寵愛を受けた"元"公爵令嬢は、帝国で本当の幸せを掴む

１章

ソフィアの異変

 すると、メイド長と思わしき女性が他のメイド達を呼び出しました。
 美人なメイドが、5人も来てくれました。
 もしかして、私のために......ですか？

 宰相様は、メイドに何かを言っています。本当にどうしたのですか？

 疑問に思っていると宰相様は、
 「ソフィア様、私達男3人は部屋に残っているので、メイドと一緒にお風呂に行って身体を温めてきてください。
 疲れているでしょう？騎士からある程度事情は、聞いています。今は、ゆっくり休んでください。」 
 そういって、優しく微笑んでくれました。

 「ソフィア様、私はメイド長のマリアと申します。困ったことがあったら、何でも申しつけてください。
 それでは、バスルームに行きましょう。立つの辛いでしょうから、私の手につかまってくださいな。」
 マリアさんが気を使ってくれるので、それに甘えることにしました。

 「マリア、さん、あしに、ちか、らが、はいら、ない、んですが.........わた、し、どうし、ちゃっ、たん、ですか？」


 すると、慌ててフェリーク様がかけよってきて、
 「失礼します。少し足を見せていただきますね。」
 と、言って足を診察しはじめました。

 しばらくして、フェリーク様は、顔を蒼白にされ、震えながら言いました。
 「ソフィア様、こんなことを申し上げることは、とても辛いのですが......
 もう、自分の足で立つことができないかもしれません。
 どうやら、解毒することが不可能な神経毒が使われたようです......。
 これは、王国一と呼ばれる医師の私にも.........」
そう言うフェリーク様はとても、辛そうでした。
 
 宰相様と私を気にかけてくれた騎士は、唖然とし、メイド達は崩れ落ちて目に涙をためています。

 そんなに酷かったとは、私も思ってもいませんでした。
だから、ただ愕然とするしかありませんでした。