上 下
60 / 61
番外編

ex_7 *

しおりを挟む

 ギリアロと一緒にお家に帰る。
 このとき、あたしははじめて、夜の王都を空から見おろした。

 お城からの夜景はよく見てたけどね。やっぱり、ヒコーキからの景色は全然ちがう。
 晶精もきらきら、きらきら、夜の深い色彩に輝いてさ、なんか街全体、夜空をふくめて全部が宝石箱みたいだった。
 あたしがすごく興奮して夜景見てたからさ。ギリアロってば、王都をぐるーってまわるように、遠回りしてくれてさ?
 ふたりで、何を話すわけもなく、キレーな夜景を楽しんだ。

 で。
 お家に戻ったころには、もうすっかり日も暮れてさ?
 ギリアロもお腹すいてるだろうから、晩ごはん、どうにかしなきゃねって言ったんだけど――、

「ギリアロ……?」
「んなモン、あとだ――」

 まっすぐ、寝室に連れていかれた。
 で、するすると、お洋服剥ぎ取られちゃう。

「あの。あたし、汗かいてる。お風呂」
「いーよ。それも、あとで一緒にな?」
「一緒」
「当分、お前さんとは全部一緒だ。理由は話したろ?」
「うん……」

 オーブンと、洗濯機の件ね?
 ちゃんと聞いたよ。晶精が暴走した結果だって。
 あたしがいることに浮かれた晶精の仕業だから、慣れるまで数日は様子を見ながらだって言われた。
 お風呂も晶精機器が使われてるもんね。
 昨日までは問題なかったけど、今日は何が起こるかわからない。だから、ギリアロと一緒。これからしばらくは、ご飯の準備も、お風呂も、全部一緒。

「あ、ぁ……ギリアロ……」
「ん?」

 ギリアロと気持ちが通じあってから、いっぱい、いっぱい、何度も愛しあった。
 けど、今日のギリアロは性急でさ?
 あたしの両胸ふにふにしながら、唇を寄せてくる。

「チセ――」
「ん」

 ちゅ。
 ちゅう。
 ちゅ、ちゅ……。

 わわ。どうしたの、ギリアロってば。
 めちゃくちゃ、舌絡ませてくる。
 唇の表面も舐め取られて、はむはむって、食べられてるみたいなキスも何度も。

「俺のこと、好きか……?」
「ぁ……っ」
「な、チセ……?」

 やば。
 キスだけでとろけそ……。
 髪も、頬も、首も、耳も、胸も。全部全部、触れられ、撫でられ、摘ままれ、吸われる。
 目があうと熱っぽい瞳にドキドキして、溺れそう。
 ギリアロ。苦しい。
 どきどきして苦しいよ。

「聞かせてくれ。なあ、チセ」
「ぁ……す、すき。すき……!」

 耳元で囁かれたら、それだけでゾクゾクしちゃう。
 触れられて、キスされてるだけで、あたしは呼吸することすら難しくなる。でも、もっと触れてほしくて、おねだりするようにあたしも、ギリアロの頭を抱えた。

 柔らかい、黒い髪。
 ふふ、ギリアロの匂いがする。すん、って匂いかいだら、なんか、胸いっぱいになっちゃってさ?

「すきだよ。すごく」
「ん――」

 ちゃんと言葉にするとようやく、ギリアロは安心したように笑った。
 唇を寄せて、もう一回キスする。
 今度はあたしから、舌をのばしてさ?
 絡ませあって、ぐじゅぐじゅになるまで混ざりあうようなキスしながら、あたしはギリアロのシャツに手を伸ばす。

「ね? ギリアロも」
「ん」

 あたしだけ裸とか、寂しい。
 ギリアロ、ズボンも、ほら。もうキツそうじゃん?

「なんつうか――もう、挿れてえ」
「ん。いいよ?」

 いじられてないけど、あたしだって、あそこ、もう切ないもん。
 とろとろしたのがあふれてるのわかって、あたしもはにかむ様に笑った。

 ギリアロが体勢を変えて、脱いだズボンを適当に放り投げてから、あたしの腰を掴む。
 そのままごろんと視界が反転したところで、あたしはギリアロがどうしたいのか理解した。
 両手をついて、四つん這いになる。ギリアロに強く腰を掴まれたまま、後ろから熱いのを押し当てられて、あたしは震えた。

「んっ……!」

 ずちゅっ。
 バックからされるとき、いつも容赦ない。
 深く、快楽を貪りたい。そんな気分のとき、ギリアロは後ろからするんだ。

 一気に奥まで貫かれて、あたしは仰け反った。
 あ。やば。あたしも。気持ちいい。

「ぁ! は……ぁっ」
「くっ……チセ……チセ……!」

 ってか、ギリアロ。最初から激しすぎ。

「あ、はぁ……すごっ……はげしっ……!」

 ぎりぎりまで引き抜いてから、容赦なく奥まで突きたてられる。
 それを何度も。ばつっ、ばつって、肌がぶつかりあう音がして、そのうちにその音に変化がおとずれる。
 ぐちゅっ、ぐちゅっ。
 きもちよくて、あたしのナカからもとろとろしたものがいっぱいこぼれ落ちる。
 それがギリアロのモノに絡まって、粟立つくらいにぐぢゅぐぢゅにかき混ぜられた。

「やぁ……ギリアロ……きもち、い、よ……!」
「ああ、俺もだ。っ、チセっ……チセっ!」

 やば。
 さっきから、ずっとイキそ。

 身体を支えきれなくて前に崩れ落ちるけど、ギリアロは全然動きをゆるめない。
 あたしを追い込むかのように、そのまま両方の足首を掴まれた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

出雲死柏手

エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:3

mの手記

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:711

親友彼氏―親友と付き合う俺らの話。

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:19

推しと契約婚約したら、とっても幸せになりました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:553pt お気に入り:146

錬金術師の性奴隷 ──不老不死なのでハーレムを作って暇つぶしします──

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:56pt お気に入り:1,371

【R18】彼の精力が凄すぎて、ついていけません!【完結】

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,350pt お気に入り:5,008

箱入りの魔法使い

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:9

処理中です...