転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

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はじまり

7.

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こないだ青年を拾ってから1週間が過ぎた。宿まで現れることもなくいつも通りの日常を過ごしている。
今日も森へ採取に出かける。時々出てくる魔物を倒しつつ最近お気に入りの洞窟までたどりついた。
「シルバー、ここで休憩にするね。」
馬背から飛び降り、洞窟のなかに入る。シルバーに水をあげて私は岩に腰を掛ける。
マリアに持たせてもらったお弁当を食べつつそろそろ街を出る準備を進めようとあれこれ試案する。
とりあえずは定期運航の馬車で隣の街まで向かうのもよいかもしれない。
ここでは勝手に保護者面する人たちがうるさいから中々思うようにできない。
前世では38歳まで生きていた。見た目よりは考え方も大人だ。ここでは見せていないが一通りの魔法は習得している。ちょっとやそっとじゃ困らない。
一週間後に出発しようと心にきめて街にもどることにした。

入口からギルトに向かい扉を開ける。いつも通りに買取カウンターで要件をすませ宿に帰ろうと扉に向かった。
「ククルとは君のことか」
どこかで見たことあるような人だなと思いつつもジーッと顔をみる。
「こないだ森で拾ってもらった時の礼が言いたくて宿を尋ねたが外に出でいると聞いたものでここで待たせてもらっていた」
「あぁ、もう身体は大丈夫なんですか」
「お陰でなんの後遺症もなく元通りだ。ほんとに助かった。ここでの話もなんだし、君のところの宿に移動しないかい。今日からそちらに厄介になるつもりでいるから。そういえば名乗りもしてなかったね、俺は冒険者のアイザックだ。ソロで活動している」
とりあえず話しながら宿に向かおうとうながされ一緒に歩いた。私の歩幅にあわせて歩いてくれるのが申し訳なく思っているうちに宿に到着した。
夕食をごちそうしてくれるとのことで食堂に向かう。マリアに声をかけ、奥のテーブルに向かった。
「好きなものを食べたらよいよ。」
アイザックの申し出にありがとうございますと言いつつはじめてみるメニュー表に中々決まらない。
「文字は読めるかい?」
「はい、一応大丈夫ですが何を食べようか決まらなくて」
うんうん悩んでいると適当に注文するから食べたいのだけ食べればよいと注文してくれた。
数種類から少しづつ取り分けてもらって食事をいただく。
程々おなかも膨れたのでご馳走様をした。
「もう、食べないかい。」
「十分お腹がふくれました。もう食べれません」
じゃあと残りは全部たいらげてくれた。食後にジュースをいただいてほっこりくつろいでいるとい住まいをただしたアイザックが改めて頭をさげた。
「ククル、本当に今回はありがとうございました。君がたすけてくれなかったらおそらく俺は死んでいる。なにかお礼がしたいのだがほしいものはあるかい」
真剣な眼差しでこちらに問いかけてくる。
特にほしいものはないし、お願いしてみたいことを聞いてみようと考えた。
ただ、ここで話をするには気の引ける内容もあるためマリアに許可をもらい私の自室に来てもらう。
「アイザックさん、欲しいものというよりはお願いがあります」

数日以内に実は街を出ようとしていること。この宿にはお世話になっているが実のところは勝手に拾われて都合のいいように使われそうになったこと。その理由は今は話せないこと。できれば近くの街まで連れて行ってほしいことをお願いしてみる。
「つまり、ここにいるのがいやで旅にでたい、もしくはほかの街に行きたいけどまわりのおせっかいな大人が厄介で俺に連れて出てほしいといことか」
しばらく考えてアイザックは答えを出した。
「色々聞きたいところだが俺のことはまだ信用できないだろうからいいとしてほんとにそれでいいのか。」
「大丈夫です。むしろお願いします。」
「いいだろう。その代わり条件がある。まずは俺とパーティーを組むこと。子供だから当然守りはするが護衛としてついていくわけではないから遠慮せづについてくること。俺としては一応命の恩人だ、期間はククルが独り立ちできるまででどうだ。」
「その条件じゃアイザックさんの迷惑になりませんか。独り立ちってまだまだ先じゃないですか」
「大丈夫だ、もともと身寄りもない一人旅だ。目的もなく色々回ってみたいと旅をしているだけだしお供がいても問題ないぞ。あと、呼び名はアイザックで構わない。」
にっこり笑顔で話すアイザックにとりあえず身を預けることにした。
ある程度の準備をしたいとのことで出発は3日後となった。
翌日、マリアに旅立つことを伝える。当然のごとく猛反対だが申し訳ないがカイトのことを話しする。
さすがに実兄が信用できないからといわれてしまえば返す言葉もないようであきらめてくれた。

出発の日、鞍をつけたシルバーをつれて街の入り口にむかう。
昨日、ギルトでDランクの昇給試験を受けて合格、着いてきてくれたアイザックとパーティー登録をした際にシルバーのことを話すとお祝いだと鞍を買ってくれた。
アイザックの姿が見えたので手を振る。
ようやく、旅が始まるのかとワクワクしながら街を後にした。
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