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毛皮と筋肉
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羽付き白虎が2人の神官を侍られていたのは、僅かな日数でした。
ムキムキが聖者として勇者のお供に選ばれたのです。
「聖獣のビアンカよりも勇者に魔王討伐させる事を優先させるとは、教会も舐めた真似を」
怒りに震えるアンちゃん。
「そもそもヤル気のない魔王を討伐する意味が分かりません。危機とは無縁の平和を乱すだけの行為に吐き気がします」
すっかり あちしやアンちゃんに毒され馴染んだ、繊細な雰囲気のイケメン聖者のラファエルは、聖獣のお世話係兼王妃秘書をしている。
『無意味な魔王討伐を見張るためにムキムキ聖者のジュブナイルが付いて行くんだよ。いざとなったらジュブナイルと あちしが止める算段だからね』
「やはりビアンカが説得したのね」
『うん。状況は逐一報告してれる約束になっているよ。中からジュブナイルが見張り、外から私が監視するの』
体は小さいけど魔法も使えるし、隠密行動は得意分野でした。
それに飛べるから、お空の散歩中に色々と見えたり聞こえるから情報通なのです。
今日もパタパタと闇夜に紛れて飛び回る。
時間が限られているので、速攻で勇者達が寝泊まりしている宿に到着しました。
舞踏会だの夜会だの、アンちゃんが忙しい夜の日課となっていました。
私の目的は勇者御一行の動向をアンちゃんに報告する事です。
ジュブナイルの部屋の窓を叩いても………手がモフモフで音が出ない!?なぜ?!
仕方なく爪でカリカリ音を立てても、暑苦しいまでに汗だくで、ひたすら腹筋をする筋肉バカには聞こえない。
チッキショー!
それなら奥の手だ!
キィーーーーーッ
爪でガラスを引っ掻き背中をゾワゾワってとさせる音が出すと、上半身裸のジュブナイルが背中をさするように身震いしている。
「ビアンカ様~っ?!それは反則ですよ」
苦笑いしながら窓を開けてくれた。
『だって~っ白い毛が邪魔で叩いても音が出ないんだもん』
「何か他の方法も考えますか」
『それより勇者達は?ヤル気0の職務怠慢魔王の討伐にノリノリなの?』
今の魔王は人間を襲う気すらない。
逆に面倒事は勘弁して欲しいと、魔族達を抑え統率する逸材なのです。
『今の状態を崩すのは怖いよね』
「ですね。新たな魔王が、また人間に友好的とは限りませんからね」
『って言うか………夜中に筋トレ?暑苦………むさ苦……………………あれだ』
「どれですか?!筋肉を笑うものは、筋肉に泣きますよ!」
『えぇ~っ?!』
おもむろにフワフワBODYをモフモフし始める。
「これは筋肉とは無縁そうな我儘BODY」
『ジュブナイル………セクハラの刑で食い殺すよ。硬くて不味そうだけど』
「はははっ!負けませんよ」
いやいや!一緒に熱い汗をかこうって誘いじゃないから!!
戦わないし!手合わせとか面倒臭いから!!
それに肉食わんし!
なぜか、お腹が減らないんだよねえ………ジュブナイルも知っているから余裕か?!余裕があるからニヤついているのか!!?
「それよりも、勇者は魔王よりも気になる存在がアンダルシア王妃とビアンカ様みたいですよ」
『あちし?なぜに??』
小首をかしげると、大きな手にワシワシと揉み撫でられた。
『い~や~っ!乙女の肉………もとい毛皮を揉まないで~っ!』
「至福」
『アホか!汗臭い手で触んな!!』
「でも本気で抵抗しないビアンカ様が可愛いらしいですよ」
『ば~か!』
「はははっ王妃様の前では、モフれませんからな」
ラファエルといい、ジュブナイルといい、アンちゃんの目を盗んでモフモフとセクハラしやがって!
気持ちイイやら、恥ずかしいやらで息も絶え絶えです………ぐったり。
『もう………ジュブナイルには声掛けない』
「なっ!?そんな殺生な!」
『やかましい!無駄に体力を消費させんな!!』
「グッ。申し訳ございません」
『筋肉バカに全力でモフられたら、こっちの身がもたないじゃん!手加減しろよ!』
「手加減しますから、お許し下さい」
『………次は無いから』
「善処します」
『「………」』
善処とは改善されるか微妙だと言うことです。
ジト目でジュブナイルを見上げながら、舌打ちした。
『………チッ「我慢します!」』
「可愛いらしいビアンカ様に舌打ちされると泣きそうです」
『泣けば「泣きませんけどね!」』
「『………』」
この攻防戦は日常茶飯事でした。
『勇者がアンちゃんに興味があるのは美女だから?それとも王妃だから?』
「どうやらビアンカ様の飼い主としての様です。教会から派遣される形でビアンカ様と過ごした事が有ると言ったところ………物凄い勢いで食い付いてきて、根掘り葉掘り聞かれて、正直に言うと疲れました」
ジュブナイルを疲れさせるとは、かなりの強者の様です。
『とりあえず帰る』
「お気を付けて」
『うぃ』
無駄に疲れたので大人しく帰ることにしました。
ムキムキが聖者として勇者のお供に選ばれたのです。
「聖獣のビアンカよりも勇者に魔王討伐させる事を優先させるとは、教会も舐めた真似を」
怒りに震えるアンちゃん。
「そもそもヤル気のない魔王を討伐する意味が分かりません。危機とは無縁の平和を乱すだけの行為に吐き気がします」
すっかり あちしやアンちゃんに毒され馴染んだ、繊細な雰囲気のイケメン聖者のラファエルは、聖獣のお世話係兼王妃秘書をしている。
『無意味な魔王討伐を見張るためにムキムキ聖者のジュブナイルが付いて行くんだよ。いざとなったらジュブナイルと あちしが止める算段だからね』
「やはりビアンカが説得したのね」
『うん。状況は逐一報告してれる約束になっているよ。中からジュブナイルが見張り、外から私が監視するの』
体は小さいけど魔法も使えるし、隠密行動は得意分野でした。
それに飛べるから、お空の散歩中に色々と見えたり聞こえるから情報通なのです。
今日もパタパタと闇夜に紛れて飛び回る。
時間が限られているので、速攻で勇者達が寝泊まりしている宿に到着しました。
舞踏会だの夜会だの、アンちゃんが忙しい夜の日課となっていました。
私の目的は勇者御一行の動向をアンちゃんに報告する事です。
ジュブナイルの部屋の窓を叩いても………手がモフモフで音が出ない!?なぜ?!
仕方なく爪でカリカリ音を立てても、暑苦しいまでに汗だくで、ひたすら腹筋をする筋肉バカには聞こえない。
チッキショー!
それなら奥の手だ!
キィーーーーーッ
爪でガラスを引っ掻き背中をゾワゾワってとさせる音が出すと、上半身裸のジュブナイルが背中をさするように身震いしている。
「ビアンカ様~っ?!それは反則ですよ」
苦笑いしながら窓を開けてくれた。
『だって~っ白い毛が邪魔で叩いても音が出ないんだもん』
「何か他の方法も考えますか」
『それより勇者達は?ヤル気0の職務怠慢魔王の討伐にノリノリなの?』
今の魔王は人間を襲う気すらない。
逆に面倒事は勘弁して欲しいと、魔族達を抑え統率する逸材なのです。
『今の状態を崩すのは怖いよね』
「ですね。新たな魔王が、また人間に友好的とは限りませんからね」
『って言うか………夜中に筋トレ?暑苦………むさ苦……………………あれだ』
「どれですか?!筋肉を笑うものは、筋肉に泣きますよ!」
『えぇ~っ?!』
おもむろにフワフワBODYをモフモフし始める。
「これは筋肉とは無縁そうな我儘BODY」
『ジュブナイル………セクハラの刑で食い殺すよ。硬くて不味そうだけど』
「はははっ!負けませんよ」
いやいや!一緒に熱い汗をかこうって誘いじゃないから!!
戦わないし!手合わせとか面倒臭いから!!
それに肉食わんし!
なぜか、お腹が減らないんだよねえ………ジュブナイルも知っているから余裕か?!余裕があるからニヤついているのか!!?
「それよりも、勇者は魔王よりも気になる存在がアンダルシア王妃とビアンカ様みたいですよ」
『あちし?なぜに??』
小首をかしげると、大きな手にワシワシと揉み撫でられた。
『い~や~っ!乙女の肉………もとい毛皮を揉まないで~っ!』
「至福」
『アホか!汗臭い手で触んな!!』
「でも本気で抵抗しないビアンカ様が可愛いらしいですよ」
『ば~か!』
「はははっ王妃様の前では、モフれませんからな」
ラファエルといい、ジュブナイルといい、アンちゃんの目を盗んでモフモフとセクハラしやがって!
気持ちイイやら、恥ずかしいやらで息も絶え絶えです………ぐったり。
『もう………ジュブナイルには声掛けない』
「なっ!?そんな殺生な!」
『やかましい!無駄に体力を消費させんな!!』
「グッ。申し訳ございません」
『筋肉バカに全力でモフられたら、こっちの身がもたないじゃん!手加減しろよ!』
「手加減しますから、お許し下さい」
『………次は無いから』
「善処します」
『「………」』
善処とは改善されるか微妙だと言うことです。
ジト目でジュブナイルを見上げながら、舌打ちした。
『………チッ「我慢します!」』
「可愛いらしいビアンカ様に舌打ちされると泣きそうです」
『泣けば「泣きませんけどね!」』
「『………』」
この攻防戦は日常茶飯事でした。
『勇者がアンちゃんに興味があるのは美女だから?それとも王妃だから?』
「どうやらビアンカ様の飼い主としての様です。教会から派遣される形でビアンカ様と過ごした事が有ると言ったところ………物凄い勢いで食い付いてきて、根掘り葉掘り聞かれて、正直に言うと疲れました」
ジュブナイルを疲れさせるとは、かなりの強者の様です。
『とりあえず帰る』
「お気を付けて」
『うぃ』
無駄に疲れたので大人しく帰ることにしました。
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