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10章
クロード家の屋敷
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「おかえりなさいませ、レオン坊っちゃま。また、ようこそおいでくださいました、サキ様」
馬車を降りたところでタキシード姿の初老の男性から綺麗なお辞儀とともに挨拶をされたので私も慌てて頭を下げる。
「本日はお、お招きいただきありがとうございます……」
ご褒美をもらえそうだからテンションは上げたけど、やっぱり人見知りはそう簡単に克服できない。
おずおずとお辞儀を返す私にも男性は優しい笑顔で対応してくれた。
「じいや、出迎えご苦労」
「とんでもございません。さぁ、奥様がお待ちです」
じいやさんはそう言ってお屋敷の扉を開け私たちが中に入った後、扉を静かに閉めた。
じいやさんの案内でクロード家のお屋敷の中を歩いていく。アルベルト家のお屋敷と違って廊下に鎧が飾ってあったり、剣が飾ってあったりといかにも剣に携わる一族らしい装飾が施されていた。
かっこいいけど……夜にお手洗いに行く時鎧とか見たら怖いかも……。
廊下をしばらく進むと庭に出て、庭に一つのテーブルが置かれていた。
そしてそのテーブルには溢れんばかりの気品を漂わせながら、ティーカップを持つクリスティ様が座っていた。
その姿を見て、緊張よりも先に『綺麗』と見惚れてしまった。ママやアネットの貴族家モードも綺麗なのは普段見ているからわかるが、シュッとまっすぐ伸びた背筋やカップの持ち方といったクリスティ様の佇まいは貴族家としての誇りのようなものを感じた。
部屋に入ってきた私たちに気がついたクリスティ様は立ち上がりこちらに歩いてきた。
「急にお誘いしてしまい、すみません。ようこそ、クロード家へ」
「はっ。い、いえ! こちらこそお招きいただきありがとうございます」
私はクリスティ様に見惚れ呆けていたので、慌てて頭を下げる。
「頭を上げてください。こちらがお招きしたのですから」
「は、はい」
私が頭を上げると、クリスティ様はレオンさんの方を向いた。
「それじゃあレオン。私はサキさんと二人で話をしたいから、どこかで時間を潰していなさい」
「え?」
「えっ⁉︎」
レオンさんと二人で驚いたが声のトーンに明らかに差が生まれるくらい私は驚いてしまった。
「……わかったよ」
あっさりわからないでよレオンさん!
私は内心そう思いながら小動物のような目をレオンさんに向けるが、レオンさんはちょっと眉をひそめながらごめんってアイコンタクトで言って庭を出て行った。
そして残される私とクリスティ様。
「とりあえず座りましょうか」
「はい……」
とりあえず二人で席につき、じいやさんが紅茶を淹れてカップを私の前に置いてくれた。
馬車を降りたところでタキシード姿の初老の男性から綺麗なお辞儀とともに挨拶をされたので私も慌てて頭を下げる。
「本日はお、お招きいただきありがとうございます……」
ご褒美をもらえそうだからテンションは上げたけど、やっぱり人見知りはそう簡単に克服できない。
おずおずとお辞儀を返す私にも男性は優しい笑顔で対応してくれた。
「じいや、出迎えご苦労」
「とんでもございません。さぁ、奥様がお待ちです」
じいやさんはそう言ってお屋敷の扉を開け私たちが中に入った後、扉を静かに閉めた。
じいやさんの案内でクロード家のお屋敷の中を歩いていく。アルベルト家のお屋敷と違って廊下に鎧が飾ってあったり、剣が飾ってあったりといかにも剣に携わる一族らしい装飾が施されていた。
かっこいいけど……夜にお手洗いに行く時鎧とか見たら怖いかも……。
廊下をしばらく進むと庭に出て、庭に一つのテーブルが置かれていた。
そしてそのテーブルには溢れんばかりの気品を漂わせながら、ティーカップを持つクリスティ様が座っていた。
その姿を見て、緊張よりも先に『綺麗』と見惚れてしまった。ママやアネットの貴族家モードも綺麗なのは普段見ているからわかるが、シュッとまっすぐ伸びた背筋やカップの持ち方といったクリスティ様の佇まいは貴族家としての誇りのようなものを感じた。
部屋に入ってきた私たちに気がついたクリスティ様は立ち上がりこちらに歩いてきた。
「急にお誘いしてしまい、すみません。ようこそ、クロード家へ」
「はっ。い、いえ! こちらこそお招きいただきありがとうございます」
私はクリスティ様に見惚れ呆けていたので、慌てて頭を下げる。
「頭を上げてください。こちらがお招きしたのですから」
「は、はい」
私が頭を上げると、クリスティ様はレオンさんの方を向いた。
「それじゃあレオン。私はサキさんと二人で話をしたいから、どこかで時間を潰していなさい」
「え?」
「えっ⁉︎」
レオンさんと二人で驚いたが声のトーンに明らかに差が生まれるくらい私は驚いてしまった。
「……わかったよ」
あっさりわからないでよレオンさん!
私は内心そう思いながら小動物のような目をレオンさんに向けるが、レオンさんはちょっと眉をひそめながらごめんってアイコンタクトで言って庭を出て行った。
そして残される私とクリスティ様。
「とりあえず座りましょうか」
「はい……」
とりあえず二人で席につき、じいやさんが紅茶を淹れてカップを私の前に置いてくれた。
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