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番外編
ex_7 *
しおりを挟むギリアロと一緒にお家に帰る。
このとき、あたしははじめて、夜の王都を空から見おろした。
お城からの夜景はよく見てたけどね。やっぱり、ヒコーキからの景色は全然ちがう。
晶精もきらきら、きらきら、夜の深い色彩に輝いてさ、なんか街全体、夜空をふくめて全部が宝石箱みたいだった。
あたしがすごく興奮して夜景見てたからさ。ギリアロってば、王都をぐるーってまわるように、遠回りしてくれてさ?
ふたりで、何を話すわけもなく、キレーな夜景を楽しんだ。
で。
お家に戻ったころには、もうすっかり日も暮れてさ?
ギリアロもお腹すいてるだろうから、晩ごはん、どうにかしなきゃねって言ったんだけど――、
「ギリアロ……?」
「んなモン、あとだ――」
まっすぐ、寝室に連れていかれた。
で、するすると、お洋服剥ぎ取られちゃう。
「あの。あたし、汗かいてる。お風呂」
「いーよ。それも、あとで一緒にな?」
「一緒」
「当分、お前さんとは全部一緒だ。理由は話したろ?」
「うん……」
オーブンと、洗濯機の件ね?
ちゃんと聞いたよ。晶精が暴走した結果だって。
あたしがいることに浮かれた晶精の仕業だから、慣れるまで数日は様子を見ながらだって言われた。
お風呂も晶精機器が使われてるもんね。
昨日までは問題なかったけど、今日は何が起こるかわからない。だから、ギリアロと一緒。これからしばらくは、ご飯の準備も、お風呂も、全部一緒。
「あ、ぁ……ギリアロ……」
「ん?」
ギリアロと気持ちが通じあってから、いっぱい、いっぱい、何度も愛しあった。
けど、今日のギリアロは性急でさ?
あたしの両胸ふにふにしながら、唇を寄せてくる。
「チセ――」
「ん」
ちゅ。
ちゅう。
ちゅ、ちゅ……。
わわ。どうしたの、ギリアロってば。
めちゃくちゃ、舌絡ませてくる。
唇の表面も舐め取られて、はむはむって、食べられてるみたいなキスも何度も。
「俺のこと、好きか……?」
「ぁ……っ」
「な、チセ……?」
やば。
キスだけでとろけそ……。
髪も、頬も、首も、耳も、胸も。全部全部、触れられ、撫でられ、摘ままれ、吸われる。
目があうと熱っぽい瞳にドキドキして、溺れそう。
ギリアロ。苦しい。
どきどきして苦しいよ。
「聞かせてくれ。なあ、チセ」
「ぁ……す、すき。すき……!」
耳元で囁かれたら、それだけでゾクゾクしちゃう。
触れられて、キスされてるだけで、あたしは呼吸することすら難しくなる。でも、もっと触れてほしくて、おねだりするようにあたしも、ギリアロの頭を抱えた。
柔らかい、黒い髪。
ふふ、ギリアロの匂いがする。すん、って匂いかいだら、なんか、胸いっぱいになっちゃってさ?
「すきだよ。すごく」
「ん――」
ちゃんと言葉にするとようやく、ギリアロは安心したように笑った。
唇を寄せて、もう一回キスする。
今度はあたしから、舌をのばしてさ?
絡ませあって、ぐじゅぐじゅになるまで混ざりあうようなキスしながら、あたしはギリアロのシャツに手を伸ばす。
「ね? ギリアロも」
「ん」
あたしだけ裸とか、寂しい。
ギリアロ、ズボンも、ほら。もうキツそうじゃん?
「なんつうか――もう、挿れてえ」
「ん。いいよ?」
いじられてないけど、あたしだって、あそこ、もう切ないもん。
とろとろしたのがあふれてるのわかって、あたしもはにかむ様に笑った。
ギリアロが体勢を変えて、脱いだズボンを適当に放り投げてから、あたしの腰を掴む。
そのままごろんと視界が反転したところで、あたしはギリアロがどうしたいのか理解した。
両手をついて、四つん這いになる。ギリアロに強く腰を掴まれたまま、後ろから熱いのを押し当てられて、あたしは震えた。
「んっ……!」
ずちゅっ。
バックからされるとき、いつも容赦ない。
深く、快楽を貪りたい。そんな気分のとき、ギリアロは後ろからするんだ。
一気に奥まで貫かれて、あたしは仰け反った。
あ。やば。あたしも。気持ちいい。
「ぁ! は……ぁっ」
「くっ……チセ……チセ……!」
ってか、ギリアロ。最初から激しすぎ。
「あ、はぁ……すごっ……はげしっ……!」
ぎりぎりまで引き抜いてから、容赦なく奥まで突きたてられる。
それを何度も。ばつっ、ばつって、肌がぶつかりあう音がして、そのうちにその音に変化がおとずれる。
ぐちゅっ、ぐちゅっ。
きもちよくて、あたしのナカからもとろとろしたものがいっぱいこぼれ落ちる。
それがギリアロのモノに絡まって、粟立つくらいにぐぢゅぐぢゅにかき混ぜられた。
「やぁ……ギリアロ……きもち、い、よ……!」
「ああ、俺もだ。っ、チセっ……チセっ!」
やば。
さっきから、ずっとイキそ。
身体を支えきれなくて前に崩れ落ちるけど、ギリアロは全然動きをゆるめない。
あたしを追い込むかのように、そのまま両方の足首を掴まれた。
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