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おけいこのはじまり
04 もう、たまらない!
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ヤバい! と思うのとサキさんの手が伸びて来てハンドルを急に切るのとが同時だった。車はキレイにターンはした。が、余力があり過ぎて横倒しになり、一回転して、元通りに、なった。
バンッ!
エアバッグが膨らみ、スミレの身体は瞬間的にシートに押し付けられた。オープンの車のリアからガードバーが自動的に瞬時に立ち上がっていて、搭乗者を守ってくれていた。
「大丈夫か!」
放心しているスミレの頬が軽く叩かれる。サキさんの顔を見上げているうちに、安堵と、どうしようもない昂奮とが立ち昇って来る。
「なんてこった・・・」
あんぐりと口を開けたまま放心しているスミレの顔を覗き込んでいたサキさんは、やがて、くっくっ、と笑いはじめ、それが大笑いとなって深夜の山々にこだました。
「あーはははっ! 最高だ。最高だよ、スミレ!」
そう言ってギコギコなるドアをこじ開けて助手席を降り車を見て一言、言った。
「買ったばっかりだったのになあ、ベッコベコだ」
そしてスマートフォンを取り出すと、何処かに電話し始めた。
「あ、サキです。車一台持ってきて。場所、GPSでトレースしてるよね。・・・了解」
そして運転席でまだ放心中のスミレを見下ろした。
「一時間で代車が来る。それまで休憩しよう」
へ?
ほおおおおおーっ・・・。
顔を引きつらせて固まっていたスミレは、ようやく我を取り戻した。
その直後、恐怖と昂奮が混じり合ったようなものが身体を震わせ、痙攣させた。
自分は確実に死の淵にいた。そしてそこから生還した。
その記憶に、言いようのない生理的昂奮、快感を覚えてしまっていた。
数秒か、数十秒か、数分か。
サキさんに名を呼ばれるまで、スミレはこの昂奮に、浸った。
「スミレ! どうした。ちょっと立ってみて」
サキさんに手を取られ、開かないドアを跨いで車を降りた。美しかった銀色のボディーはベコベコとギザギザで台無しになっていた。しかし、自分は何ともない。多少膝が震えるが、しっかり地面に立てている。
自分は、生きている。
昂奮が過ぎ去ると、死の縁を垣間見てそこから生還した歓びが、快感を増幅した。
サキさんの顔がスミレを覗き込んだ。冷たい手が、火照った頬を包んだ。
「言っただろ。おまじないが過ぎると、利かないって」
優しいキスが舞い降りる。それが、スミレの昂奮に、さらに油を注ぎ、火をつける。
いきなりサキさんの身体を車のボディーに押し付け、猛烈なキスの雨を降らす。
彼の革ジャンの下の白いTシャツを捲り上げて、筋肉質の肌を露出させ、筋肉の割れた肌に指を伝わせ、乳首に舌を這わせて、思い切り吸った。ハイウェイの暴走から始まって峠道の攻め、そしてクラッシュ。元はと言えば、彼の裸体を見せられた時から、散々に焦らされ、お預けされていたようなものだ。
「ワザとでしょ」
興奮し次第に荒くなってゆく息を抑えつけながら、スミレは抗議しつつ、愛撫をやめない。
「ワザと、あんなアブナイ運転して、こんなに昂奮させて、車まで・・・。なんて人なの? 信じられない・・・」
「でも、気持ちよかったろ? 今、昂奮してるって言ったよな?」
「もしかして、わたしを昂奮させるために、ここまでのことを? やっぱり、信じられない」
質問に答えずに笑っている憎たらしい口を、もう一度塞ぐ。舌を絡ませ、唾液を吸う。
もう、ガマンできない。女からとか、はしたないとか、そんなのどうでもいい。彼のジーンズの上から股間を撫でる。それははち切れんばかりに、膨らんでいる。人並外れて大きいことが、触れた感じでわかる。いや、ショーツに包まれたそれは、もうすでに見ていた。ジッパーを下ろし、直接触れ、撫でたくてたまらなくなっている。
「おろしちゃいますよ」
サキさんの瞳を肉食獣のように睨みつけながら、ジッパーを下ろす。下りるのが待ちきれないように、それはムクムクと、張り出してくる。ベルトのバックルを外し、ボタンを外す。もう、先端がショーツのゴムを押し上げて、顔を出しているのが、駐車場の暗い灯火の灯りに浮かび上がっている。そこに手を伸ばした。
「やれやれ。とんだ『お姫様』だな。完全にぶっ飛んじゃってるじゃないか」
サキさんの軽口を聞き流し、その凶器のような彼のものをさらにシゴき上げる。
「もしかして、シタいの?」
「当たり前でしょ!」
もう、欲しくて堪らなくなっていた。当然のようにあけすけな言葉を吐いた。
「もう感じちゃってる?」
サキさんの手が短いドレスの裾からスミレのそこに伸びた。そこはもう、ちょっと触れられただけでも電気が走るほどに敏感になり、溢れてくるのがわかるほどに、夥しく、濡れていた。
「スゴいね。ほんとに女子高生?」
そんなサキさんの嘲笑を無視してシゴく手にさらに力を籠める。もう片方の手でショーツのゴムを噛んで下ろす。目の前数センチに、その凶悪で巨大な肉の凶器が現れる。スミレが今まで経験したどの男のそれよりも、それは巨きかった。先端から傘のように広がり、傘の縁と茎の段差が大きなしろものだった。この地球上のものとは思われない、まるでエイリアンだ。
もう、ガマンの限界だった。
ボンネットに押し付けたサキさんによじ登るようにして跨り、ショーツを脱ぐのももどかしくクロッチをずらしただけでそれを迎え入れようとした。
「いいけどさ、それ以上進むと、もう後戻りできなくなるよ。キミはボクから離れられなくなる。それでも、いいの?」
ボンネットの上に寝そべるようにして不適に微笑むサキさんが憎たらしいほどに欲しかった。だから、彼の言葉も、無視した。
「んああーっ!」
なんだ、これ!
思わず漏らした喘ぎが夜の山に響いた。
スミレのそこを突き破って呑んだそれは肉の棒ではなく、杭だった。
あまりの衝撃にしばらく口が閉じられなかった。開けたまま、わなわなと顎が、唇が震える。その凶悪な肉棒は、スミレのヴァギナの入り口を、襞をメリメリ押し広げて奥の奥まで、突いた。快感を感じる前に恐怖が先立った。
「んんんっ、ああっ! お、っきい・・・、んんんっ!」
あまりの圧迫感に息もできない。そんなに奥まで男を迎え入れたのは、初めてかもしれない。杭はそこでとどまり、しばらくして、やっと息をする自由が生まれた。
「はあーっ、・・・はあーっ・・・」
思わず、サキさんの身体に抱きついていた。彼の身体からは、得も言われぬ香ばしい枯草の匂いがした。
「まだ、全部じゃないんだけど」
「え? ウソ・・・ん、あ、あ、ああーっ! う、動かないでああっ!」
彼はそのままスミレを抱きかかえ、態勢をくるっと入れ替えて上になった。
車に押し付けられるのはスミレの方になった。ドレスの裾がさらに捲り上げられ、片方の脚を抱えられ、それはさらに奥へ入ってきて杭の先が奥の奥、子宮の入り口を潰した。
サキさんの背中にまわしていた腕を放し、車のボディーに突いた。本能的に危険を感じたのかも知れない。彼の凶悪な肉の杭の刺激から逃れようと、車のボディの上へ逃れようとした、らしい。しかし、それは、無駄だった。黒いブーツの先がピンと突き上げられ、震えた。
「ぐ、あああーっ!」
「これで、全部だよ」
「うむっ・・・、んんんんっ!」
「ここまで責められたのは、初めて?」
「ああーっ! 喋らないで、奥に、響くゥ・・・うう・・・」
「そんなこと聞いたら、余計に喋りたくなる」
サキさんは、正真正銘の、サディストだった。
「うああっ、ひ、酷いぃ・・・うう・・」
「お前、あのセレブ社会で、有名だぞ。ん?」
「ああーっ!」
「タチバナ家の末娘は、不良で、淫乱だって、んん?」
「お願い、喋らないで、抜いてぇ・・・」
「あのなあ、僕はまだ、挿入れただけで、少しも動かしてないんだぞ。ちょっとは辛抱しろ。じきに、びっくりするくらい、気持ち良くなるから」
「ああーっ、やめて・・・、許してえ・・・」
「もっと叫べばいい。こんな夜中で、こんな山奥だ。その辺にいるのはクマかキツネかタヌキぐらいのモンだ。・・・感度がいいんだな、お前は。しかし、その割に、イカないな」
「まだ、わからないから、ああん・・・」
「イクのがわからないのか。まだ、イッたことがないのか」
「わかんない、ああーっ・・・」
「じゃあ、これが初体験になるな。じっくり、味わえ。どうせ、言いたいこと言われてるんだ。この際、極めろ。誰も敵わない、淫乱メス犬になれ。んん? 返事は?」
「ああーっ!」
「ああ、じゃわからない。僕のスレイヴになるためについてきたんだろ。
それがイヤなら今から家に帰れ。どうするんだ。僕のスレイヴになりたいのか、家に帰りたいのか」
「家はイヤーん、もう、戻りたくないぃ。・・・なります、サキさんの、スレイヴになりたいですう・・・んん、ああーっ」
「じゃあ、イカせてやる。大金持ちの娘なのに、初めてのエクスタシーが、山の中のボロ車のそばで青姦でなんて、皮肉だな。ほら、イケっ!」
サキさんのを深く呑んだまま、腰が強引に揺り動かされる。それだけで、膣と子宮の奥から生まれた強烈な刺激が全身を駆け巡り、スミレは生まれて初めてのエクスタシーを迎えた。
「・・・う、あああああーっ、・・・・・・・・・・っく、うう、うう、ううう」
股間から肉の杭が抜かれる。杭の傘が襞を掻き起す、ズルルルっという刺激だけで、スミレは更なる小さな高みを感じた。膝に力が入らない。喪失感が物凄かった。その場に頽れた。しかしすぐに立たされ、車に這わされた。ショーツを下ろされ、丸出しのお尻を突き出すように。
パン!
お尻をイヤというほど張られた。
「あああーっっっ!・・・」
「僕がイクまで気を抜くな。お前はスレイヴ見習いだろう。スレイヴはな、マスターの快楽を第一に考えるんだ。返事は!」
「・・・ハイ、・・・ハイぃ・・・ああ」
まだ全然呼吸も整わないうちに、再びヴァギナに杭を打ち込まれた。
「うあああーっ! あ、あ、あ、あ、ああーっ!」
膣が、子宮が、先刻の刺激が最上級の快感であることを覚えている。潤滑油がじわじわと染み出て来て這入ってくる杭の傘が襞の一枚一枚をめくり上げるのを助けている。さっきよりもはっきりと感じるのはそのせいだ。杭はただ一直線にではなく、スミレのポイントを探るように少しずつ角度を変えてゆっくりと、来る。まだ温かいボンネットの上にピッタリ手のひらを張り付け、痛みにも似た快感を耐えた。
「はあーん、ああーん、ダメ、ダメえーん、そこォーっ!」
ドレスが捲り上げられ、彼の指が性器の結合部からどんどん分泌される愛液を掬い取り、包皮を剥き、直にクリトリスを刺激する。もう一方の手がブラジャーをずり上げ、豊満な乳房を鷲掴み、揉みしだき、乳首を転がした。
自分の身体を自在にいいように翻弄する謎の男。次第に傾倒し、依存し、ひれ伏したくなっている自分がいる。杭がさっき届いた深奥に、また達した。
「どうだ、気持ちいいか」
「うぐああっ!・・・ああーっ、ああーっ、ああああーっ、」
「気持ちいいか、気持ち良くないのか。ハッキリ、声に、言葉にしろ。感じること、気持ちいいことは全部」
「まだ、もうちょっと、待って、きもち、気持ちくて、ああっ!」
「どんなふうに。ジンジンか。ビンビンか。蕩けそうなのか。頭の後ろに響くのか。何でもいいから、快感に形と色を与えるんだ。言葉にしろ」
「ああ、ジンジンとビン、ビビ、来るっ、ああっ、蕩ける、蕩けるよォ、気持ちい、気持ちいいよおっ! うう、あああーん」
「今度は動かすからな」
「ちょ、ちょっと、ああーん、ダメダメダメ、それーっ! ああ、ああ、あああーっ!」
打たれるより、抜かれる方が数倍快感を掘り起こした。抜かれる途中で二度目の絶頂を迎えてしまった。身体を背中をお尻を痙攣が走る。杭が完全に抜かれた時、透明だった愛液がすこし白く濁り、溢れ、太腿の途中まで垂れた。
「あおあーん、はあ、はあ・・・はあーん」
「どうだ。また込み上げてきたろう・・・、あれ?」
「・・・え?」
「マズいな。面倒なものが来ちまった」
遠くから瞬く赤色とエンジンの音が響いてきた。
サキさんは脱ぎかけのスミレのショーツをスルスルと脱がすと、その辺の石を拾ってそれに包み、エイヤーっと暗い森の奥に投げ飛ばした。
バンッ!
エアバッグが膨らみ、スミレの身体は瞬間的にシートに押し付けられた。オープンの車のリアからガードバーが自動的に瞬時に立ち上がっていて、搭乗者を守ってくれていた。
「大丈夫か!」
放心しているスミレの頬が軽く叩かれる。サキさんの顔を見上げているうちに、安堵と、どうしようもない昂奮とが立ち昇って来る。
「なんてこった・・・」
あんぐりと口を開けたまま放心しているスミレの顔を覗き込んでいたサキさんは、やがて、くっくっ、と笑いはじめ、それが大笑いとなって深夜の山々にこだました。
「あーはははっ! 最高だ。最高だよ、スミレ!」
そう言ってギコギコなるドアをこじ開けて助手席を降り車を見て一言、言った。
「買ったばっかりだったのになあ、ベッコベコだ」
そしてスマートフォンを取り出すと、何処かに電話し始めた。
「あ、サキです。車一台持ってきて。場所、GPSでトレースしてるよね。・・・了解」
そして運転席でまだ放心中のスミレを見下ろした。
「一時間で代車が来る。それまで休憩しよう」
へ?
ほおおおおおーっ・・・。
顔を引きつらせて固まっていたスミレは、ようやく我を取り戻した。
その直後、恐怖と昂奮が混じり合ったようなものが身体を震わせ、痙攣させた。
自分は確実に死の淵にいた。そしてそこから生還した。
その記憶に、言いようのない生理的昂奮、快感を覚えてしまっていた。
数秒か、数十秒か、数分か。
サキさんに名を呼ばれるまで、スミレはこの昂奮に、浸った。
「スミレ! どうした。ちょっと立ってみて」
サキさんに手を取られ、開かないドアを跨いで車を降りた。美しかった銀色のボディーはベコベコとギザギザで台無しになっていた。しかし、自分は何ともない。多少膝が震えるが、しっかり地面に立てている。
自分は、生きている。
昂奮が過ぎ去ると、死の縁を垣間見てそこから生還した歓びが、快感を増幅した。
サキさんの顔がスミレを覗き込んだ。冷たい手が、火照った頬を包んだ。
「言っただろ。おまじないが過ぎると、利かないって」
優しいキスが舞い降りる。それが、スミレの昂奮に、さらに油を注ぎ、火をつける。
いきなりサキさんの身体を車のボディーに押し付け、猛烈なキスの雨を降らす。
彼の革ジャンの下の白いTシャツを捲り上げて、筋肉質の肌を露出させ、筋肉の割れた肌に指を伝わせ、乳首に舌を這わせて、思い切り吸った。ハイウェイの暴走から始まって峠道の攻め、そしてクラッシュ。元はと言えば、彼の裸体を見せられた時から、散々に焦らされ、お預けされていたようなものだ。
「ワザとでしょ」
興奮し次第に荒くなってゆく息を抑えつけながら、スミレは抗議しつつ、愛撫をやめない。
「ワザと、あんなアブナイ運転して、こんなに昂奮させて、車まで・・・。なんて人なの? 信じられない・・・」
「でも、気持ちよかったろ? 今、昂奮してるって言ったよな?」
「もしかして、わたしを昂奮させるために、ここまでのことを? やっぱり、信じられない」
質問に答えずに笑っている憎たらしい口を、もう一度塞ぐ。舌を絡ませ、唾液を吸う。
もう、ガマンできない。女からとか、はしたないとか、そんなのどうでもいい。彼のジーンズの上から股間を撫でる。それははち切れんばかりに、膨らんでいる。人並外れて大きいことが、触れた感じでわかる。いや、ショーツに包まれたそれは、もうすでに見ていた。ジッパーを下ろし、直接触れ、撫でたくてたまらなくなっている。
「おろしちゃいますよ」
サキさんの瞳を肉食獣のように睨みつけながら、ジッパーを下ろす。下りるのが待ちきれないように、それはムクムクと、張り出してくる。ベルトのバックルを外し、ボタンを外す。もう、先端がショーツのゴムを押し上げて、顔を出しているのが、駐車場の暗い灯火の灯りに浮かび上がっている。そこに手を伸ばした。
「やれやれ。とんだ『お姫様』だな。完全にぶっ飛んじゃってるじゃないか」
サキさんの軽口を聞き流し、その凶器のような彼のものをさらにシゴき上げる。
「もしかして、シタいの?」
「当たり前でしょ!」
もう、欲しくて堪らなくなっていた。当然のようにあけすけな言葉を吐いた。
「もう感じちゃってる?」
サキさんの手が短いドレスの裾からスミレのそこに伸びた。そこはもう、ちょっと触れられただけでも電気が走るほどに敏感になり、溢れてくるのがわかるほどに、夥しく、濡れていた。
「スゴいね。ほんとに女子高生?」
そんなサキさんの嘲笑を無視してシゴく手にさらに力を籠める。もう片方の手でショーツのゴムを噛んで下ろす。目の前数センチに、その凶悪で巨大な肉の凶器が現れる。スミレが今まで経験したどの男のそれよりも、それは巨きかった。先端から傘のように広がり、傘の縁と茎の段差が大きなしろものだった。この地球上のものとは思われない、まるでエイリアンだ。
もう、ガマンの限界だった。
ボンネットに押し付けたサキさんによじ登るようにして跨り、ショーツを脱ぐのももどかしくクロッチをずらしただけでそれを迎え入れようとした。
「いいけどさ、それ以上進むと、もう後戻りできなくなるよ。キミはボクから離れられなくなる。それでも、いいの?」
ボンネットの上に寝そべるようにして不適に微笑むサキさんが憎たらしいほどに欲しかった。だから、彼の言葉も、無視した。
「んああーっ!」
なんだ、これ!
思わず漏らした喘ぎが夜の山に響いた。
スミレのそこを突き破って呑んだそれは肉の棒ではなく、杭だった。
あまりの衝撃にしばらく口が閉じられなかった。開けたまま、わなわなと顎が、唇が震える。その凶悪な肉棒は、スミレのヴァギナの入り口を、襞をメリメリ押し広げて奥の奥まで、突いた。快感を感じる前に恐怖が先立った。
「んんんっ、ああっ! お、っきい・・・、んんんっ!」
あまりの圧迫感に息もできない。そんなに奥まで男を迎え入れたのは、初めてかもしれない。杭はそこでとどまり、しばらくして、やっと息をする自由が生まれた。
「はあーっ、・・・はあーっ・・・」
思わず、サキさんの身体に抱きついていた。彼の身体からは、得も言われぬ香ばしい枯草の匂いがした。
「まだ、全部じゃないんだけど」
「え? ウソ・・・ん、あ、あ、ああーっ! う、動かないでああっ!」
彼はそのままスミレを抱きかかえ、態勢をくるっと入れ替えて上になった。
車に押し付けられるのはスミレの方になった。ドレスの裾がさらに捲り上げられ、片方の脚を抱えられ、それはさらに奥へ入ってきて杭の先が奥の奥、子宮の入り口を潰した。
サキさんの背中にまわしていた腕を放し、車のボディーに突いた。本能的に危険を感じたのかも知れない。彼の凶悪な肉の杭の刺激から逃れようと、車のボディの上へ逃れようとした、らしい。しかし、それは、無駄だった。黒いブーツの先がピンと突き上げられ、震えた。
「ぐ、あああーっ!」
「これで、全部だよ」
「うむっ・・・、んんんんっ!」
「ここまで責められたのは、初めて?」
「ああーっ! 喋らないで、奥に、響くゥ・・・うう・・・」
「そんなこと聞いたら、余計に喋りたくなる」
サキさんは、正真正銘の、サディストだった。
「うああっ、ひ、酷いぃ・・・うう・・」
「お前、あのセレブ社会で、有名だぞ。ん?」
「ああーっ!」
「タチバナ家の末娘は、不良で、淫乱だって、んん?」
「お願い、喋らないで、抜いてぇ・・・」
「あのなあ、僕はまだ、挿入れただけで、少しも動かしてないんだぞ。ちょっとは辛抱しろ。じきに、びっくりするくらい、気持ち良くなるから」
「ああーっ、やめて・・・、許してえ・・・」
「もっと叫べばいい。こんな夜中で、こんな山奥だ。その辺にいるのはクマかキツネかタヌキぐらいのモンだ。・・・感度がいいんだな、お前は。しかし、その割に、イカないな」
「まだ、わからないから、ああん・・・」
「イクのがわからないのか。まだ、イッたことがないのか」
「わかんない、ああーっ・・・」
「じゃあ、これが初体験になるな。じっくり、味わえ。どうせ、言いたいこと言われてるんだ。この際、極めろ。誰も敵わない、淫乱メス犬になれ。んん? 返事は?」
「ああーっ!」
「ああ、じゃわからない。僕のスレイヴになるためについてきたんだろ。
それがイヤなら今から家に帰れ。どうするんだ。僕のスレイヴになりたいのか、家に帰りたいのか」
「家はイヤーん、もう、戻りたくないぃ。・・・なります、サキさんの、スレイヴになりたいですう・・・んん、ああーっ」
「じゃあ、イカせてやる。大金持ちの娘なのに、初めてのエクスタシーが、山の中のボロ車のそばで青姦でなんて、皮肉だな。ほら、イケっ!」
サキさんのを深く呑んだまま、腰が強引に揺り動かされる。それだけで、膣と子宮の奥から生まれた強烈な刺激が全身を駆け巡り、スミレは生まれて初めてのエクスタシーを迎えた。
「・・・う、あああああーっ、・・・・・・・・・・っく、うう、うう、ううう」
股間から肉の杭が抜かれる。杭の傘が襞を掻き起す、ズルルルっという刺激だけで、スミレは更なる小さな高みを感じた。膝に力が入らない。喪失感が物凄かった。その場に頽れた。しかしすぐに立たされ、車に這わされた。ショーツを下ろされ、丸出しのお尻を突き出すように。
パン!
お尻をイヤというほど張られた。
「あああーっっっ!・・・」
「僕がイクまで気を抜くな。お前はスレイヴ見習いだろう。スレイヴはな、マスターの快楽を第一に考えるんだ。返事は!」
「・・・ハイ、・・・ハイぃ・・・ああ」
まだ全然呼吸も整わないうちに、再びヴァギナに杭を打ち込まれた。
「うあああーっ! あ、あ、あ、あ、ああーっ!」
膣が、子宮が、先刻の刺激が最上級の快感であることを覚えている。潤滑油がじわじわと染み出て来て這入ってくる杭の傘が襞の一枚一枚をめくり上げるのを助けている。さっきよりもはっきりと感じるのはそのせいだ。杭はただ一直線にではなく、スミレのポイントを探るように少しずつ角度を変えてゆっくりと、来る。まだ温かいボンネットの上にピッタリ手のひらを張り付け、痛みにも似た快感を耐えた。
「はあーん、ああーん、ダメ、ダメえーん、そこォーっ!」
ドレスが捲り上げられ、彼の指が性器の結合部からどんどん分泌される愛液を掬い取り、包皮を剥き、直にクリトリスを刺激する。もう一方の手がブラジャーをずり上げ、豊満な乳房を鷲掴み、揉みしだき、乳首を転がした。
自分の身体を自在にいいように翻弄する謎の男。次第に傾倒し、依存し、ひれ伏したくなっている自分がいる。杭がさっき届いた深奥に、また達した。
「どうだ、気持ちいいか」
「うぐああっ!・・・ああーっ、ああーっ、ああああーっ、」
「気持ちいいか、気持ち良くないのか。ハッキリ、声に、言葉にしろ。感じること、気持ちいいことは全部」
「まだ、もうちょっと、待って、きもち、気持ちくて、ああっ!」
「どんなふうに。ジンジンか。ビンビンか。蕩けそうなのか。頭の後ろに響くのか。何でもいいから、快感に形と色を与えるんだ。言葉にしろ」
「ああ、ジンジンとビン、ビビ、来るっ、ああっ、蕩ける、蕩けるよォ、気持ちい、気持ちいいよおっ! うう、あああーん」
「今度は動かすからな」
「ちょ、ちょっと、ああーん、ダメダメダメ、それーっ! ああ、ああ、あああーっ!」
打たれるより、抜かれる方が数倍快感を掘り起こした。抜かれる途中で二度目の絶頂を迎えてしまった。身体を背中をお尻を痙攣が走る。杭が完全に抜かれた時、透明だった愛液がすこし白く濁り、溢れ、太腿の途中まで垂れた。
「あおあーん、はあ、はあ・・・はあーん」
「どうだ。また込み上げてきたろう・・・、あれ?」
「・・・え?」
「マズいな。面倒なものが来ちまった」
遠くから瞬く赤色とエンジンの音が響いてきた。
サキさんは脱ぎかけのスミレのショーツをスルスルと脱がすと、その辺の石を拾ってそれに包み、エイヤーっと暗い森の奥に投げ飛ばした。
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