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1章

宰相視点(中)

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 私は、部屋に騎士を連れて向かい、抱えていた少女をとりあえず、ベットに優しく寝かせてあげました。

 暖炉を用意している時間はないので、部屋を火の魔法で温かくして、医師である幼馴染みの到着を待ちました。





 私は、私達の連絡用に普通は使用するものを使い、秘密裏に彼に緊急の要請を送りました。
 すると、すぐに、彼は駆けつけてくれたのです。本当に彼は、優しいと改めて実感しました。

 彼は、フェリーク・レイランド。
 私の幼馴染みで、25歳という若さで王国一の医師の称号を得ている、天才です。

 フェリークを少女の元に案内すると......
 彼は幼馴染みの私ですら、今まで見たことのない表情をして、表すことのできない怒りにふるえていました。

 「リム。この子どうしたんだ!!栄養状態が、明らかにおかしい......たぶん、12歳くらいだと思うが、身体が同年代の子と比べて、少しならばわかるが、あまりにも軽すぎる!!」
 と、明らかにフェリークは感情を取り乱していた。

  「しかも、右目が....こんなにも傷つけられて......。命はどうにか俺の力で助けることができるだろうが、この子の右目は...もう一生、見えることはない。神経もかなり傷つけられているみたいだ、脳が無事だったのが本当に奇跡だ......」
 
 明らかに酷いと思ったが、そこまでだったとは......

 「リーク、この子を必ず助けてくれ。彼女はたぶん、〝寵愛を受けし子〟だ。」

 「!!」リークはとても驚いていた。なぜなら、彼も〝寵愛を受けし子〟のことを私と同じく、両親から聞かされていただろうから。
 
 「そうか、なら最善を尽くさなくてはな。」
 と、リークは言って丁寧に、慎重に治療をはじめた。









 「リーク、これから私は、彼女の騎士に話を聞かなければならない。医師として一緒に、話を聞いてくれないだろうか?」
 
 「なぜ、俺が?」
 
 「頼む......。」

 「しゃあねぇなぁ!幼馴染みで宰相様の頼みとあれば、一緒に聞いてやるよ。だから、そんな顔するな。」

 リークは、そう言って笑った。
 そんな顔って...私は、いったいどんな表情をしていたのだろうか?

 そのあと、リークは手際よく彼女の治療を終えた。
 そのあと、待女長と待女を4人を呼び、慎重に風呂に連れて行き、髪や身体を綺麗にしてあげるように頼んだ。

 彼女達に、任せれば大丈夫だろう。
 この屋敷の待女は、可愛い子は特に、大切にするタイプの待女達ばかりだからな......
 
 風呂から少女を抱えた待女が、戻ってきたので、清潔なとても柔らかいガーゼで眼帯を作り、丁寧に目の周りに包帯を巻き、再びベットへ寝かせた。

綺麗になった少女は、まだ目を覚ましてないが、やはり待女達は、交代で自分の娘を可愛がるように世話をしはじめた。

  そして、彼女の治療を終えたリークと騎士の話を聞くことになった。
 
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