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番外編
主神荒れる
しおりを挟むエドがソフィとイチャついている最中、神界では、ソフィの父である主神が暴れていた……
「アトゥール様!落ち着いてくださいっっ!!」
「アトゥール様今はダメですっ!」
「アトゥール様お願いですから、落ち着いて!」
「だめだだめだ!!!落ち着いてなんか居られるかーーー!!!!今、まさにソフィがエド君に性的な意味で食べられそうになってるんだよ!?
落ち着いてなんかいられるか!ソフィをまだ、あげるなんて決まってないもんっ!!」
主神であるアトゥールは、神界から覗いてしまったエドとソフィがキスしているだけなはずのその光景に、子どものようにただを捏ねていたのである。
「アトゥール様。エドワード君を信用してソフィア様を託すと以前自身で、仰っていたではありませんか。」
「そうですよ!!今行ったらソフィア様が可哀想です!!」
「エドワード君も十分分かっているようですし、キスくらいさせてあげてもいいじゃないですか。年頃の子どもなのだから。」
「やだったらやだーー!!!!
ソフィは、僕の大切な愛娘だもん!!!
こんなに早くお嫁にあげるなんて、やっぱりやめに……」
「……お、に、い、ちゃ、ん」
駄々をこね、半ば幼児退行している主神の部屋に物凄い冷気が広がった。
何事かと、その方向を向いたアトゥールは、一瞬にして顔を青白くさせていた……
そう。仁王立ちで、アガウスがアトゥールを睨みつけていたのである!
「ア、アガウス……?な、なんでそんなに怒ってるのかな……?お兄ちゃん、何かアガウスの嫌なことしちゃった……??」
「……お兄ちゃん全然わかってない。
今僕は、お兄ちゃんが可愛い可愛いソフィを困らせようとしてることに怒ってるの。わかる?
お兄ちゃん1度ソフィと、エド君の結婚認めたでしょ?なんで応援してあげないの?
親なのに、そんな駄々こねてどうするの?
ソフィは、エド君と生きることを選んだんだよ?」
「で、でも……」
「でも。じゃないでしょ?そんなことばっかり言って、皆困らせてると、いつまで経ってもティアラ義姉さん帰ってきてくれないよ?
前に僕言われたんだから。
ちなみに音源でも撮っておいたよ。
ティアラ義姉さん、多分言葉だけじゃ、お兄ちゃん信じないから撮っておいた方がいいわ。って」
「ティ、ティアラが……?」
カチッ
「『アガウスくん。もしいつか私が一度いなくなった時アルが駄々をこねたりするようなら、この後の音声を使ってちょうだいね?』
『はい!義姉上!』
『アル駄々をこねるなんて主神としてだめでしょう?だから、貴方がしっかりとするまで私はまだ帰らないわ!皆を困らせちゃダメだもの!
それにもし、このお腹の子のことで子どもみたいに拗ねるのなら、私が容赦しませんからね。
この子には自分で選んだんだ人生を歩ませてあげなさい。それが、親として応援するべき選択ですわ!
だから、これ以上迷惑かけるのなら、私に会えないことでアルには少し反省して欲しいわ。ふふっ笑』」
その音声をかけるとその場にいた他の神達も静まり返り静かにその言葉を聞いていた。
「……ティアラ…ティアラ……」
アトゥールは、目に涙を浮かべながら微かに手を震わせ、アガウスの方に手を伸ばし、ペンダントに嵌められた録音石と呼ばれるものを求めた。
「お兄ちゃん。この録音石が欲しかったら、ソフィ困らせないであげて。
ティアラ義姉上に約束して?いい?」
「うん……うん……」
アトゥールは、録音石を胸に抱くと涙を流しながらコクコクと頷いていた。
「よし。これでお兄ちゃんは大丈夫。
皆迷惑かけちゃってごめんね……」
「大丈夫ですよ!」
「アガウス様はお気になさらないでください!」
「そうです!気になさらないでください!」
「みんな、、、ありがとう!!
どうか兄上をこれからも頼むよ!」
「「「はいっ!お任せ下さいっ!」」」
本当に心優しい神達なのであった。
_________
ちょくちょく少し悲しく感じるお話挟みます┏○ペコッ
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