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何らかの薬品を注入した聖騎士部隊の三人はユーリを心から崇拝しており、ユーリも安心仕切っていた。
だから少しだけ反応が遅れてしまう。
「うがぁぁぁ!」
「どうしたジョン?リチャード?ぐぁぁああ!」
ユーリの胴体ど真ん中にクロスさせるように斬られた。
意識が朦朧とする中、胸を押さえて二人の方に近づく。
「お前ら・・・ゴボッ」
続いてユーリの胸部から腕が生えてきた。
今度は後ろからアニーが胸を貫いたのだ。
「アニー、貴様・・・ま・・で・・」
腕を一度は引き抜こうとしたが、そのままだらんと腕を垂らす。
ユーリの瞳孔から光が消えた。
続いて三人はヒスイ、ミハイル、ラフィールの方に目を向ける。
「これまで聖騎士は何かを成し遂げて死んできたけど、彼の最期は悲惨ね」
「でもそれはボクらにも言えることだからね?ミハイルの超級魔法を打ち消したんだし」
「アトミックプロミネンスを打ち消すほどの健力。それも素手。陛下お下がりください」
ミハイルはテマエニオを庇う様に前に出るが、それを通り越して行く。
狙いはカルロスだった。
「なにっ!?狙いはカルロスお前だ!そっちに行ったぞ!」
しかし魔導国家の王のテマエニオと違い、一国家の政治家党首がそんな咄嗟に動けるはずもなかった。
「う、あぁぁぁ・・・」
「逆巻け!天嵐の冠」
ヒスイの魔装天嵐の冠を纏ったヒスイが、カルロスの前方に触れた者を上に吹き飛ばす風の初級魔法バウンドウィンドゥを展開することで、攻撃を仕掛けていたジョンを吹き飛ばした。
魔法とは精霊魔法以外は自分の手から魔力を抽出して発動するが、天嵐の冠は好きな場所から魔法を発動することが出来る能力を持っていた。
「流石ヒスイ!魔装発動:龍神憑依」
ラフィールもまた魔装を展開する。
雷魔法が得意なラフィールは、魔装を展開することですぐに大雨を降らす。
「雷には雨がつきものだよ。雷鳴よ」
ラフィールはハクビシンを放つ。
そしてこの雨に雷魔法は電染していく。
まるで本当の龍の様な姿になり、リチャードと呼ばれた男へと迫り近づき激突する。
「雷の上級魔法改リュウジンだよ」
「うぐ・・・・うがあああああ」
雷撃は強化に強化され、肉体を焦がし尽くして仕舞うほど膨れ上がっていたが、それでもリチャードにほとんど目立った外傷がなかった。
「驚いた。効いてないんだ」
「こっちも効いてないよ!」
ヒスイの方も、ジョンを斬り刻む風の中に引き込む中級魔法魔法ストームスラッシュを展開してジョンの身体を斬り刻むも斬れる気配が無かった。
正確には、肉体が斬れている。
しかし斬れたところからすぐに再生が始まっているのだ。
「とんでもないですね。師匠とラフィールの魔装使用時の魔法で無傷とは」
「うぅ・・・」
「私の相手が女性とは。私はこれでもフェミニストですから心が痛みます。魔装発動:太陽の秤」
「うがぁああああ」
アニーはその場から飛び出し、ミハイルが横に身体を傾けるとミハイルの横を通り過ぎた。
すかさず、秤をアニーに向けるミハイル。
「残念ですが、貴女の魔法が発動されることはありません。均等分配」
均等分配は対象と自分の魔力を均等に分配されるように抽出し、魔力を燃やしてしまう太陽の秤を装備したときのみ発動できる能力。
相手の魔力が自分の魔力を上回っている場合は自分だけが弱体を喰らうデメリットがあるが、その分強力な能力を持っていた。
爆炎魔法の超級魔法はそれなりに魔力消費が激しく、ミハイルの今の魔力量は超級魔法があと一発撃てるかどうか程度の魔力しかなかった。
魔力を使わない騎士にはそこまで影響がないと思いがちだが、魔力が一気に減少すれば肉体への負担は免れず、それだけ動きを抑制できた。
「私からは一切持って行かないのはわかってましたが、魔力量がラフィールを軽く上回りますか」
しかしアニーから抽出された魔力は、ミハイルが想像した以上の大きさだった。
超級魔法を連発しても疲れないと想定して燃やしたミハイル。
そして魔力を抜かれたアニーは少し身体が崩れ始めた。
「身体にヒビが・・・」
「おいミハイル、こっちにもやってくれ!」
「無茶言わないでください師匠」
均等分配は強力だが、アニーのように飛び込んで来ない限り発動ができない。
何故なら範囲が1mとかなり狭い為だった。
ミハイルは、思いきりアニーを蹴り飛ばすとアニーの身体はバラバラと砕け散った。
「え?こんなに脆く?」
「ミハイル!そっちに飛んでった!頼んだよ!」
ラフィールもミハイルの方へとリチャードを飛ばしていた。
ミハイルの攻撃が効いた為だった。
そしてリチャードもアニー同様に魔力を抜かれると身体にヒビが入り、そのままラフィールが着地で破壊する。
「あの薬品、一体何が入ってたのかな?」
「正直人体実験してみたいけどねぇ」
ヒスイはジョンを羽交い締めで抑えている。
超級魔法を消し飛ばした奴を抑え込む腕力に二人はドン引きしていた。
「バカだね。魔装のおかげで身体能力はかなり向上してるんだよ。あんたらもそれくらい使いこなしなよ。とはいえ帰国するまでに、こいつを抑えて置けるほど魔力は持ってないからミハイル早く処理頼むよ」
「りょ、了解です」
ジョンもまた、二人同様に身体を砕け散らせてしまった。
ヒスイとしては、肉体にどういった現象が起きているか調べたかった為、生け捕りにしたかったがそれだけの技量が無い自分を情けなく感じて溜め息を吐いた。
「おっと、まだだったね。グレン達無事だといいんだが。二人は陛下の護衛頼んだよ」
「「了解」」
ヒスイはすぐに気持ちを切り替えて、ルルシアのところへと戻る為、空を飛んでいった。
だから少しだけ反応が遅れてしまう。
「うがぁぁぁ!」
「どうしたジョン?リチャード?ぐぁぁああ!」
ユーリの胴体ど真ん中にクロスさせるように斬られた。
意識が朦朧とする中、胸を押さえて二人の方に近づく。
「お前ら・・・ゴボッ」
続いてユーリの胸部から腕が生えてきた。
今度は後ろからアニーが胸を貫いたのだ。
「アニー、貴様・・・ま・・で・・」
腕を一度は引き抜こうとしたが、そのままだらんと腕を垂らす。
ユーリの瞳孔から光が消えた。
続いて三人はヒスイ、ミハイル、ラフィールの方に目を向ける。
「これまで聖騎士は何かを成し遂げて死んできたけど、彼の最期は悲惨ね」
「でもそれはボクらにも言えることだからね?ミハイルの超級魔法を打ち消したんだし」
「アトミックプロミネンスを打ち消すほどの健力。それも素手。陛下お下がりください」
ミハイルはテマエニオを庇う様に前に出るが、それを通り越して行く。
狙いはカルロスだった。
「なにっ!?狙いはカルロスお前だ!そっちに行ったぞ!」
しかし魔導国家の王のテマエニオと違い、一国家の政治家党首がそんな咄嗟に動けるはずもなかった。
「う、あぁぁぁ・・・」
「逆巻け!天嵐の冠」
ヒスイの魔装天嵐の冠を纏ったヒスイが、カルロスの前方に触れた者を上に吹き飛ばす風の初級魔法バウンドウィンドゥを展開することで、攻撃を仕掛けていたジョンを吹き飛ばした。
魔法とは精霊魔法以外は自分の手から魔力を抽出して発動するが、天嵐の冠は好きな場所から魔法を発動することが出来る能力を持っていた。
「流石ヒスイ!魔装発動:龍神憑依」
ラフィールもまた魔装を展開する。
雷魔法が得意なラフィールは、魔装を展開することですぐに大雨を降らす。
「雷には雨がつきものだよ。雷鳴よ」
ラフィールはハクビシンを放つ。
そしてこの雨に雷魔法は電染していく。
まるで本当の龍の様な姿になり、リチャードと呼ばれた男へと迫り近づき激突する。
「雷の上級魔法改リュウジンだよ」
「うぐ・・・・うがあああああ」
雷撃は強化に強化され、肉体を焦がし尽くして仕舞うほど膨れ上がっていたが、それでもリチャードにほとんど目立った外傷がなかった。
「驚いた。効いてないんだ」
「こっちも効いてないよ!」
ヒスイの方も、ジョンを斬り刻む風の中に引き込む中級魔法魔法ストームスラッシュを展開してジョンの身体を斬り刻むも斬れる気配が無かった。
正確には、肉体が斬れている。
しかし斬れたところからすぐに再生が始まっているのだ。
「とんでもないですね。師匠とラフィールの魔装使用時の魔法で無傷とは」
「うぅ・・・」
「私の相手が女性とは。私はこれでもフェミニストですから心が痛みます。魔装発動:太陽の秤」
「うがぁああああ」
アニーはその場から飛び出し、ミハイルが横に身体を傾けるとミハイルの横を通り過ぎた。
すかさず、秤をアニーに向けるミハイル。
「残念ですが、貴女の魔法が発動されることはありません。均等分配」
均等分配は対象と自分の魔力を均等に分配されるように抽出し、魔力を燃やしてしまう太陽の秤を装備したときのみ発動できる能力。
相手の魔力が自分の魔力を上回っている場合は自分だけが弱体を喰らうデメリットがあるが、その分強力な能力を持っていた。
爆炎魔法の超級魔法はそれなりに魔力消費が激しく、ミハイルの今の魔力量は超級魔法があと一発撃てるかどうか程度の魔力しかなかった。
魔力を使わない騎士にはそこまで影響がないと思いがちだが、魔力が一気に減少すれば肉体への負担は免れず、それだけ動きを抑制できた。
「私からは一切持って行かないのはわかってましたが、魔力量がラフィールを軽く上回りますか」
しかしアニーから抽出された魔力は、ミハイルが想像した以上の大きさだった。
超級魔法を連発しても疲れないと想定して燃やしたミハイル。
そして魔力を抜かれたアニーは少し身体が崩れ始めた。
「身体にヒビが・・・」
「おいミハイル、こっちにもやってくれ!」
「無茶言わないでください師匠」
均等分配は強力だが、アニーのように飛び込んで来ない限り発動ができない。
何故なら範囲が1mとかなり狭い為だった。
ミハイルは、思いきりアニーを蹴り飛ばすとアニーの身体はバラバラと砕け散った。
「え?こんなに脆く?」
「ミハイル!そっちに飛んでった!頼んだよ!」
ラフィールもミハイルの方へとリチャードを飛ばしていた。
ミハイルの攻撃が効いた為だった。
そしてリチャードもアニー同様に魔力を抜かれると身体にヒビが入り、そのままラフィールが着地で破壊する。
「あの薬品、一体何が入ってたのかな?」
「正直人体実験してみたいけどねぇ」
ヒスイはジョンを羽交い締めで抑えている。
超級魔法を消し飛ばした奴を抑え込む腕力に二人はドン引きしていた。
「バカだね。魔装のおかげで身体能力はかなり向上してるんだよ。あんたらもそれくらい使いこなしなよ。とはいえ帰国するまでに、こいつを抑えて置けるほど魔力は持ってないからミハイル早く処理頼むよ」
「りょ、了解です」
ジョンもまた、二人同様に身体を砕け散らせてしまった。
ヒスイとしては、肉体にどういった現象が起きているか調べたかった為、生け捕りにしたかったがそれだけの技量が無い自分を情けなく感じて溜め息を吐いた。
「おっと、まだだったね。グレン達無事だといいんだが。二人は陛下の護衛頼んだよ」
「「了解」」
ヒスイはすぐに気持ちを切り替えて、ルルシアのところへと戻る為、空を飛んでいった。
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