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引き戻された現実世界
かつての晩餐………じゃない
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目を開けば右手には芋焼酎のロックでは無くウサギ柄のピンクの茶碗に入った白米。目の前には2日目の肉じゃがと浅漬け。
そして膝に………カメリアは居ませんでした。
それにここは、あのアパートじゃありません。
見慣れた実家のリビングでした。
なぜ?
リセットしたって言っていた意味と、目の前の懐かしい光景に頭が混乱していました。
獣人の世界でも、死ぬ直前でもない場所。
やっぱり、あの発光体ってポンコツなんじゃないの?
「桜姫!ぼぉ~っとしてないで、早く ご飯を食べちゃいなさい!!」
考え事をする私に声をかけたのは、若返った母親でした。
正面には新聞を読んでいる父親が座っている。
その隣には中学校に上がると天国に旅だった祖母が、お茶を啜っていました。
ここは子供………いや、私が小学生くらい頃に戻っている様でした。
なぜ?(本日2回目)
父親が持っているのは朝刊なので、出勤前みたいです。
よく見ると私は見慣れない黒いセーラー服みたいな制服を着ていました。
「あんたは来月から、大学までエスカレーター式の お嬢様学校で有名な小学校に通うのね」
マジで?
お嬢様学校?
普通に公立に通ってましたけど何か?
来月から小学校という事は、今の私は5歳です。
「早く食べないと、近所の小百合ちゃんが迎えに来ちゃうでしょう!」
いやいやいやいや!ご近所の幼なじみは男だったし!!
やっぱりポンコツ決定だわ!人の過去を勝手に変えやがって!!ポンコツ発光体が!!!
でも…………祖母が生きている。
私は優しく、茶目っ気たっぷりの祖母が大好きだった。
女の子は18歳から歳を取らないと言って、いつもオシャレに気を使う乙女だった。
今も襟元をリボンみたいに結んだドレスシャツに、淡い萌葱色のカーディガンを着て、メイクもバッチリです。綺麗に背筋が伸び、歳をとっても美人で白い髪を綺麗に短くカットされている。
私の憧れの女性です。
「お迎えのバスが来る場所まで一緒に行くって約束したんでしょう?昨日の夜に言っていたじゃないの」
「ふふふふっ良い女とは相手を待たせるものよ。慌てず騒がず、朝ご飯はしっかり食べていきなさい。外でガッツくのは格好が悪いでしょう」
「お姉様、今日もカッコイイ♡」
お祖母ちゃんと呼ぶと返事をしない上に、仕返しがえげつない。だから、お姉様と呼んでいました。
気を取り直して、とりあえず目の前の朝食を片付ける事にしました。
懐かしい母親の味を堪能して、小さな靴を履くと、母親に渡されたポシェットみたいな幼稚園バックを斜め掛けにする。
お嬢様学校だけあって、幼稚園の制服も可愛らしいです。
幼稚園児向けなのか胸のリボンが大き目めだし、帽子の唾も大きめなので鏡で確かめると自画自賛出来るレベルの美少女に見えました。
制服効果ヤベぇ。
「さ~く~ら~ちゃ~ん♪」
この可愛らしい天使の呼び声は、もしかしなくても小百合ちゃん?
「は~ぁ~い♪」
返事をしながら背伸びしてドアノブを回して外に出れば、超絶美少女の幼稚園児が笑顔で手を振っていました。
黒い髪を三つ編みして、顔の半分は目か?ってくらい大きな目に長い睫毛。
天使か?!!
一緒に居る母親らしき女性も、童顔なのか若々しい美女です。可愛らしい雰囲気は親子だなぁ~って思います。
「今日はね、パパが車で送ってくれるって」
父親とは女子校で用務員として働いていると獣人の時に聞いていたけど、ちょっと影があるイケメンさんです。
大きな白いワンボックスカーが止まってる。
「ママ、いってきます」
「気を付けて行ってきなさい」
優しい手が頭を撫で、懐かしい暖かさに涙が出そうです。折角だから、満喫しようかと思う。
母親の脚に抱き着いて、石鹸の混じった懐かしい匂いに胸いっぱいに吸い込んで甘えてみる。
「いってきます♡」
「早く帰ってきなさい」
「は~い」
小走りで小百合ちゃんの元に向かおうと足を踏み出す。
また子供から、やり直しみたいです。
そして膝に………カメリアは居ませんでした。
それにここは、あのアパートじゃありません。
見慣れた実家のリビングでした。
なぜ?
リセットしたって言っていた意味と、目の前の懐かしい光景に頭が混乱していました。
獣人の世界でも、死ぬ直前でもない場所。
やっぱり、あの発光体ってポンコツなんじゃないの?
「桜姫!ぼぉ~っとしてないで、早く ご飯を食べちゃいなさい!!」
考え事をする私に声をかけたのは、若返った母親でした。
正面には新聞を読んでいる父親が座っている。
その隣には中学校に上がると天国に旅だった祖母が、お茶を啜っていました。
ここは子供………いや、私が小学生くらい頃に戻っている様でした。
なぜ?(本日2回目)
父親が持っているのは朝刊なので、出勤前みたいです。
よく見ると私は見慣れない黒いセーラー服みたいな制服を着ていました。
「あんたは来月から、大学までエスカレーター式の お嬢様学校で有名な小学校に通うのね」
マジで?
お嬢様学校?
普通に公立に通ってましたけど何か?
来月から小学校という事は、今の私は5歳です。
「早く食べないと、近所の小百合ちゃんが迎えに来ちゃうでしょう!」
いやいやいやいや!ご近所の幼なじみは男だったし!!
やっぱりポンコツ決定だわ!人の過去を勝手に変えやがって!!ポンコツ発光体が!!!
でも…………祖母が生きている。
私は優しく、茶目っ気たっぷりの祖母が大好きだった。
女の子は18歳から歳を取らないと言って、いつもオシャレに気を使う乙女だった。
今も襟元をリボンみたいに結んだドレスシャツに、淡い萌葱色のカーディガンを着て、メイクもバッチリです。綺麗に背筋が伸び、歳をとっても美人で白い髪を綺麗に短くカットされている。
私の憧れの女性です。
「お迎えのバスが来る場所まで一緒に行くって約束したんでしょう?昨日の夜に言っていたじゃないの」
「ふふふふっ良い女とは相手を待たせるものよ。慌てず騒がず、朝ご飯はしっかり食べていきなさい。外でガッツくのは格好が悪いでしょう」
「お姉様、今日もカッコイイ♡」
お祖母ちゃんと呼ぶと返事をしない上に、仕返しがえげつない。だから、お姉様と呼んでいました。
気を取り直して、とりあえず目の前の朝食を片付ける事にしました。
懐かしい母親の味を堪能して、小さな靴を履くと、母親に渡されたポシェットみたいな幼稚園バックを斜め掛けにする。
お嬢様学校だけあって、幼稚園の制服も可愛らしいです。
幼稚園児向けなのか胸のリボンが大き目めだし、帽子の唾も大きめなので鏡で確かめると自画自賛出来るレベルの美少女に見えました。
制服効果ヤベぇ。
「さ~く~ら~ちゃ~ん♪」
この可愛らしい天使の呼び声は、もしかしなくても小百合ちゃん?
「は~ぁ~い♪」
返事をしながら背伸びしてドアノブを回して外に出れば、超絶美少女の幼稚園児が笑顔で手を振っていました。
黒い髪を三つ編みして、顔の半分は目か?ってくらい大きな目に長い睫毛。
天使か?!!
一緒に居る母親らしき女性も、童顔なのか若々しい美女です。可愛らしい雰囲気は親子だなぁ~って思います。
「今日はね、パパが車で送ってくれるって」
父親とは女子校で用務員として働いていると獣人の時に聞いていたけど、ちょっと影があるイケメンさんです。
大きな白いワンボックスカーが止まってる。
「ママ、いってきます」
「気を付けて行ってきなさい」
優しい手が頭を撫で、懐かしい暖かさに涙が出そうです。折角だから、満喫しようかと思う。
母親の脚に抱き着いて、石鹸の混じった懐かしい匂いに胸いっぱいに吸い込んで甘えてみる。
「いってきます♡」
「早く帰ってきなさい」
「は~い」
小走りで小百合ちゃんの元に向かおうと足を踏み出す。
また子供から、やり直しみたいです。
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