後輩が『奴隷でもいいから付き合ってっ!』とグイグイ来るようになってから、モテ期がまとめてやってきたのだが

火野 あかり

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第三話 付き合ってないなら、私にもまだチャンスはあるもん

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「先輩は百合川先輩にどんなアプローチを考えてたんです?」
「あのさ、質問に質問で返すのもアレなんだけど、なんでここに?」

 昼休み、いつものように一人で昼食を摂ろうと思っていた春樹は、なぜか目の前にいる日向に向けて呆れた声を出した。

「お昼ご飯一緒に食べようと思ってですけど……?」
「ここ、二年の教室。お前アウェー」
「なんでちょっとカタコトっぽいんですか……?」
「言葉もない、ということだ」

 普段注目を浴びることのない春樹が、クラスメイト全員の視線を集める。
 春樹の前の席の男子生徒、西本も後輩美少女に恐れおののき自分の席を譲り、一人でどこかへ駆けていってしまった。
 
 悪い西本……お前は何も悪くないのに。

 席を譲ってもらった日向は躊躇なく西本の机を反転させて、春樹の机とくっつけた。
 そのまま大きなランチマットも引く。春樹の机までもを巻き込む大型サイズだ。

「ほら、先輩お昼はいつもコンビニで買ってきたパンだって言ってたでしょ? だからお弁当作ってきたんですよっ」
「なっ……」

 可愛らしい巾着袋に包まれた、小さな弁当箱。
 春樹の机にぽん、と置かれたそれは、ルーブル美術館のモナ・リザくらい注目を集める。

 教室の真ん中に突如現れたイチャイチャした空間。
 浮いている、というよりも次元が違う。

 多くの男子生徒が昼食の代わりに、自らの唇を噛み締める。

 な、なんだと……。
 嘘……だろ……?
 て、手作り弁当……。
 いくらだ、いくら払えばそんなことをしてくれる!?
 し、死にたい!
 俺とアイツで何が違う!

 ふわふわした空間の外は、地獄が顕現したかのような有様だ。
 春樹は周りの怨嗟の声を聞こえないふりをしてやり過ごす。

 な、なんでこんなことに……!

 春樹は嬉しさ半分、怖さ半分だ。
 日向に好かれていることがバレてから、今まで以上にクラスメイトが距離を取るようになったのである。

「あとはおにぎりです。ちゃんと私が握ったやつ。形はまん丸ですけどね。たくさんいろいろな味にしたかったので、小さめの。味は普通だと思いますよ。こっちがのりたまで、こっちが、おかかのふりかけ。こっちがわかめ入りのです」
「手作りなの……?」
「? そうですけど? 私結構料理得意なんですよ? ――いいお嫁さんになれます。そのときはもらってくださいね?」

 目を細め、少し色っぽさを醸した顔で、春樹に笑いかける。
 さすがの鈍感春樹も顔を真っ赤にせざるを得ない発言だった。
 
 ぎゃああああ!
 死ぬ、死ぬっ!
 こ、殺してくれぇ!
 俺も死ねばああなれるのか!?
 転生したい……。
 ベントウ、オニギリ、オレ、ホシイ。
 
 阿鼻叫喚の声が教室中に響く。
 あまりの衝撃に退化した者までいた。

「まぁ……付き合うときになったら考えるよ」
「料理もできて超絶可愛くて、私の何が不満なんですっ?」

 そうだそうだ!
 ――え? 付き合ってないの?
 意味がわからん。
 緑川……天誅!
 何が不満なんだってんだよぉぉ!

 この日、緑川春樹はクラス中の憎悪を誰よりも集めることになる。


「先輩へのアプローチは考えてないよ。なんというか……現実味がないし」
「それはわかります。どうしたらいいのかわからなすぎるレベルですもんね。まずは年商百億くらいの会社でも作ります?」
「それができるなら色々苦労しないな? できるのはまぁ……話して好きになってもらうくらいか」
「先輩の好きな本で例えると、それは芥川賞と直木賞両方まとめて取るくらい難しそうですね?」
「――確かに」

 春樹は周囲の視線を精神的にシャットアウトし、話しながら日向の作ってきた弁当を頬張ることにした。
 日頃パンしか食べない春樹にとって、久しぶりの栄養素が詰まっていた。
 率直に言えば美味しそう。彩り華やかで、一品一品の詰め方もこだわっているように見える。

 まずは綺麗な黄色の卵焼きを一つつまんでみる。
 簡単そうに見えて難しい料理だ。イメージ的に、日向は上手くなさそう。

「あれ、うまいな普通に……」
「何そのリアクション。もっと激しく喜んでくださいよっ。『今日を命日にする』とか『お前の作った物以外一生食べないよ』とか。女の子の手料理とか、下手したら一生食べられなかったかもしれなかったんですよ? ――あ、そっちはだし巻きで、先輩が食べたほうが甘い卵焼きです。私いっつも迷うから両方作っちゃうんですよねぇ」
「……それこそ一生独り者だと思ってたよ。ちなみに、俺はいろいろ食べていこうと思ってるし、今日を命日にもしない」
「だったらせめて味わって食べてください。明日も作ってきますよっ」
「明日は土曜日。学校ないぞ?」
「えー、じゃあ先輩に会えないんだ。あ、そうだ! ならどこか行きましょうよ! ピクニック的なのとか、なんかデートっぽいの」

 机に乗り上げて、日向は弾んだ声を出す。
 春樹は少し後ろに下がり、日向から距離を取った。

「マ、マジか……明日は本屋巡りしようと思ってたんだけど」
「せっかくの初夏の休日なのに? つ、つまんない青春送ってますね、先輩」
「俺の青春はインクの匂いとともにあるの。だいたい、ピクニックって何するんだよ。よく聞くけど内容は知らないぞ」
「言われてみれば……だらだら歩いて、疲れたらお弁当とか食べて?」
「食べたあとは?」
「えーと……カフェ行ったり?」
「食べてばっかりだな?」
「何するのかなんて私も知らないですよっ!」
「逆ギレ!?」

 聞いていた同級生は苛立ち、キレそうになっていた。
 
 学校は神聖な学び舎だぞ! 
 イチャイチャしてんじゃねぇ!
 勉強勉強勉強! 
 学生の本分は勉強だから羨ましくない!
 

「放課後また来ますから、待っててくださいね? 先帰っちゃヤですよ?」
「わかったよ……」

 視線が痛いんだって!
 俺今クラスで一番嫌われ者じゃない!?

 昼休みが終わる直前、日向は春樹に釘を刺す。
 こう言われては逃げることもできない。

 急激に変わった生活にまだ慣れない。
 いつもはパンをかじりながら本を読むが、それも出来ていなかった。

「はぁ……」
「な、なんかすごいことになってるね、ハルくん」
「委員長……」
「委員長じゃないってっ。それより、あの子とお付き合いはしてないの? 小笠原さん、だっけ。後輩を奴隷にしてるやつがいるって噂もまだあるけど」
「してないよ……付き合ってくれるなら奴隷になってもいいって勝手に言ってるだけ」
「愛されてるね?」
「俺の知ってる愛とは違う気がするけどな……」

 春樹に話しかけてきたのは、一条八宵だった。
 委員長、と呼ばれるくらいには委員長な見た目をしている。
 少しくせっ毛のある黒髪を背中の半分位まで伸ばし、トレードマークの赤いメガネをかけた春樹の幼馴染だ。

 長い髪型は春樹の好みでもある。
 百合川葵に惹かれたのも、最初は綺麗な黒髪だなと思ったからだ。

 ちなみに委員長でも何でもない。平の保険委員だ。
 春樹も知っているが、なんとなく委員長と呼んでいる。
 勉強も当たり前のように得意だ。

 基本的には大人しく、春樹と同じように本ばかり読んでいるイメージがあった。
 文学少女、という表現がまさしく当てはまる。
 そのため春樹とは話が合う数少ない存在だった。

 一番の特徴は胸だ。
 大きく立派に膨らんだそれは、春樹の知る人物の中では圧倒的に一番と言えるくらいの代物。
 普通に歩いているだけで、ぽよんぽよんと揺れる姿は、百合川葵とは違った様子で注目を浴びる。
 おっとり清楚なイメージと、殺人的な破壊力を持つ武器のおかげで、男子にも人気のある人物だ。
 
 春樹とは小学校からの付き合いで、家も近所。
 小学校の頃は短めな髪型だったが、いつの頃からか伸ばし始めたのを覚えている。理由は教えてもらえなかった。

「小学校の時はクラス委員長だっただろ? その時の癖で委員長って出てくるんだ。――小笠原とは付き合ってないよ。俺がそういう色恋沙汰と無縁なのは、八宵だって知ってるはずだ」
「そ、そうなんだ。――よかった」
「――俺がモテないのはそんなにいいことなのか?」
「そ、そういうことじゃないよっ!? な、なんでもないっ」

 顔を真っ赤にしながら駆け足気味に自分の席に戻る八宵を見つめ、春樹は首をかしげた。

 委員長こと八宵が席に着いたのと時を同じくして、春樹の肩にぽん、と手が置かれた。
 優しめな着地のあとに、ぎゅうと握りこまれ春樹の肩は悲鳴をあげる。

「いた、痛い!」
「――今日を命日にしてやろうか? いつか殺す、覚えておけ」

 耳元でドスの効いた声が響き、振り向いてみると、日向により席を奪われた男、西本が目を見開き、迫真の表情を浮かべていた。
 今にも殺してやると言わんばかり。悪鬼羅刹の様相。
 よく見れば、周囲も皆似たような顔をしている。
 全員、血の涙を流しているようにさえ見えた。


 放課後、春樹が教室から出ると日向は既に待ち構えていた。
 
「せーんぱいっ、帰りましょ? 帰りにアイス食べに行きましょうよ、アイス」
「俺はあんまり冷たいものが好きじゃないんだけどな……腹を下す」
「き、汚いこと言わないでくださいよっ!」
「言われても事実だからな……」

 ふたりがいつものように話していると、珍しく割り込んでくる人物がいた。
 一条八宵だ。
 ほんの少し気まずさがある顔をしていた。
 伏し目がちに、そして遠慮がちに、日向に声をかける。

「あ、あの、小笠原さん? ハルくんも一応先輩だし、教室まで来るのはあんまり良くないんじゃないかなと思うよ……? 教室でも変な空気になっちゃってるし……」
「だ、誰です、この人。なんで私の先輩をハルくん呼ばわり?」
「これ以上ややこしくなることを言うな」

 日向はさりげなく春樹の後ろに回る。
 誤解されそうな行動ばかり……。
 春樹は呆れた様子でため息をつき、八宵の方へ手を向けて日向に紹介する。

「委員長だよ」
「だから委員長じゃないってっ。平の保険委員だからっ! 私は一条八宵」
「ま、まさか先輩、私というものがありながらこの人とも……?」
「いやいや、ただの幼馴染だよ。小学校からの」
「そう、ただの、幼馴染だよ……」

 八宵の赤いメガネの奥の目が潤んだのを日向は見た。

 ――あ、この人、先輩のこと好きなんだ。
 それも多分、ずっと前から。きっと小学生の頃から。

 女同士だからなんとなく分かる部分。
 日向に対し意見するのは、嫉妬からだ。

 ――この人もライバルだ。

「負けませんし、あげませんよ!」

 日向は八宵に向けてビシッと指を伸ばし、宣言する。
 
 八宵の目がほのかに敵意に染まったのを、日向は感じ取った。

「な、なんのことだ?」
「先輩はいいんですっ!」

 たしなめられた春樹は黙るしかない。

 どうして俺が蚊帳の外に?
 
「な、なんのことかな、小笠原さん」
「とぼけちゃって。私よりずっとチャンスあったのに行動しなかった人には、悪いですけど負ける気がしません。それにこういうのは早い者勝ちですから。――さ、先輩、早く帰りましょ? アイス溶けちゃいますよ?」
「まだ買ってないし、溶けはしないだろ……」

 背中を押されて、春樹は強引に玄関まで連れて行かれる。
 八宵の態度は気にかかったが、春樹にはよくわからない。
 自分が好かれるという発想があまりないのだ。

 帰っていくふたりの背中を見ながら、八宵は拳を軽く握り締める。
 ライバル宣言なんて初めてだ。それでも八宵の心は揺らがない。

「私のほうが先に好きになったんだから。負けないよ、小笠原さん」

 一人になった廊下、八宵はつぶやいた。
 思いの長さだけは誰にも負けない。

「付き合ってないなら、私にもまだチャンスはあるもん」

 窓から夕焼け空を眺め、八宵は小さくガッツポーズをする。


 後方では春樹の担任教師、天王寺あかね――二十五歳独身彼氏なし、出会いがないのでできる気配もなし――が、廊下の柱の裏で悶絶していた。
 
 青春か! アオハルか!
 羨ましい、いや、いっそ恨めしいっ!
 なになにあの甘酸っぱい感じっ!
 私のような年になると、あの煌きはもはや毒、毒よっ!
 あんなピュアっぽい恋愛は二度とできないわ!
 今じゃもう顔や性格より、年収の方が気になっちゃう!
 タイムマシンよ、我が手に!
 私にストロベリーな青春を!
 素敵な旦那様と結婚したいぃぃぃ!

 悪魔に祈りを捧げながら、天王寺あかねは若人の青春を呪った。
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