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乱立するイベント
有言実行の魔道士
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『隙あらばキスする』の宣言通り、ゼロはキス魔なの?と疑いたくなるくらい、人目を忍んで唇を奪われていた。
ある時は職員室に提出するノートを一緒に運んだ帰りに、人が居ないことを確認してキスされた。
またある時は掃除当番でゴミを捨てに行く時に、廊下の影に連れ込まれてキスされた。
キスの回数が増える度に、ラフレアがゼロに近寄れなくなり、彼女も焦り始めていました。
唯一触れたモーガンも、マルガリータとのエロハプニングを重ねる毎に、何故か近寄れなくなっている。
それに比例してマルガリータへの当たりが強くなっていました。
なんだかラフレアの首の魔法とは関係ない気がします。
「…………考え事?」
落ち着きたくて放課後の図書館で本を読みながら、物思いに耽っていると、いつの間にかゼロが隣に座りながら、私の顔を覗き込んでいました。
「あっ…………ラフレアの手が弾かれるのが、首の魔法とは関係ない気がするのですわ」
「…………無関係だけど、リリアーヌとキスする度に、ラフレアが僕に近寄れる距離が遠くなっているよ。可愛いリリアーヌにキスするだけで、ドブ臭いラフレアを遠ざけられるなんて、今までの苦労がなんだったんだ?って思うよ」
「その………キスは困るわ」
「なんで?」
「他に好きな人がいるから」
「…………いいんじゃない?」
「へぇ?」
ビックリしながら隣に座るゼロを見ると、掠めるようにキスされた。
「貴族が夫以外のお抱え魔道士や商人と不倫するなんて日常茶飯事だよね」
確かによく聞く話だけど、私にもしろと?
「そんな器用な事は出来ないわ」
「リリアーヌがする必要は無いよ。僕が勝手にするから」
「そんな不誠実な事をゼロに出来ないわ………って勝手に?」
「王宮から時々派遣される魔道士が、旦那が不在の時に、綺麗な奥様に手を出すだけたから」
開いた口が塞がらない。
「王宮魔道士が結婚しない理由って知ってる?」
フルフルと首を横に振る。
「王宮に召し抱えられる時に取るんだよ…………睾丸を。機能は残るけど、繁殖能力が無くなるんだ。精子には大量の魔力が含まれていて、その影響が強過ぎて、反対に作用する事が多くて産まれてくる子供が奇形児か全く魔力を持ち合わせない確率が高いんだ。魔法を取るか、男としての生活を取るかの選択に迫られる」
ふっとデズモンド先生を思い出した。
出会った頃よりも、より中性的な顔立ちに変わっていたけど、生殖機能を手放した影響なのかしら?
でも、もしかしてラフレアと公開SEXして処刑された男は性犯罪者だから、その弟が再起するには魔道士しか無かったのかも知れません。
血の滲む様なので努力をして、限られた選択肢の中から魔道士を選択せざるおえなかったデズモンド先生を思うと居た堪れない。
デズモンド先生には関係ないけど、性犯罪者の身内として、城に戻って来るのは大変だった筈です。
「僕は王宮魔道士になる。だからエッチしても子供が出来ないから安心安全だよ」
「サラっと爆弾発言なさらないで?!」
「そうかな?好きな人と心置き無くエッチしても、気持ちよくなるだけで証拠すら残らないんだよ。僕は結婚を諦めても、好きな人に触れる事まで諦めるつもりは無いから」
ゼロの手が私の頬を優しく撫で、幸せそうに目を細めている。
「僕は欲張りなんだ。魔道士の道も好きな女性を抱く権利も……………どっちも手に入れるつもりだからね」
「待って………そんな」
「否定しないで?僕はリリアーヌの魔道士になる事を諦めないから」
ゼロがキスをすると席を立った。
「今はキスだけで我慢するけど、リリアーヌが結婚したら覚悟してね。僕は本気でリリアーヌを愛すから」
私は図書館から出て行くゼロの後ろ姿を黙って見送る事しか出来ませんでした。
ある時は職員室に提出するノートを一緒に運んだ帰りに、人が居ないことを確認してキスされた。
またある時は掃除当番でゴミを捨てに行く時に、廊下の影に連れ込まれてキスされた。
キスの回数が増える度に、ラフレアがゼロに近寄れなくなり、彼女も焦り始めていました。
唯一触れたモーガンも、マルガリータとのエロハプニングを重ねる毎に、何故か近寄れなくなっている。
それに比例してマルガリータへの当たりが強くなっていました。
なんだかラフレアの首の魔法とは関係ない気がします。
「…………考え事?」
落ち着きたくて放課後の図書館で本を読みながら、物思いに耽っていると、いつの間にかゼロが隣に座りながら、私の顔を覗き込んでいました。
「あっ…………ラフレアの手が弾かれるのが、首の魔法とは関係ない気がするのですわ」
「…………無関係だけど、リリアーヌとキスする度に、ラフレアが僕に近寄れる距離が遠くなっているよ。可愛いリリアーヌにキスするだけで、ドブ臭いラフレアを遠ざけられるなんて、今までの苦労がなんだったんだ?って思うよ」
「その………キスは困るわ」
「なんで?」
「他に好きな人がいるから」
「…………いいんじゃない?」
「へぇ?」
ビックリしながら隣に座るゼロを見ると、掠めるようにキスされた。
「貴族が夫以外のお抱え魔道士や商人と不倫するなんて日常茶飯事だよね」
確かによく聞く話だけど、私にもしろと?
「そんな器用な事は出来ないわ」
「リリアーヌがする必要は無いよ。僕が勝手にするから」
「そんな不誠実な事をゼロに出来ないわ………って勝手に?」
「王宮から時々派遣される魔道士が、旦那が不在の時に、綺麗な奥様に手を出すだけたから」
開いた口が塞がらない。
「王宮魔道士が結婚しない理由って知ってる?」
フルフルと首を横に振る。
「王宮に召し抱えられる時に取るんだよ…………睾丸を。機能は残るけど、繁殖能力が無くなるんだ。精子には大量の魔力が含まれていて、その影響が強過ぎて、反対に作用する事が多くて産まれてくる子供が奇形児か全く魔力を持ち合わせない確率が高いんだ。魔法を取るか、男としての生活を取るかの選択に迫られる」
ふっとデズモンド先生を思い出した。
出会った頃よりも、より中性的な顔立ちに変わっていたけど、生殖機能を手放した影響なのかしら?
でも、もしかしてラフレアと公開SEXして処刑された男は性犯罪者だから、その弟が再起するには魔道士しか無かったのかも知れません。
血の滲む様なので努力をして、限られた選択肢の中から魔道士を選択せざるおえなかったデズモンド先生を思うと居た堪れない。
デズモンド先生には関係ないけど、性犯罪者の身内として、城に戻って来るのは大変だった筈です。
「僕は王宮魔道士になる。だからエッチしても子供が出来ないから安心安全だよ」
「サラっと爆弾発言なさらないで?!」
「そうかな?好きな人と心置き無くエッチしても、気持ちよくなるだけで証拠すら残らないんだよ。僕は結婚を諦めても、好きな人に触れる事まで諦めるつもりは無いから」
ゼロの手が私の頬を優しく撫で、幸せそうに目を細めている。
「僕は欲張りなんだ。魔道士の道も好きな女性を抱く権利も……………どっちも手に入れるつもりだからね」
「待って………そんな」
「否定しないで?僕はリリアーヌの魔道士になる事を諦めないから」
ゼロがキスをすると席を立った。
「今はキスだけで我慢するけど、リリアーヌが結婚したら覚悟してね。僕は本気でリリアーヌを愛すから」
私は図書館から出て行くゼロの後ろ姿を黙って見送る事しか出来ませんでした。
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