剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第3章 神の悪戯

第161話 進撃か防衛か

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訓練に続く訓練の日々、そんな日が2年以上続いたある日、騎士団の中でとある噂が出始めていた。

「こちらから攻める?」

「はい、その様な話しが騎士団内で広まっております」

今日の訓練が終わり、勇者パーティの仲間達とクロウが夕食を食べていると、メイディがその様な事を言ってくる。

「それって本当の話なんですか?」

「本当かどうかは分かりません、あくまでも"噂"です」

リュークの質問に対してメイディはそう答える。

本当の話なのかは騎士団長のヒヨナに聞いた方が良いだろう、憶測で思い込むのは良くない事だ。

「あたくしはその噂が本当だと思いますわ」

「その根拠は?」

ミオは何故か信じるらしく、フィオナはそれを不思議に思い質問する。

「魔王が復活したと言う話しが出てから約2年、あたくし達も騎士団員達と同じくらいには強くなったと自負していますわ」

「ボクもそう思います」

シャルもフィオナの言葉に頷く、話はまだ続くが、ミオ達は確かに強くなった、中盤までなら難なく旅が出来るだろう。

「ならば攻めてこない魔王軍を待つよりも先手を打ってこちらから攻めた方が良いんじゃないかって思いますわ」

「ボクもそう思います」

シャルはまたしてもミオの意見に同意する、
ミオの考えとしては"戦争の準備中であろう魔王軍に対して奇襲を行い、統率がままならない状態にして戦争を有利に進めた方が良い"
と言う事だろう。

エムルがクロウの代わりにミオの考えは↑の通りか尋ねると『そうですわ』と答えてくれたので、この考えで間違いない。

「しかし、それはあくまでも予想であり、既に迎え撃つ態勢が出来ていたらどうするんですか?」

と、クレイは当然の疑問を言う。
これに関してはリュークも同意見だった、魔王軍が約2年もの間何もしていない、と言う事はないはずだ、最低でも迎え撃つ準備は出来ているとリュークは思っている。

「それはそれ、とあたくしは思っていますわ、いつ攻めて来るか分からない状態の中で常に気を張り巡らせてもいつかは切れて隙が出来てしまいますわ」

「だからこそコチラから攻めて魔王軍との戦いを終わらせる方が良い…と?」

ソフィの問いにミオは『そうですわ』と答える、クレイもその言葉で納得する、確かに常に緊張していても長い時間が経てば必ず隙が生まれる、戦争においてそれは不意を突かれる場面となる。

それならば…と考えるのも妥当な判断だろう。

ぼくも賛成です、訓練は今も必要ですが、ずっと来るかもわからない敵を待ち続けるのは年齢的にも今がチャンスです」

と、ハクアは言う。
ハクアの年齢は(キャラクター紹介時点で)20歳で、それから2年が経った為、現在は22歳となっている。

まだまだ若いがその若さがずっと続くわけでもないし、旅が長ければ長い程歳を取り、戦いは不利になる。

ボクもそう思います」

「わたしもそう思うわ、負けるリスクもあるし、敵が待ち構えている可能性もあるけど、敵が来るのを待ち続けるのは反対だわ」

ミサとメジーナも賛成らしく、彼女達は戦意が高い事がよく分かる。

「クロウ様とリューク様はどう思いますか?」

「メイディはどうだ?賛成なのか?」

わたしはクロウ様の意見に従います、クロウ様が賛成ならわたしも賛成ですし、反対なら反対です」

と、クロウに全てを委ねる発言をするメイディ、自分の意見よりもクロウの意見を尊重したいのだろう。

「俺は悪いがどちらでも良い、このまま待ち続けて戦力を集め、万全な状態で待ち構えるのもありだと思っているしな」

「僕も同意見です、魔王が攻めて来ればそこから罠や奇襲、遠距離からの攻撃などをして戦力を削ぎながら戦う事ができる」

と、クロウとリュークは反対寄りに近い中立的な選択をする。

こちらから攻めれば物資や資源の補給が難しくなるし、治療や食糧等大軍を率いて行くならそれらの事も視野に入れていかなければならない、そうなると反対する者も当然出て来るだろう。

「どちらにせよ、攻めるにしても守るにしても、負けない様に鍛錬を積むしかない、負ければ皆んな殺されるし、どんな目に遭わされるか分からないからな」

クロウのその言葉に皆が頷く、どちらの選択を選ぼうともどっちが正しいかなんて分からない、だからこそどちらの道を進もうとも死なない様に、負けない様に強くなるしかないのだ。

——————————————————————
クロウ(とまぁカッコつけて言っているけど、死にたくないからって剣を毎日ぺろぺろしている変態なんだけどなぁ(-_-;))
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