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新たな挑戦へ
161.
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スライム達の調合研究。
これ、面白いかも。
先ずはウォルタラからにした。
「水を使う?魔力水かな。ソル、ウォルタラ魔力水、出せるか聞いて」
器を準備しながら確認して貰うと出せるとの事。
「この器でいけるかな?」
「大丈夫みたいだ」
洗面器位のサイズのオケにポーション草を入れてそこに置く。
ウォルタラが中に入って魔力水を出している。
ポーション草が浸ったらそこにぷかぷか浮きながら魔力を放出している。
暫く様子を見ていると光が収まり、ウォルタラも器から出ていた。
「出来たみたいね。鑑定するよ」
『ランクB 回復ポーション 制作ウォルタラ』
ちゃんとポーションになっている。
瓶を出してやると自分で瓶詰めを始めた。
3本の回復ポーションが出来上がった。
「ソル、一日にこれが何回出来るか聞いてみて」
「2回で終わりだってさ。しかし凄いな。今まで知らなかった」
「レベルを上げてあげたらもう少し量と質が上がるんじゃないかな。レベルあげはした事ある?」
「いや、ないな。余程でないと自分で採取は行かないし、この子を戦闘に使った事はない」
「そっか、今度ダンジョンにレベリングしにいく?アイザックに言わなきゃだけど」
「そうだな。一応、学園には週に一回だけ行かなくてはならないんだ。中級の薬学実習まで出来る教師が見つからなくて、一応それが条件になっている。それ以外の時間ならダンジョン行くのも可能だし、お願いしようかと思うが良いのか」
「構わないよ。アイザックの許可が取れたらだけど、私もアイザックも冒険者だから問題ないかな」
とりあえずソルとの話はまとまったので次はムーたんに取り掛かる。
私達が作業をしている間にドルフが素材を集めてきていた。
「じゃあ、素材をここに並べてムーたんを置いてくれる?」
ドルフは言われた様に準備してムーたんを出した。
台の上でぴょんぴょん飛び跳ねながら右往左往している。
魔力草の前に止まって何やら訴えている。
「ククルちゃん、魔力草が良いみたいだ。貰っても?」
「どうぞ」
今度は魔力草を体内に取り込み、じーっと座り光を出し始めた。
薄ら見えていた魔力草が段々小さくなっていく。
なんとなく瓶が入りそうなので横に置いておく。
光が弱っていくと今度は瓶を取り込んだ。
"ポンッ"
体内からポーションが一本出てきた。
『ランクB 魔力回復ポーション 制作ムーたん』
「出来たみたいね。一日何回いけるみたい?」
「わからないけど今日はもうお終いらしいぞ。凄いなこれ。ポーション代が要らなくなる」
「自分で作れる人にはなんだけど作れない人ならかなり重宝するんじゃないかな。まあ、テイム出来たらの話だけどね。2人とも薬師ギルドでスライムの調合登録しといた方が便利だよ。仕上がったポーション持っていったら出来るから」
2人共に了解との事で王都に戻ったら一緒に行く事になった。
スライムの調合を研究したら面白そうなのでギルドにそれも申請しようと言う話になり、申請には研究室長の許可がいる。
私とドルフが揃っていけば一度で手続きが出来るとの事なので日程を合わせていく事になった。
「おい、ククルそろそろ切り上げたらどうだ」
「うわぁ、アイザックおかえり」
「「お邪魔してます」」
「ああ、ハナが調合室に篭って出てこないと嘆いてるぞ」
気がついたら殆ど日も傾いている。
研究者が3人も揃ったら碌な事がない。
それもあって私は自宅で調合する事になったのも仕方がない。
要は歯止めが効かないからと言う事だ。
「いつの間にかこんな時間?」
「全く大人がついていてもこの2人じゃ意味がないな。」
「面目無い。ついつい」
「だってさぁ、新しいスライム生まれたんだよ」
「はあ?」
アイザックに片付けながら今日の出来事を説明するとお手上げと言われた。
もちろんいつもの呆れ顔で。
失礼な話である。私の事をトラブルメーカーの様に取り扱うのは解せん。
ぶぅぶぅ文句を言いつつ、玄関で2人を見送った。
「で、最初からちゃんと説明しなさい」
「はい」
夕食後、応接室にてアイザックに一から説明をしている。
アイザック曰く、魔法契約してるにしても行動が軽率すぎるとの事。
今回はドルフさんの紹介で顔見知りなのもあったからついついなのはわかるけど、スライムの調合までしてしまう必要はなかった様だ。
「ごめんなさい」
「ククル、楽しいのはわかるがもう少し慎重に行動しなさい。偶々、あの2人だから良いけど行動が迂闊過ぎる。後で困るのはククル自身だぞ。スライムが生まれたのは仕方がない。その後の事は一度相談してくれてからでもよかったんじゃないか。やるなとは言わないし、止める気も無いけど先に報告はしなさい」
「うぅ、ごめんなさい」
アイザックにキツく怒られて泣き出したが今回は怒りを緩める気はない様で罰として王都に帰るまで調合室の出入りを禁止された。
「うわぁーん、アイザックごめんなざい」
泣き止まないククルをしっかり叱り、アイザックは自室に言ってしまった。
ハナも先に手出しするなと釘を刺されていた様で見守る事しか出来ない。
暫くククルの泣き声だけが響いていた。
これ、面白いかも。
先ずはウォルタラからにした。
「水を使う?魔力水かな。ソル、ウォルタラ魔力水、出せるか聞いて」
器を準備しながら確認して貰うと出せるとの事。
「この器でいけるかな?」
「大丈夫みたいだ」
洗面器位のサイズのオケにポーション草を入れてそこに置く。
ウォルタラが中に入って魔力水を出している。
ポーション草が浸ったらそこにぷかぷか浮きながら魔力を放出している。
暫く様子を見ていると光が収まり、ウォルタラも器から出ていた。
「出来たみたいね。鑑定するよ」
『ランクB 回復ポーション 制作ウォルタラ』
ちゃんとポーションになっている。
瓶を出してやると自分で瓶詰めを始めた。
3本の回復ポーションが出来上がった。
「ソル、一日にこれが何回出来るか聞いてみて」
「2回で終わりだってさ。しかし凄いな。今まで知らなかった」
「レベルを上げてあげたらもう少し量と質が上がるんじゃないかな。レベルあげはした事ある?」
「いや、ないな。余程でないと自分で採取は行かないし、この子を戦闘に使った事はない」
「そっか、今度ダンジョンにレベリングしにいく?アイザックに言わなきゃだけど」
「そうだな。一応、学園には週に一回だけ行かなくてはならないんだ。中級の薬学実習まで出来る教師が見つからなくて、一応それが条件になっている。それ以外の時間ならダンジョン行くのも可能だし、お願いしようかと思うが良いのか」
「構わないよ。アイザックの許可が取れたらだけど、私もアイザックも冒険者だから問題ないかな」
とりあえずソルとの話はまとまったので次はムーたんに取り掛かる。
私達が作業をしている間にドルフが素材を集めてきていた。
「じゃあ、素材をここに並べてムーたんを置いてくれる?」
ドルフは言われた様に準備してムーたんを出した。
台の上でぴょんぴょん飛び跳ねながら右往左往している。
魔力草の前に止まって何やら訴えている。
「ククルちゃん、魔力草が良いみたいだ。貰っても?」
「どうぞ」
今度は魔力草を体内に取り込み、じーっと座り光を出し始めた。
薄ら見えていた魔力草が段々小さくなっていく。
なんとなく瓶が入りそうなので横に置いておく。
光が弱っていくと今度は瓶を取り込んだ。
"ポンッ"
体内からポーションが一本出てきた。
『ランクB 魔力回復ポーション 制作ムーたん』
「出来たみたいね。一日何回いけるみたい?」
「わからないけど今日はもうお終いらしいぞ。凄いなこれ。ポーション代が要らなくなる」
「自分で作れる人にはなんだけど作れない人ならかなり重宝するんじゃないかな。まあ、テイム出来たらの話だけどね。2人とも薬師ギルドでスライムの調合登録しといた方が便利だよ。仕上がったポーション持っていったら出来るから」
2人共に了解との事で王都に戻ったら一緒に行く事になった。
スライムの調合を研究したら面白そうなのでギルドにそれも申請しようと言う話になり、申請には研究室長の許可がいる。
私とドルフが揃っていけば一度で手続きが出来るとの事なので日程を合わせていく事になった。
「おい、ククルそろそろ切り上げたらどうだ」
「うわぁ、アイザックおかえり」
「「お邪魔してます」」
「ああ、ハナが調合室に篭って出てこないと嘆いてるぞ」
気がついたら殆ど日も傾いている。
研究者が3人も揃ったら碌な事がない。
それもあって私は自宅で調合する事になったのも仕方がない。
要は歯止めが効かないからと言う事だ。
「いつの間にかこんな時間?」
「全く大人がついていてもこの2人じゃ意味がないな。」
「面目無い。ついつい」
「だってさぁ、新しいスライム生まれたんだよ」
「はあ?」
アイザックに片付けながら今日の出来事を説明するとお手上げと言われた。
もちろんいつもの呆れ顔で。
失礼な話である。私の事をトラブルメーカーの様に取り扱うのは解せん。
ぶぅぶぅ文句を言いつつ、玄関で2人を見送った。
「で、最初からちゃんと説明しなさい」
「はい」
夕食後、応接室にてアイザックに一から説明をしている。
アイザック曰く、魔法契約してるにしても行動が軽率すぎるとの事。
今回はドルフさんの紹介で顔見知りなのもあったからついついなのはわかるけど、スライムの調合までしてしまう必要はなかった様だ。
「ごめんなさい」
「ククル、楽しいのはわかるがもう少し慎重に行動しなさい。偶々、あの2人だから良いけど行動が迂闊過ぎる。後で困るのはククル自身だぞ。スライムが生まれたのは仕方がない。その後の事は一度相談してくれてからでもよかったんじゃないか。やるなとは言わないし、止める気も無いけど先に報告はしなさい」
「うぅ、ごめんなさい」
アイザックにキツく怒られて泣き出したが今回は怒りを緩める気はない様で罰として王都に帰るまで調合室の出入りを禁止された。
「うわぁーん、アイザックごめんなざい」
泣き止まないククルをしっかり叱り、アイザックは自室に言ってしまった。
ハナも先に手出しするなと釘を刺されていた様で見守る事しか出来ない。
暫くククルの泣き声だけが響いていた。
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