二度とお姉様と呼ばないで〜婚約破棄される前にそちらの浮気現場を公開させていただきます〜

雑煮

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お姉様、回帰する。

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麗らかな春の日。


「反逆者リビア!!お前を斬首刑に処す!!」


ボロボロになった一人の女に突きつけられた残酷な死刑命令に

民衆は歓声を上げ、
彼女の家族は鼻で笑い、
かつての婚約者は……自らの手で元婚約者である悪女の首をはねた、




はずだった。




「ここは、私の部屋?」

切られたはずの首は擦り傷ひとつなく、痣だらけの体も若い時のように絹のようになめらかで本当に自分の身体なのかと信じられなかった。そして、ほんの少し自分の手足が縮んでしまった気がする。


しかもここは実家のベッドでここは私の部屋。


でも家具やアンティークが捨てたはずのものや持ち出したはずのものがある。




これって、まさか……過去に戻ってきたの?



急いで鏡の前に向かい自分の顔を見ると、



やっぱり!
見た目が幼いわ。





新聞を探しに行けば、ちょうど十年前の日付け。

私がアルフォンスから婚約破棄をされる半年前ね。




そもそもの私の不幸は産まれた時から始まった。

私は白魔法の一族に産まれながら、火属性として産まれてしまった。

そのせいで父や周囲は、母が不義を働いたのだと疑った。

その罪に身に覚えのない母は、火属性で生まれた私を親不孝者と強く責め、次に産まれた光属性の妹のエリーゼが産まれてからはエリーゼだけが自身の子であるかのようにお母様は私の存在を無視した。


そして、どん底な人生を歩んでいた私の唯一の救いだった婚約者のアルフォンスは私ではなく妹のエリーゼを愛してしまい、ついに婚約破棄されるのが今から半年後。


かつて愛していたはずのアルフォンス。今思えば、エリーゼと浮気してた最低男よね。
私を一度殺したあの最低男に未練もない。別に婚約破棄されたって構わない。けれど、そうね……あの時の事を利用して私を裏切ったあの二人を貶めてやろうかしら。




今までは家族に愛されることを願っていたけれど、愛なんて何も意味が無い。

どうせ生き返ったのなら、私は私が歩みたかった人生をやり直すわ。




だけど、エリーゼ。
貴女だけは絶対に許さない。



貴女に裏切られた屈辱はこの手で晴らして見せるわ。



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