもらったり、キュイやクレアさんと花畑で遊んだり、中庭のテラスで仕事休憩中のルヴァイス様とおやつを食べたり。

 ルヴァイス様は人の視線があるところではすぐ抱っこしてくれて「好きだ」って耳元でささやいて頬や髪の毛にキスしてくれるので恥ずかしい。
 誰もいないときでもやるから戸惑うの。

 でも気づいた事がある。

 ルヴァイス様がいつも私にキスしてくれたりするときはキュイが少しだけ怖い顔をしている。

 竜神官が見張ってるって聞いたから、その人に見せつけてるのだとおもうけれど。

 愛しているって言葉も好きって言葉も言われ慣れてないから、すぐ顔が赤くなっちゃうのが自分でもわかる。
 キスなんてされた事がないから毎日されているのにいまだに慣れない。

 思い出しただけで赤くなる。

 いままでレイゼルさん以外の人には悪意しか向けられた事がなかったから、宮殿の人たちが優しかったりルヴァイス様が愛をささやいてくれたりが、とても心地よすぎて、いまだにアワアワしちゃう。

 仮初だってわかっているのに、それでも嬉しくて毎日心臓がばくばくする。

 でも、これも研究のため。お仕事!
 ルヴァイス様は私のためにやってくれているんだから、慣れないと。
 私は寝る時間なのでベッドの大きな枕にぼふんと身を沈めた。

 そうするとキュイも私のベッドに一緒にころんって転がるの。

『今日も一緒にいてくれてありがとうね キュイ』

 私がキュイのおなかをなでなでしたら、キュイは嬉しそうに「キュイー」って鳴いてくれた。

 そしてレイゼルさんにもらったペンダントをもつの。

「私はすごく幸せだよ。だから心配しないでね。
 ……だから会いにきてね。レイゼルさん」

 私はペンダントを握りしめてそのまま眠りについた。

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