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その後、モイラス伯爵家は、子爵へと降格されたが無能な父は執務が出来ず、リンドバーグ侯爵が送り込んだカイルに厳しく教育?されながら、何とかやっているみたいだ。
ガイラン伯爵家への慰謝料の支払いもあり、生活するのにも大変な様だが、甘やかし我が儘に育てた自分の娘ミリアナの仕出かした事だ。
マリアとミリアナは、私を虐めていた罪で修道院送りとなった。
2人は、自分達の罪を最後まで認めず、修道院の中でも厳しいと言われる北の修道院に送られたとか…。
そこで心を入れ替え、自分のした事を反省してくれれば良いのだけれど、ミリアナには難しそうだ。
あれから1年が過ぎた晴れた日。
白いウエディングドレスを着て控え室で私は待っていた。
扉がノックされ、アルベルトが入ってくる。
「うわぁ~アリーシャ、とても綺麗だ!」
「貴方も、とても素敵よ!」
「やっと僕のものになる。ずっと欲しかった僕の宝物が手に入いるんだ。アリーシャ、僕は必ず君を幸せにする。愛しているよ」
「私も貴方を愛してるわ。私の初恋はアルベルト、貴方なのよ」
目を丸くして驚いている。
「僕の初恋も君だよ!なんだ、僕達は出会った時から相思相愛だったんだね。もっと早く告白していれば良かった。そうすれば君が傷付かなくて済んだのに…臆病でごめんね」
色々と有ったけれど、それが有ったからこそ今が幸せだと思えるのだ。
時間だと従者に言われアルベルトは、先に会場に向かった。
音楽が鳴り、私は義父のグラン伯爵にエスコートされバージンロードを歩く。
会場の隅に、父の姿を見付ける。
子爵になった父は、心を入れ替え、カイルに叱咤されながらも頑張っている。
父からの謝罪の申し込みがあり、私はアルベルトと共に会う事にした。
涙を流し謝罪する父を私は許すと言った。
だからといって全てを許したわけではない。
母を蔑ろにし、危篤になろうとも帰って来なかった父を許す事は出来ない。
私が許したのは、母亡き後に、私に対してしていた事にだけだ。
バージンロードの先には私を待つアルベルトが笑顔で立っていた。
義父の腕から手を離しアルベルトの腕へと変わる。
誓いのキスをし、皆の方へと振り向いた時に、母の姿を見た。
「…お母様」
母は、嬉しそうに頷くとスゥーと消えてしまった。
「お母様、私、アルベルトと幸せになるわ。だから天国から見守っていてね」
「アリーシャ?」
「アルベルト。今ね、お母様が見えたの。嬉しそうに微笑んでいたわ」
アルベルトは、優しく私の肩を抱き寄せた。
「良かったね、アリーシャ。僕はお義母様に必ず君を幸せにすると誓うよ」
アルベルトは、私の頭に口付けをすると、私をエスコートして歩き出した。
END
******
最後まで読んで頂き ありがとうございます。
ガイラン伯爵家への慰謝料の支払いもあり、生活するのにも大変な様だが、甘やかし我が儘に育てた自分の娘ミリアナの仕出かした事だ。
マリアとミリアナは、私を虐めていた罪で修道院送りとなった。
2人は、自分達の罪を最後まで認めず、修道院の中でも厳しいと言われる北の修道院に送られたとか…。
そこで心を入れ替え、自分のした事を反省してくれれば良いのだけれど、ミリアナには難しそうだ。
あれから1年が過ぎた晴れた日。
白いウエディングドレスを着て控え室で私は待っていた。
扉がノックされ、アルベルトが入ってくる。
「うわぁ~アリーシャ、とても綺麗だ!」
「貴方も、とても素敵よ!」
「やっと僕のものになる。ずっと欲しかった僕の宝物が手に入いるんだ。アリーシャ、僕は必ず君を幸せにする。愛しているよ」
「私も貴方を愛してるわ。私の初恋はアルベルト、貴方なのよ」
目を丸くして驚いている。
「僕の初恋も君だよ!なんだ、僕達は出会った時から相思相愛だったんだね。もっと早く告白していれば良かった。そうすれば君が傷付かなくて済んだのに…臆病でごめんね」
色々と有ったけれど、それが有ったからこそ今が幸せだと思えるのだ。
時間だと従者に言われアルベルトは、先に会場に向かった。
音楽が鳴り、私は義父のグラン伯爵にエスコートされバージンロードを歩く。
会場の隅に、父の姿を見付ける。
子爵になった父は、心を入れ替え、カイルに叱咤されながらも頑張っている。
父からの謝罪の申し込みがあり、私はアルベルトと共に会う事にした。
涙を流し謝罪する父を私は許すと言った。
だからといって全てを許したわけではない。
母を蔑ろにし、危篤になろうとも帰って来なかった父を許す事は出来ない。
私が許したのは、母亡き後に、私に対してしていた事にだけだ。
バージンロードの先には私を待つアルベルトが笑顔で立っていた。
義父の腕から手を離しアルベルトの腕へと変わる。
誓いのキスをし、皆の方へと振り向いた時に、母の姿を見た。
「…お母様」
母は、嬉しそうに頷くとスゥーと消えてしまった。
「お母様、私、アルベルトと幸せになるわ。だから天国から見守っていてね」
「アリーシャ?」
「アルベルト。今ね、お母様が見えたの。嬉しそうに微笑んでいたわ」
アルベルトは、優しく私の肩を抱き寄せた。
「良かったね、アリーシャ。僕はお義母様に必ず君を幸せにすると誓うよ」
アルベルトは、私の頭に口付けをすると、私をエスコートして歩き出した。
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