116 / 207
王都
116.
しおりを挟む
ようやく体調が戻ったものの暫く寝込んでいたので今日はお家でゆっくり過ごす事にした。
数日したら体力も回復するだろうとアイザックも言っている。
お昼過ぎマリアント様がお見舞いに来てくれた。
「マリアント様、こないだはありがとうございました。アイザックから聞きました。わざわざ診て頂いたと」
「あら元気になったようね。良かったわ。子供なんだから気遣いは不要よ」
それからこないだ研究室に行った話をしながらお茶をした。
マリアント様の話では魔力量が多いのなら毎日しっかり使った方が良いと言われたのでもう少し体力が回復したら古代薬の復元に手を着けようと思う。
夕方、アイザックがユミンを連れて帰ってきた。
「あっおかえり」
「ククル様、ただいま戻りました。お身体は大丈夫ですか?」
ちょっと辿々しいながらもしっかり言葉使いを覚えてきた様で感心する。
「もう大丈夫よ。それよりも凄いね。数日で見違える様だよ」
一応、学校に行くときは様付けも可笑しいからとそこは使い分けて貰う事にした。
熱が下がってから3日たち、アイザックからようやく外出の許可を貰ったので今日は久しぶりに外にでる。
「とりあえず教会に行ってネル様にお礼を伝えてそのあとギルドにポーション卸しにいくね」
アイザックとシッコクに跨りまずは教会へ。
貴族の礼拝堂でネル様とお会いする。
「ククルさん、こんにちは。身体は大丈夫ですか」
「ネル様こんにちは。こないだはありがとうございます。すっかり回復しました」
「そう、それは良かったですね。また、何かありましたらいつでもいらしてください」
「はい、そうさせてもらいます」
次に赤のギルドに向かう。
受付でポーションの買取をお願いすると小部屋に案内された。
「本日はどの位買取希望ですか」
「合計で120本お願いします」
「畏まりました。では貯蔵庫にご案内しますね」
こないだの魔道具がここにもあり棚にポーションを置いた。
数分で鑑定が終わり結果が映し出された。
それぞれのカードにお金を入れてもらい今度はギルド内のショップに向かう。
「何か欲しいものがあるのか?」
「研究に使用する素材の在庫があったら買って帰ろうかと思って」
良さそうな物を数点買う。
そろそろ帰ろうかと思い扉に向かうと先程の受付の人に呼び止められた。
「お手紙が届いております。お受け取りください」
受け取りの手続きをして手紙をもらう。
どうやらサックスからのようだ。
その場で中身を確認すると王都まで来る様で連絡手段をギルドに伝えて欲しいとの事。
もう一度受付に行き、サックスへの伝言をお願いして帰宅した。
「おかえりなさいませ」
「ハナ、ただいま」
今日の夕食当番はユミンとの事でハナが出迎えてくれた。
サックスからギルド経由で連絡がある事を伝え夕食までの時間を調合室で過ごす。
とりあえずポーションを何回か調合し、作業が終わったら古代薬の資料を読み漁る。
夕食が出来たと呼ばれたのでリビングまで行き、4人で食事する。
ハナがさっき言っていたが明日、こないだ助けた兄妹の迎えが到着するらしく直接お礼がしたいので場所と時間を指定して欲しいとか。
とりあえず、兄妹が寝起きしている詰所まで向かうので場所の提供をお願いする。
話しているうちにだんだん目蓋が落ちていく。
「ククルがそろそろ限界だな」
「うー」
アイザックは手慣れた手付きでククルを抱き上げ彼女の部屋まで運んだ。
「ほら、久しぶりに外出して疲れてるんだ。そのまま寝てしまいな」
「ふぁい。おやすみなさい」
眠りについた。
翌朝、快適に起き出す。
今日は詰所にアイザックと向かう予定だ。
約束の時間はお昼前、シッコクに跨り向かう事にした。
「この度は子供達を助けて頂きありがとうございます」
兄妹の両親に深々と頭を下げられお礼を言われた。
偶々運が良かっただけだととりあえず頭を上げてもらい改めて挨拶をする。
第三領にある小さな村の村長らしく、お礼にと村の特産品を頂いた。
染め布が有名らしく、シンプルな物から可愛らしい物まで数点頂ける様だ。
今日にでも村に向かって出発すると聞いていたので途中のおやつに焼き菓子を渡す。
「機会がありましたら一度村に遊びにいらしてください。」
「わかりました。ありがとうございます」
親子とお別れの挨拶をし、家路に着こうと詰所の出口にむかう。
「すいません。団長がお話があるとの事でして少しお時間頂けますか」
「わかりました」
アイザックと一緒について行くと団長のいる部屋に案内された。
「はじめまして。ここの団長でナナク・オルバイタンといいます。この度は犯人の捕獲にご協力頂きありがとうございました」
「あ、えっとククルです。どういたしまして?」
「ククルの付き添いでアイザックだ」
「わざわざすいません。どうぞお掛けください」
とりあえずアイザックと並んでソファに腰を下ろした。
数日したら体力も回復するだろうとアイザックも言っている。
お昼過ぎマリアント様がお見舞いに来てくれた。
「マリアント様、こないだはありがとうございました。アイザックから聞きました。わざわざ診て頂いたと」
「あら元気になったようね。良かったわ。子供なんだから気遣いは不要よ」
それからこないだ研究室に行った話をしながらお茶をした。
マリアント様の話では魔力量が多いのなら毎日しっかり使った方が良いと言われたのでもう少し体力が回復したら古代薬の復元に手を着けようと思う。
夕方、アイザックがユミンを連れて帰ってきた。
「あっおかえり」
「ククル様、ただいま戻りました。お身体は大丈夫ですか?」
ちょっと辿々しいながらもしっかり言葉使いを覚えてきた様で感心する。
「もう大丈夫よ。それよりも凄いね。数日で見違える様だよ」
一応、学校に行くときは様付けも可笑しいからとそこは使い分けて貰う事にした。
熱が下がってから3日たち、アイザックからようやく外出の許可を貰ったので今日は久しぶりに外にでる。
「とりあえず教会に行ってネル様にお礼を伝えてそのあとギルドにポーション卸しにいくね」
アイザックとシッコクに跨りまずは教会へ。
貴族の礼拝堂でネル様とお会いする。
「ククルさん、こんにちは。身体は大丈夫ですか」
「ネル様こんにちは。こないだはありがとうございます。すっかり回復しました」
「そう、それは良かったですね。また、何かありましたらいつでもいらしてください」
「はい、そうさせてもらいます」
次に赤のギルドに向かう。
受付でポーションの買取をお願いすると小部屋に案内された。
「本日はどの位買取希望ですか」
「合計で120本お願いします」
「畏まりました。では貯蔵庫にご案内しますね」
こないだの魔道具がここにもあり棚にポーションを置いた。
数分で鑑定が終わり結果が映し出された。
それぞれのカードにお金を入れてもらい今度はギルド内のショップに向かう。
「何か欲しいものがあるのか?」
「研究に使用する素材の在庫があったら買って帰ろうかと思って」
良さそうな物を数点買う。
そろそろ帰ろうかと思い扉に向かうと先程の受付の人に呼び止められた。
「お手紙が届いております。お受け取りください」
受け取りの手続きをして手紙をもらう。
どうやらサックスからのようだ。
その場で中身を確認すると王都まで来る様で連絡手段をギルドに伝えて欲しいとの事。
もう一度受付に行き、サックスへの伝言をお願いして帰宅した。
「おかえりなさいませ」
「ハナ、ただいま」
今日の夕食当番はユミンとの事でハナが出迎えてくれた。
サックスからギルド経由で連絡がある事を伝え夕食までの時間を調合室で過ごす。
とりあえずポーションを何回か調合し、作業が終わったら古代薬の資料を読み漁る。
夕食が出来たと呼ばれたのでリビングまで行き、4人で食事する。
ハナがさっき言っていたが明日、こないだ助けた兄妹の迎えが到着するらしく直接お礼がしたいので場所と時間を指定して欲しいとか。
とりあえず、兄妹が寝起きしている詰所まで向かうので場所の提供をお願いする。
話しているうちにだんだん目蓋が落ちていく。
「ククルがそろそろ限界だな」
「うー」
アイザックは手慣れた手付きでククルを抱き上げ彼女の部屋まで運んだ。
「ほら、久しぶりに外出して疲れてるんだ。そのまま寝てしまいな」
「ふぁい。おやすみなさい」
眠りについた。
翌朝、快適に起き出す。
今日は詰所にアイザックと向かう予定だ。
約束の時間はお昼前、シッコクに跨り向かう事にした。
「この度は子供達を助けて頂きありがとうございます」
兄妹の両親に深々と頭を下げられお礼を言われた。
偶々運が良かっただけだととりあえず頭を上げてもらい改めて挨拶をする。
第三領にある小さな村の村長らしく、お礼にと村の特産品を頂いた。
染め布が有名らしく、シンプルな物から可愛らしい物まで数点頂ける様だ。
今日にでも村に向かって出発すると聞いていたので途中のおやつに焼き菓子を渡す。
「機会がありましたら一度村に遊びにいらしてください。」
「わかりました。ありがとうございます」
親子とお別れの挨拶をし、家路に着こうと詰所の出口にむかう。
「すいません。団長がお話があるとの事でして少しお時間頂けますか」
「わかりました」
アイザックと一緒について行くと団長のいる部屋に案内された。
「はじめまして。ここの団長でナナク・オルバイタンといいます。この度は犯人の捕獲にご協力頂きありがとうございました」
「あ、えっとククルです。どういたしまして?」
「ククルの付き添いでアイザックだ」
「わざわざすいません。どうぞお掛けください」
とりあえずアイザックと並んでソファに腰を下ろした。
357
あなたにおすすめの小説
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
1歳児天使の異世界生活!
春爛漫
ファンタジー
夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。
※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~
結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』
『小さいな』
『…やっと…逢えた』
『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』
『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』
地球とは別の世界、異世界“パレス”。
ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。
しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。
神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。
その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。
しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。
原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。
その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。
生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。
初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。
阿鼻叫喚のパレスの神界。
次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。
これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。
家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待!
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
小説家になろう様でも連載中です。
第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます!
よろしくお願い致します( . .)"
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる