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第4章 テオドアール領

第98話 ドードー

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調理場は戦場と化していた。

料理人らしき男性が二人と、

侍女らしい女性が二人、

あわただしく働いていた。

レオンはその様子に怯んで調理場の入口で立ち止まったが、

エレンは慣れた様子で調理台で野菜を凄い勢いで切っている、

体格のいい初老の男性の横までトテトテ歩いていき、

ヘラヘラ笑いながら話しかけた。

「よ!

ドードー!( ´_ゝ`)!

忙しいときに申し訳ないけど、

お客様に屋敷を案内してるんだ(°▽°)

サーヤが屋敷から出ちゃいけないって言うから、

庭には行かないで、

とりあえず調理場に来てみた( ´_ゝ`)」

「………………」

ドードーと呼ばれた男は、

話しかけるエレンを見もせず、黙って調理を続けていた。

「まぁまぁ、ドードーの言うこともわかるけど、

お互いサーヤには逆らえないだろ?

それにレオン様は初心者なんだ。

庭に出たら帰ってこれないかもしれないだろ?( ´_ゝ`)?」

「…………………………」

「いやいやだから忙しいときに申し訳ないって言ったじゃん( ´_ゝ`)

それに今日はレオン様たちの歓迎会のために、

料理を作ってるんでしょ?( ´_ゝ`)?

ちょっとは料理以外でも歓迎に協力してよ( ´_ゝ`)

っていうか、

レオン様達の好き嫌い聞いた方が、

いいんじゃないかと思って連れてきたんだよ?( ´_ゝ`)?」

エレンがそういうと、

ドードーはやっとレオンの方を向いた。

「レオン様、

ドードーが好きなものは何かって。

あと食べられないものとか嫌いなものとかあるかって( ´_ゝ`)」

「え!?あ、えっと、

食べられないものとか特にないです。

何でも食べます。

好きなものは、えっと、エビが好きです。」

レオンがいる入口から、

ドードーの顔は見えたが、

ドードーが口を動かしているようには見えなかったし、

レオンにはドードーの声は聞こえなかったが、

エレンには聞こえるように小声で話しているのかなと思った。

「レオン様のお父上は?( ´_ゝ`)?」

「あ、父も特に食べられないものとかはないです。

父はクリーム系が好きだと思います。

母や姉がよく作ってくれたのは、

エビの入ったクリームシチューでした。」

男爵家は裕福ではなく、

使用人を雇うお金もなかったので、

家事は母が病気になるまでは母が、

母が病気になってからは姉がしてくれていた。

レオンは母が作ったエビの入ったクリームシチューを

家族四人で美味しいねといいながら食べていた頃を思いだし、

ちょっと悲しくなった。
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