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第4章 テオドアール領

第99話 えびの入ったクリームシチュー

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「だってさ、ドードー。

エビの入ったクリームシチューできる?

え?もう用意してる?

流石ドードー!( ´_ゝ`)!

料理人じゃなくて、

占い師にでもなった方がいいんじゃない?( ´_ゝ`)?」

エレンはドードーと会話しているようだが、

相変わらずレオンにはドードーの声は聞こえなかった。

不思議そうな顔をしているレオンに30代半ば位で、

すらりとしたもう一人の男性が人の良さそうな笑顔で、

話しかけてきた。

「お客様、ようこそテオドアール家の調理場に。

せっかくお越しいただいたのに、

ろくにおかまいもできずにすみません。」

「い、いえこちらこそ。

お忙しいときにお邪魔してしまってすみません。

レオン・バーレーンと申します。

この度はお世話になります。」

レオンはペコリとお辞儀した。

「おや。これはご丁寧にどうも。

俺は、いや、私はノルドと申します。

テオドアール家の料理人です。

以後お見知りおきを。

それでさっきからエレン様が話しかけているのが、

父のドードー。

テオドアール家の料理長です。

おやじ!お客様がきちんと挨拶してくださってるんだ!

お辞儀くらいしろ!」

ドードーはちらっとレオンをみて、

ペコリとお辞儀した。

「ちぇっ!相変わらず愛想がないなー!」

「まぁまぁあなた、お客様の前でそんな言葉使いしないで。」

おっとりした30才位の侍女らしい女性がノルドをなだめた。

「おっと!こいつは失礼!

こっちは私の妻で侍女のアリシアと申します。」

アリシアと呼ばれた女性がおっとりした笑顔でレオンにお辞儀した。

「アリシアと申します。

どうぞよろしくお願いいたします。」

「よろしくお願いします。」

「それであっちで野菜を洗ってるのはリンです。

おーい。リン、お前も挨拶しろ!」

リンと呼ばれた20才位の女性はちょっとはなれた洗い場で野菜を洗っていた。

野菜を洗う手を止めて、前掛けで手をふきながらこちらに近寄ってきた。

「リンと申します。よろしくお願いします。」

リンは無表情でペコリとお辞儀すると洗い場に戻っていった。

「すみません、リンは人見知りで。」

ノルドが代わりに謝った。

「いえ。大丈夫です。」

レオンはリンは姉と同じくらいの年齢かなと思った。
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