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10章
母の悩み
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「改めて、急に呼び出したりしてごめんなさい。気を使わせてしまいました」
「い、いえ! そんなことないです」
「今日お招きしたのはサキさんに頼みたいことがあったのです」
た、頼みたいこと……? いったいなんだろう。
クロード家といえば四公爵家の中で一番の戦闘技術を誇る家。当然国に関わる軍事的こともまず最初に声が掛かるのがクロード家なわけで……。あ、もしかして新規の魔法武器の件とか?
それとも……まさかいい加減自由にしてるレオンさんをつ、連れ戻したいとか⁉︎
そ、それは困る!
「あの……」
「レ、レオンさんはもう私たちにとってはいてくれなきゃ困るんです!」
「は、はぁ」
「で、ですからレオンさんの貴族家としての時間は確保しますので、何卒! 何卒レオンさんはアメミヤ工房にいてもいいようにしてください!」
私は机に頭をぶつけるギリギリまでビュンっと頭を下げた。
「あ、頭を上げてください。何か思い違いをしているようですが、私はレオンのことを家に縛り付けるようなお願いをしようとしているのではありません」
「え? そうなんですか?」
私は恐る恐る頭を上げると難しい表情をしたクリスティ様の顔があった。
も、もしかして……私また早とちりでやらかした⁉︎
「すすす、すみません! 私また変なことを!」
私は再び頭をビュンっと下げた。
私の騒がしい様子を見てクリスティ様はクスクスと笑っていた。
「サキさんは思ったよりも賑やかな人なのですね」
「す、すみません……」
クリスティ様はひとしきり笑い終えてから紅茶を一口飲んで口を開いた。
「今日お呼びしたのは他でもありません。普段のレオンのことをお聞きしたくてきていただきました」
「普段のレオンさん?」
「はい。その……お恥ずかしい話なのですが、私は母親としてあの子たちのことをちゃんと見ていれてあげられていません……だから、身近な友人に我が子の様子を聞くことくらいしかできない」
え、えっと……つまり母親として子供の様子を聞きたいと?
そんなことあるの? あの凛としたクリスティ様がそんなアットホームな悩みあるの?
いやいや、悩みは人それぞれ。そうとなれば、私のやるべきことは一つ!
「レオンさんはいつも頼りになるんです! たまに一人で抱えすぎちゃうところもあるけど、そこがみんなのためだってわかるし、そういうところもかっこいいし……あと……それから……!」
そこからは私とレオンさんのこれまでのことやお店でどんなことをしているかとかを存分に、熱量を上げて語り尽くした。
「い、いえ! そんなことないです」
「今日お招きしたのはサキさんに頼みたいことがあったのです」
た、頼みたいこと……? いったいなんだろう。
クロード家といえば四公爵家の中で一番の戦闘技術を誇る家。当然国に関わる軍事的こともまず最初に声が掛かるのがクロード家なわけで……。あ、もしかして新規の魔法武器の件とか?
それとも……まさかいい加減自由にしてるレオンさんをつ、連れ戻したいとか⁉︎
そ、それは困る!
「あの……」
「レ、レオンさんはもう私たちにとってはいてくれなきゃ困るんです!」
「は、はぁ」
「で、ですからレオンさんの貴族家としての時間は確保しますので、何卒! 何卒レオンさんはアメミヤ工房にいてもいいようにしてください!」
私は机に頭をぶつけるギリギリまでビュンっと頭を下げた。
「あ、頭を上げてください。何か思い違いをしているようですが、私はレオンのことを家に縛り付けるようなお願いをしようとしているのではありません」
「え? そうなんですか?」
私は恐る恐る頭を上げると難しい表情をしたクリスティ様の顔があった。
も、もしかして……私また早とちりでやらかした⁉︎
「すすす、すみません! 私また変なことを!」
私は再び頭をビュンっと下げた。
私の騒がしい様子を見てクリスティ様はクスクスと笑っていた。
「サキさんは思ったよりも賑やかな人なのですね」
「す、すみません……」
クリスティ様はひとしきり笑い終えてから紅茶を一口飲んで口を開いた。
「今日お呼びしたのは他でもありません。普段のレオンのことをお聞きしたくてきていただきました」
「普段のレオンさん?」
「はい。その……お恥ずかしい話なのですが、私は母親としてあの子たちのことをちゃんと見ていれてあげられていません……だから、身近な友人に我が子の様子を聞くことくらいしかできない」
え、えっと……つまり母親として子供の様子を聞きたいと?
そんなことあるの? あの凛としたクリスティ様がそんなアットホームな悩みあるの?
いやいや、悩みは人それぞれ。そうとなれば、私のやるべきことは一つ!
「レオンさんはいつも頼りになるんです! たまに一人で抱えすぎちゃうところもあるけど、そこがみんなのためだってわかるし、そういうところもかっこいいし……あと……それから……!」
そこからは私とレオンさんのこれまでのことやお店でどんなことをしているかとかを存分に、熱量を上げて語り尽くした。
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