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第四話 〝まだ〟付き合ってないだけですもんね?
しおりを挟む「なぁ小笠原。くっつくのはやめない……? 暑いし恥ずかしいしで、穴があったら入りたいよ、俺は」
「いいじゃないですかっ。私たちは恋人寄りなわけですし」
「それでもこんな街中でやらなくても……」
「牽制ですけど?」
「誰にだよ。俺はそもそもモテないの。したがって牽制される必要もない」
街のど真ん中、日向は春樹の腕にしがみつくようにして歩いていた。
歩きにくいし、恥ずかしい。周囲の視線が痛すぎる。そのうえ、密着度が高いので、腕に柔らかな感触が当たることがある。それが何より緊張につながった。
なるべく意識しないよう努めるしかない。
「そのだな、胸が当たってる」
「ちょっとは当ててるんですよっ。先輩が私にメロメロになるように」
「痴女かな……?」
「ちがっ、なんてこと言うんですっ! 先輩がこの前触ろうとしたからでしょっ!? いくら私が先輩の奴隷だからって、どこ触ってもいいわけじゃないです!」
「街中で誤解を招くことを言うな!」
最近の高校生怖ぇ。
彼女だと思ってたのに、奴隷なのか……。
土曜日でもスーツ姿のサラリーマン達は真顔のまま、国の行先を心配した。
土曜日、休日のふたりは待ち合わせし、ピクニックに行くことになった。
名目は『百合川葵撃沈作戦』だ。
しかし実態はただのデートでしかないのでは、と春樹は着いてから改めて思う。
日向の服装は、白のシルエットの大きなシャツに、白っぽいショートパンツ。
清潔感があって、春樹は不覚にも可愛いと思ってしまう。
制服姿以外の日向は初めて見た。いつも以上に太ももや胸元が露出しているので、春樹は目のやり場に困ってしまうこととなる。
手にはバスケットを持っていたので、それは春樹が持ってやる。
おそらくは弁当を作ってきてくれたのだろうとわかったし、重そうなものを持たせるのは春樹の主義に反する。男女問わず似たような対応を春樹はしがちだ。
「それよりどうです? 私服の私も可愛いでしょっ。先輩はちょっと地味」
「余計なお世話だ。――可愛いよ。それは本当。でもくっつくのはダメだ。そういうのはちゃんと好きな人とやるものだからな」
「だから、ちゃんと好きなんですってっ! じゃなきゃこんなことしませんし、そもそも遊んだりもしないです。準備も頑張りました。昨日だって大変だったんですよ? お父さんが死にそうになって」
「死にそうに!? ならこんなことしてる場合じゃないだろ!?」
「ああ、大丈夫ですよっ。なんか勘違いしてただけみたいで」
「勘違い……何があったんだ?」
日向は昨夜に小笠原家で起きた事の顛末を語りだす。
「お、日向。どうした、そんなにたくさん唐揚げ作って。お父さんの晩酌にくれるのか?」
「ちーがーう。明日ピクニックに行くからその準備」
「そ、そうなのか……父さんの好物ばかりだったから期待したのに」
「唐揚げとか大体の人が好きだと思うよ? あとでちょっとだけあげる。味見して欲しいし。――邪魔だからあっちいっててよ、もう」
夜、唐揚げに下味をつけていた日向のもとに、父、雄一郎がちょっかいを出しに行ったときのことだ。
雄一郎は日向のすることの一つ一つが気になる。
やはり可愛い一人娘で、何をしていても愛おしく見えるのだ。
日向を溺愛している雄一郎は、娘の些細な変化にすぐに気づく。
な、なにかがおかしい。
あんなに『パパ、パパ』と懐いていた娘がよそよそしい。
ま、まさか、まさか。
「だ、誰と行くんだい?」
「うーん? 友達以上、恋人寄りの人」
「ほ、ほう、それは彼氏なのかな。もし変な奴だったら、父さん法を犯す覚悟が有るぞ」
「そうだったらいいなって思うけど、向こうは違うって。ほかに好きな人がいるからダメだって」
な、何だよかったぁ!
まだ本格的な恋愛とかのレベルじゃないんだ!
父の内心はジェットコースター並に上下していた。
かわいいかわいい娘が見知らぬ男に持っていかれるなど、父親として耐えられたものではないのだ。
ふたりの会話を聞いて、母、恵子も参戦した。
恵子は日向から直接春樹の事を聞いていた。
「例の子? うまくいくといいわね」
「なんだ、母さんは知ってたのか」
「詳しくは知らないけど、一応ね。こういうのは母親のほうに言うものよ」
「で、どんな子なんだ?」
「先輩だよ。同じ図書委員。いっつも難しそうな本読んでる人」
――真面目そうな子だな。
百歩、いや、千歩譲ってそういう男なら認めるかも知れない。
進学校で真面目な生徒ってことは、将来も考えられるだろうしな。
一万歩譲って認めてやらんこともない。
「他には何かないのか? いいところとか、特徴とか」
「あなた、娘のそういうのをあんまり聞くんじゃないの。いざ言われたら卒倒するくせに」
「お前なぁ。そういうのを知らない方がショックなんだよ、父親ってのは。いきなり結婚とか言われたらショック死するからな。自慢じゃないが、マンボウ並みのひ弱さだぞ、私は」
「どんな自慢よ。私が娘ならウザイと思うけどね、父親の過干渉」
「ふん! 私の日向はそんな風に思うような育て方をしてはいない! 自慢の娘だぞ!」
両親がそんな話をしているとき、日向は鶏肉を漬け込みながら、つぶやくように言った。
どこか遠くでも見るようにつぶやく娘の顔は、乙女の顔。
長らく一緒にいて初めて見る顔。
「――私の初めてをあげた人」
「は? ――は? もう? え?」
娘の口から放たれた衝撃の核弾頭が頭を直撃し、雄一郎の頭には走馬灯が流れ始めた。
思い返すは娘、日向と過ごした幸せの日々。
パパー! わたし、おおきくなったらパパとけっこんする!
パパだいすき!
ずっといっしょだよっ!
「日向! あんたいっつも言葉が足りないのよ! ――ほら、お父さん写経始めちゃったじゃない! うち神社なのに、仏教に目覚めちゃったわよ!?」
「八百万の神よ、わが娘の貞操を奪った輩に、あらんかぎりの苦痛ある死を……!」
「ほら! 仮にも神主が呪い始めた!」
「おお、天なる父よ……わが願いを聞き入れたまえ!」
「次は違う宗教! 動揺しすぎよ、あなた!」
そして現在に戻る。
「――てなことがあったんですよ」
「学習能力! お前昼間に同じことしてるからな!?」
「なんでみんな同じようなこと思うんですかね? 考えがやらし過ぎじゃないです?」
「お前がピュアすぎるんだよ……」
初めての人、なんて聞いたら大体の人はそっちを連想するだろうに。
良くも悪くも純粋なんだよな。
俺のことを好きだというのも、きっと刷り込みのようなものだろう。
男にドキドキした。つまり恋だ、と短絡的に理解したのだと思う。
「ま、そういうのは置いておいて、お弁当食べましょ? そこの大きな公園で。どうせ朝も食べてないんでしょ? 今日はサンドイッチにしてみました」
「それはいいんだが……お父さんは大丈夫だったのか?」
「お母さんが説得? っぽいのしてましたから大丈夫ですよ。ちょっと先輩が死ぬかもしれないというのはありますけど」
「あれぇ……? それって大丈夫っていうのか……?」
日常で命の危険を感じるのは、大丈夫ではない。
父親の気持ちなんてわからないが、想像はできる。
悪いことしたな……俺悪くない気もするが。
「うん、普通にうまい。料理うまいってのはマジなんだな」
「マジマジのマジですよ。家ではよく作ってます、好きですし。こうやって美味しいって
言ってもらえるのも嬉しいですっ」
「うちの母さんよりうまいと思う。実際いいお嫁さんになれそうだよな、小笠原は」
「あのー、いい加減呼び方変えません? いつまでも小笠原って、他人行儀じゃないですか」「といってもな……」
――名前を呼ぶのが恥ずかしい。
多少クールなところがあっても、基本的には思春期の男子。
人並みに男女交際への憧れはあるぶん、恥ずかしい気持ちもあるのだ。
一条八宵は『八宵』と呼べる。それは、幼少期からずっと八宵と呼んでいるからだ。
自分を好いているという女子を名前で呼んだら、俺の方も好きみたいじゃないか。
「ハルくん」
「なんであだ名!?」
「この前一条先輩が呼んでたから。――気をつけてくださいよ? あの人先輩のこと好きみたいですからね」
「八宵がぁ? それはないって。別に好かれるような事してないぞ」
少なくとも、春樹の中に思い当たるものはない。
仲は悪くないが、好かれるような間柄でもないと春樹は思っていた。
「どうせ可愛いとか言ったことあるんでしょ。先輩結構そういうこと言うから」
日向は最初に可愛いと言われた時のことを思い出す。
思えばあれで春樹のことが気になり始めてしまったのだ。
先輩軽いっていうか、恥ずかしいこと平然と言うからなぁ。
あの積極性で行けば百合川先輩でもドキッとはすると思う。うまくいったら嫌だから言わないけど。
『百合川葵撃沈作戦』は結局建前だ。ただデートをしてみたかっただけ。
うまくいかないことを一番祈っているのは日向である。
「わからん……そりゃ何度かは言ったことあるんだろうけど、覚えてない」
「そういうの、相手はずっと覚えてたりするんですよ? なんか先輩、意外とモテモテじゃないです?」
「俺は勘違いなどしない。絶対に俺はモテていない」
「ネガティブ方向にポジティブ! ――それでもいいですけどね。先輩は私にだけモテてればいいと思いますよ?」
「変な奴……」
悪い気はしない。
女子に好かれて――かなり過剰だが――何も思わないほど、春樹は朴念仁ではなかった。
まじめに考えれば、冷静に考えれば、日向は悪くない。
一緒にいてなんやかんやと話しているし、楽しくもある。
可愛いし料理も上手だ。
対して、百合川葵というあこがれには手が届かない。
何しろ話すことさえできないのだ。
それだったら好きだといってくれる人と一緒にいたほうがいいのではないか。
思うも考え直す。妥協や打算のようで、日向に対して失礼に感じるからだ。
「そういえば、神社の娘なんだな」
「ああ、言ってませんでしたもんね。お正月は巫女の格好して破魔矢なんかを授与してますよ」
「授与? 売るんじゃなくて?」
「違いますよー。あれは売っているのではなくて、お供えの金額に対して授けるものなんです。だから売っているわけではない、という」
「? よくわからないが、違うのか」
「厳密に言えば、ですけど。だから『ありがとうございます』とかも言いません。よく聴いてみればわかると思いますよ。どこの神社も絶対言いませんから。たまに文句言われることもありますけどねぇ。『客だぞ!』みたいな」
言われてみれば、おみくじなんかでも言われたことがない気がする。
それにしても、小笠原が巫女……似合いそうだな。
「今年の初詣は小笠原の神社に行こうかな」
「あれ? あれあれ? 私の巫女装束にご興味がおありで?」
「あるな。結構好きなんだよ」
「えらく素直ですね……」
「露出がないのがいい。清楚の代表格っていうか」
「――うちのお母さんもあの格好しますよ。お正月は人手足りませんから。大昔ならともかく、生娘だけが巫女だと思ってると悲しいことに……」
悲しい現実。
春樹は知っている。
現代において、神社が当然のように巫女のバイトを募集しているということを。
「とりあえず、今年は行くよ。一応来年か。案内してくれよな」
「忙しいので難しいかもですよ? 少なくともまともな対応はできないかも」
「それでもいいよ」
「巫女の私を見たいだけ、とか?」
「ああ。俺は正直信心深いほうじゃないからな。もっと即物的な欲求で動く」
リアル巫女さんを見てみたい。ただそれだけ。
それからしばらく、雑談をしながら弁当を食べる。
暖かい空気の中、明るい空の下での食事は気分が良く、味もいいため春樹の食は進む。
隣の日向は名前のとおり、日光を浴びて気持ちよさそうな顔をしていた。
やっぱり可愛いんだよな。
俺なんかと一緒にいてくれるくらい良いやつでもある。
強引ではあるけど、なぜか落ち着きもする……不思議だ。
春樹はぼーっとしながら、そんなことを考えていた。
満腹感と日光の心地よさ。まどろみがやってきそうだった。
こんな休日も悪くない……。
しかし次の瞬間、眠気は吹き飛んだ。
公園を通りがかったのは、買い物帰りらしい春樹の母親、京子。
レジャーシートを広げ、日向と弁当を食べてのんびりしている姿を見られたのだ。
見かけるやいなや近づいてきて、ニヤけながら詰問が始まった。
「春樹じゃない。――誰? その可愛い子。もしかして彼女――」
「ま、まだ付き合ってない!」
「隠さなくてもいいのに。お名前は?」
「お、小笠原日向と言います! よ、よろしくお願いします!」
「んー、可愛い。お義母さん、でいいわよ?」
「お義母さん……」
「おおいっ! 何言ってんだ!?」
そのあと、春樹を除く二人は大いに盛り上がり、反対に春樹の存在感が薄く薄くなっていく。
俺もう帰ってもいいかな。
そう思うくらい、居場所がなかった。
「それじゃ、そろそろお暇しようかしら。日向ちゃん、またね。いつうちに来てもいいからね」
「は、はいっ!」
ようやっと帰るのか……。
なんで母親同伴でピクニックをせねばならんのだ。
「春樹! ちゃんとやんなさい!」
「はいはい」
適当に返事をして、ちゃんと帰ったかの確認のため背中を目線で追う。
「先輩」
「ん? 面倒な母親でごめんな。下世話なおばさんなんだよ。昼もドロドロしたドラマばっかり見てる」
「――先輩」
日向はレジャーシートに座り込む春樹の隣に近づいて、春樹の半袖シャツの袖を柔らかく掴んだ。
しおらしい空気。口数少なめで、顔も照れているように見えた。
「〝まだ〟付き合ってないんですね。〝まだ〟」
「う……あれは言葉のあやみたいなもんで……」
春樹は顔を真っ赤にし、先ほどの自分の発言を悔やむ。
何も考えず出てきた言葉だった。まるで本心であるかのように。
――俺はどうしたいんだろう。
百合川先輩が好きだったつもりなのに。
心変わりしてるのか。俺はそんな不誠実な人間だったのか。
泣きそうにも見える満面の笑みで春樹を見る日向に、春樹の心臓が痛む。
ズキン、とトゲでも刺されたような鋭い痛み。
「えへへ……すごい嬉しいなぁ。いつかはちゃんと付き合ってくれるんだぁ」
「ふ、フラレたらな……」
「さっさとフラれちゃいましょうよっ!」
少しだけフラレるのが怖くなくなりつつある自分に、春樹は嫌悪感を覚えていた。
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