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四十七話 「ダンジョンへ」
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『はぁ~・・・つかれたぁ』
『お疲れ様アッシュ君』
罰則である一日採掘作業を終えたアッシュは帰ってきたら体を綺麗にした後疲労ですぐにベッドに飛び込んだ
『朝から晩までツルハシを振り続けてたから腕がパンパンだよ~』
あの獣人とはあれから担当する持ち場が変わってしまった為顔を合わすことがなかったがちゃんと食べてくれただろうか
確認しようにもあそこは関係者以外入れないよう管理されているのでもう一度入るのは難しいだろう
『まぁでもこれで心置き無くダンジョンに挑戦することができるね。何か収穫はあった?』
『えっと、それがね・・・』
アレッサ達に頼んでおいたダンジョンの情報集めの結果について聞くと芳しい結果ではなかったのか表情が曇る
なんでも冒険者に話を聞こうとしたところ、ダンジョンの情報を得るには金が必要だと言われてしまったらしい
考えてみれば分かることだが、自分達が命懸けで得た情報をタダで寄越せなんて言われた側からすれば虫がよすぎる話だし金銭を要求されても仕方がない話だ
前のダンジョンで支給されていた地図もここでは実際に自分達で行って確かめ自力で作成しないといけない
『でも昨日私達の応対してくれた受付の人からは少し話を聞けたよ。ここのダンジョンは階層がない代わりに凄い広くて植物系の魔物の他に昆虫種や獣種の魔物もいるみたい』
『なるほど、それだけ分かっただけでも収穫だよ。それより大丈夫だった?変な相手に絡まれたりしなかった?』
『クウちゃんやベルちゃんが一緒だったから全然平気だったよ。昨日の件がもうすっかり知れ渡っちゃってるみたいで他の冒険者からは避けられて声かけるの大変だったけど』
ドラゴンが従魔にいれば仲間になりたいと思う者も現れるかと思ったが、昨日の騒ぎのせいで逆に近寄り難い存在になってしまったか
ベルが加わったとはいえやはり最低でももうあと二、三人は冒険者を加えたいところ
従魔も増やせたらいいがクウやベルのような魔物がそう都合よく現れないだろうし現れたとしても従魔になるとは限らない
その辺りは地道に探していくしかないだろう
アッシュ達はその日早めに休息を取り、万全の状態で翌朝を迎えた
ダンジョンは町から出て少し行ったところの場所に存在する
『ここが二つ目のダンジョン・・・初日だし無理はしないで行けるとこまで行ってみよう』
『うん、分かった』
新たなダンジョンに足を踏み入れる際に若干の緊張と高揚感が重なってやってくる
この感じはきっとこれからも慣れることはないだろう
浮き足立たぬよう慎重になりながらダンジョンの扉を開けると、アッシュ達の視界一面に生い茂る樹々が姿を現した
聞いていた通りの広大な森。ルートの町にあるダンジョンは洞窟のような感じだったが、ここはダンジョンの中だというのにまるで外にいるようだった
地図がないのでここから自力でダンジョンボスに繋がる道を見つけなくてはいけないのはかなり骨が折れそうだ
『ベル、上からどんな風になってるか見てきてもらえる?』
『まかせとけ主』
ベルに空からの偵察を任せアッシュ達は森の中を進んでいく
基本的に前方だけ気にして進めばよかった前のダンジョンとは違い、ここはどこから魔物がやってくるかも分からない
森に紛れて植物系の魔物も潜んでいるかもしれないので、注意を怠らないよう全方位を警戒しながら進んでいった
するとそこへ偵察を任せていたベルが戻って来る
『どうだった?』
『ザッと見渡した限りじゃ辺り一面森しか見えないぞ。ダンジョンは魔力が満ちてるからこの距離じゃダンジョンボスとやらも見つけられないな』
『そっか、やっぱり地道に探していくしかないか』
『なぁ、そこら辺にいる魔物狩ってきていいか?最近体動かしてないから鈍っちまうよ』
確かに盗賊以降ベルには戦わないようにしてもらっている
ストレスが溜まってまた冒険者とかに怪我を負わせでもされたら困るし適度にガス抜きはさせてあげた方がいいか
『分かった。でもあんまり離れないようにしてね』
『おぉ、んじゃちょっと行ってくるぜぇ』
そう言うとベルは再び上空へと消えていった
これはベルのストレス発散という目的もあるが自分達の為でもある
ベルがいればいざという時安心かもしれないが、その安心感が自分達の成長を妨げてしまうかもしれない
それにアッシュは今回のダンジョン探索で恩恵の効果を確かめてみたかった
従魔の能力を使えるとは言われたものの、どう使えばいいか分からないのでとにかく色々試してみるしかない
アッシュは気合を入れてアレッサとクウに言葉をかけた
『よし、二人共いこう!』
『うん!』
『お疲れ様アッシュ君』
罰則である一日採掘作業を終えたアッシュは帰ってきたら体を綺麗にした後疲労ですぐにベッドに飛び込んだ
『朝から晩までツルハシを振り続けてたから腕がパンパンだよ~』
あの獣人とはあれから担当する持ち場が変わってしまった為顔を合わすことがなかったがちゃんと食べてくれただろうか
確認しようにもあそこは関係者以外入れないよう管理されているのでもう一度入るのは難しいだろう
『まぁでもこれで心置き無くダンジョンに挑戦することができるね。何か収穫はあった?』
『えっと、それがね・・・』
アレッサ達に頼んでおいたダンジョンの情報集めの結果について聞くと芳しい結果ではなかったのか表情が曇る
なんでも冒険者に話を聞こうとしたところ、ダンジョンの情報を得るには金が必要だと言われてしまったらしい
考えてみれば分かることだが、自分達が命懸けで得た情報をタダで寄越せなんて言われた側からすれば虫がよすぎる話だし金銭を要求されても仕方がない話だ
前のダンジョンで支給されていた地図もここでは実際に自分達で行って確かめ自力で作成しないといけない
『でも昨日私達の応対してくれた受付の人からは少し話を聞けたよ。ここのダンジョンは階層がない代わりに凄い広くて植物系の魔物の他に昆虫種や獣種の魔物もいるみたい』
『なるほど、それだけ分かっただけでも収穫だよ。それより大丈夫だった?変な相手に絡まれたりしなかった?』
『クウちゃんやベルちゃんが一緒だったから全然平気だったよ。昨日の件がもうすっかり知れ渡っちゃってるみたいで他の冒険者からは避けられて声かけるの大変だったけど』
ドラゴンが従魔にいれば仲間になりたいと思う者も現れるかと思ったが、昨日の騒ぎのせいで逆に近寄り難い存在になってしまったか
ベルが加わったとはいえやはり最低でももうあと二、三人は冒険者を加えたいところ
従魔も増やせたらいいがクウやベルのような魔物がそう都合よく現れないだろうし現れたとしても従魔になるとは限らない
その辺りは地道に探していくしかないだろう
アッシュ達はその日早めに休息を取り、万全の状態で翌朝を迎えた
ダンジョンは町から出て少し行ったところの場所に存在する
『ここが二つ目のダンジョン・・・初日だし無理はしないで行けるとこまで行ってみよう』
『うん、分かった』
新たなダンジョンに足を踏み入れる際に若干の緊張と高揚感が重なってやってくる
この感じはきっとこれからも慣れることはないだろう
浮き足立たぬよう慎重になりながらダンジョンの扉を開けると、アッシュ達の視界一面に生い茂る樹々が姿を現した
聞いていた通りの広大な森。ルートの町にあるダンジョンは洞窟のような感じだったが、ここはダンジョンの中だというのにまるで外にいるようだった
地図がないのでここから自力でダンジョンボスに繋がる道を見つけなくてはいけないのはかなり骨が折れそうだ
『ベル、上からどんな風になってるか見てきてもらえる?』
『まかせとけ主』
ベルに空からの偵察を任せアッシュ達は森の中を進んでいく
基本的に前方だけ気にして進めばよかった前のダンジョンとは違い、ここはどこから魔物がやってくるかも分からない
森に紛れて植物系の魔物も潜んでいるかもしれないので、注意を怠らないよう全方位を警戒しながら進んでいった
するとそこへ偵察を任せていたベルが戻って来る
『どうだった?』
『ザッと見渡した限りじゃ辺り一面森しか見えないぞ。ダンジョンは魔力が満ちてるからこの距離じゃダンジョンボスとやらも見つけられないな』
『そっか、やっぱり地道に探していくしかないか』
『なぁ、そこら辺にいる魔物狩ってきていいか?最近体動かしてないから鈍っちまうよ』
確かに盗賊以降ベルには戦わないようにしてもらっている
ストレスが溜まってまた冒険者とかに怪我を負わせでもされたら困るし適度にガス抜きはさせてあげた方がいいか
『分かった。でもあんまり離れないようにしてね』
『おぉ、んじゃちょっと行ってくるぜぇ』
そう言うとベルは再び上空へと消えていった
これはベルのストレス発散という目的もあるが自分達の為でもある
ベルがいればいざという時安心かもしれないが、その安心感が自分達の成長を妨げてしまうかもしれない
それにアッシュは今回のダンジョン探索で恩恵の効果を確かめてみたかった
従魔の能力を使えるとは言われたものの、どう使えばいいか分からないのでとにかく色々試してみるしかない
アッシュは気合を入れてアレッサとクウに言葉をかけた
『よし、二人共いこう!』
『うん!』
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