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最愛の人※

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部屋の中にいても猛烈に漂ってくるむせ返るような甘い香りに抗うことができず、私は扉へと走った。

この匂いは絶対にそうだ!
私の本能がそうだと告げている。


扉を開けた先には私の選んだ美しい装束を身に纏った人がいた。
確かにこの匂いは彼から出ている。


彼だ!!
彼が私の運命だったのだ。

この匂いを誰にも嗅がせたくない。
これは私だけのものだ!

一目散に彼に駆け寄れば、甘い匂いに爆発しそうになる。
すでに私も発情してしまっているな。

このままだとここで犯してしまうかもしれない。
私は急いで彼を抱き上げようとしたその時、彼はあまりにも激しいヒートに耐えきれず、意識を手放した。

目を瞑る直前に美しい声で私の名を呼んでから……。


「私たちから離れろっ!!! 部屋には絶対立ち入るでないぞ!!
もし、邪魔をしたものがいれば、即刻首を刎ねる!!! よいなっ!!」


私はそう叫んで、彼をつれ自室へと戻った。

彼の父親の話では、彼は発情はしないと言っていた。
Ωとしては欠陥品なのだと。
だからこそ遊ぶ分にはちょうどいい。
そう言われて、まだ見も知らぬ彼が可哀想に思えた。

父親にこうまで言われ、離れでひとりで生活をしているという彼が私には可哀想で仕方がなかったのだ。

家族である父親にそんなふうに虐げられながらひとり寂しく生活するよりはここの方がまだ少しはましだろう。
そう思って彼の父親の提案を呑んだのだが、まさかその彼が私の運命の相手だとは思いもしなかった。

きっと彼は、私と巡り合うその日のためにフェロモンに蓋をしていてくれていたのだろう。
そうか、彼は私のためだけにその操を守り続けていたのだな。

そう考えると彼が愛おしくてたまらない。

私は彼を抱きしめたまま、ベッドに腰を下ろし閉じられたままの瞳を見続けた。

すぐにでも犯してしまいたい。
そう本能が告げている。
だが、初めてなのだ。

だからこそ、口づけをしてから交わりたい。

瑞季ルェイジー、そろそろ目覚めてその綺麗な瞳を私に見せてくれないか?」

彼の耳元でそう囁くと、私の声に反応したのかゆっくりと瞼が開いていく。
本当に美しい瞳だ。
その瞳に私が映っている。
それだけでこんなにも幸せに感じるのは私たちが運命で結ばれたものだからなのか。

「だ、れ……?」

小鳥の囀りのような声に身体が熱くなる。
もう私の限界も近いな。

「ふふっ。声も可愛いのだな。瑞季ルェイジー、私は其方の夫だぞ」

「お、っと……? えっ? しゅ、こうてい……?」

「確かにそうだが、瑞季ルェイジーには名を呼んで欲しいな。私の名は哉藍セイランだ。ほら、呼んで見てくれ」

「せ、セイラン……」

「ああ、名を呼ばれることがここまで嬉しいとは……。私は幸せだな」

「あ、あの……わたし……は、なに、がどうなって、るのか……」

「ふふっ。そうだな。ゆっくり教えてやろう。一度交わってからな」

もう私の我慢も限界だからな。
えっ? と聞き返そうとしている言葉は、私の唇で閉じ込めてやった。

「んっ」

口付けも初めてなのだろう、初心うぶ瑞季ルェイジーは驚いて唇を開いた。
ふふっ。ちょうどいい。
私はその隙間を縫うように自分の舌を滑り込ませた。
甘い唾液があまりにも美味しくて、瑞季ルェイジーの唾液を全て吸いとってしまいそうになる。
私の激しい口付けに瑞季ルェイジーは必死についてこようとしている。
その直向きな感じが愛おしくてたまらない。
クチュクチュとわざと甘い水音を立てながら、舌に絡みつき舐め尽くしていくと瑞季ルェイジーは口付けだけでぐったりとしてしまった。

ふふっ。本当に可愛らしい。
口付けだけですっかり力が抜けてしまった瑞季ルェイジーの服を手早く脱がし、一糸纏わぬ姿にしてやると、さらに甘い香りが私を誘う。

「ああ、いい香りだ。こんなにも芳しいとはな」

瑞季ルェイジーの首筋に顔をくっつけスンスンと匂いを嗅ぐ。
それだけで私の昂りは天を向いて聳り立つのだ。

小さくて可愛い耳をぺろりと舐めると、『ひゃっ――』と可愛い声をあげた。

「ふふっ。感じてくれているのだな。嬉しいよ」

瑞季ルェイジーが感じてくれていることに喜びながら、ぷっくりと膨らんだ乳首に食らいつく。
舌先でコロコロ転がし、軽く噛んでやると瑞季ルェイジーの小さな身体がピクンと跳ねる。

まるでウサギのようだな。

右手を瑞季ルェイジーの太ももから後孔へと移動させると、ヌルヌルとした感触を感じた。
ああ、これならすぐに私を受け入れられるだろう。

指先をプツリと挿入いれると、中は熱く蕩けていて私の指に吸い付いてくる。

それだけで気持ちいいのだから私の昂りを挿入てやったらどれほど気持ちがいいのだろう。
想像もつかないほどの快感に胸を震わせながら、

瑞季ルェイジー、君の全てをもらうぞ」

と耳元で囁いて、私の昂りをググッと押し当てた。

「あ、ああっ――っ!」

瑞季ルェイジーの熱く蕩けた蜜壺は私の昂りを一切拒むことなく受け入れ、あっという間に最奥へと導いた。
と同時に瑞季ルェイジーのモノから可愛い蜜がピュルピュルと弾けた。

ふふっ。なんと可愛らしい射精だ。

私はその蜜を指で掬い上げ、瑞季ルェイジーに見せつけるように全て舐めとると、瑞季ルェイジーは真っ赤な顔をさらに赤くしながら、

「せ、いらん……すき……で、す……」

と呟いた。

「くっ――!!」

思いがけない瑞季ルェイジーからの愛の言葉に私は理性を失った。

瑞季ルェイジーの蜜壺を貫いた昂りを一気に引き抜き、また最奥まで突き入れると瑞季ルェイジー

「ああっ……ん、やぁ……は、げしぃ……」

と言いながらも恍惚とした表情で私を見つめる。

ああ、もう瑞季ルェイジーは私だけのものだ。
絶対に誰にも触れさせはしない。

湧きあがった独占欲を爆発させるように私は瑞季ルェイジーの腰を掴み、ガツガツと腰を振り続けた。

瑞季ルェイジーは私のものだ!」

そう宣言しながら、瑞季ルェイジーの頸をガブリと噛み付いた。

「ひゃあぁぁーーーっ!!」

瑞季ルェイジーの叫びと共に今まで感じていたよりももっともずっと強く甘い香りが伝わってくる。

私はその匂いを纏わせながら瑞季ルェイジーの最奥に思いっきり精液を撒き散らした。

ビュルビュルドクドクビュー

いつまで続くのだろうと思うほど射精が止まらない。
やはり運命を前にしては私の昂りも蜜壺から出たくないのだろう。

ようやく止まったのを感じて、私はそっと瑞季ルェイジーの蜜壺から昂りを引き抜いた。
しかし、

「やぁ……っ、ぬか、ないで……、もっと、なかに、いて……」

涙目でそう懇願する瑞季ルェイジーを見れば、ここで止めるなどできるわけがない。
いや、元々終わるつもりなどさらさらなかったのだからな。

「ああ、もっと食べさせてあげよう」

そう耳元で囁いて、今引き抜いたばかりの昂りを甘い匂いの立ち昇る瑞季ルェイジーの蜜壺へと押し込み、それから何度も何度も瑞季ルェイジーの蜜壺の最奥に精液を叩きつけてやった。


途中瑞季ルェイジーに口移しで食事と飲み物を与えながら、そこから5日間ベッドの上だけで2人っきりの時間を過ごした。

少し匂いが治まってきたな。
そろそろヒートが終わるころか。

だんだんと正気に戻ってきた瑞季ルェイジーが急に恥ずかしそうに布団に潜り込む。
もう全てを知った仲だというのになんと可愛い仕草なのだろう。

瑞季ルェイジー、可愛い顔を隠さないでくれ」

「せ、哉藍セイラン……だって私、あんなに淫らになってしまって……はしたないって思われそうで……」

「ふふっ。瑞季ルェイジー、何を言っているんだ? 瑞季ルェイジーは私の前だけあんな姿を見せられるんだ。私だけが特別な証拠だぞ」

哉藍セイラン……私を一生愛してくれますか?」

「ああ、私は瑞季ルェイジー、お前だけのものだよ。愛している」


これがヒート時の戯れでないことは私にも瑞季ルェイジーにもわかっている。
なんせ、フェロモンの出ないはずの瑞季ルェイジーがこんなにも発情してくれたのだからな。

私たちは運命のつがい

皇妃となった瑞季ルェイジーはいつかきっと私の子を孕むだろう。


その前に不要な後宮ハーレム瑞季ルェイジーの目に触れる前にさっさと解散させねばな。
元々名ばかり後宮ハーレムだ。
誰にも触れようとも思わなかったのは瑞季ルェイジーに出会う日を私も待っていたかもしれぬな。

ああ、瑞季ルェイジー
私の運命。
私は本当に幸せ者だ。
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