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コスプレで大変身!?

16:衣装の採寸をしよう!

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配信も終わり、お風呂に入ってゆっくりしていると、一通のメールが届いた。

件名:コスプレ衣装の件について
本文:前言っていたコスプレの衣装についてだけど、衣装を作ってくれるメーカーさんが優希くんの採寸をしたいらしくて優希くんが大丈夫だったらお願いしたいんだけど大丈夫かな?
採寸の対応してくれるのは、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、福岡なら確実なんだけど。
もちろん無理強いはしないから暇だったら次の土日にお願いしたいな。
もし近くに住んでるんだったら迎えに行けるんだけど、どこの地方なら行けるか教えて貰えないかな?

僕が今住んでいるのは名古屋なので、名古屋なら行けると薫さんに返信をした。

そう言われると僕も薫さんがどの辺に住んでるのか全く知らなかったな。

------
「あっ、もう返信来た。」
私は優希くんの配信後に作業に戻っていて仕事のイラストの仕上げをしていた。

「名古屋なら行けるんだ、って名古屋!?」
何を隠そう私の今住んでいる場所も名古屋なのだ。

「もう、運命としか思えないよぉぉぉ!」
もう仕事に手も付けられない状態に戻ってしまった私は大急ぎで返信をした。

------
僕がパジャマに着替えているとまた薫さんから返信が来た。

件名:Re:Re:コスプレ衣装の件について
本文:こんな偶然ってあるんだね、実は私も名古屋なんだ。
私も土日に衣装データの納品をしないといけないからよかったら一緒に向かわないかな?
名古屋駅で待ってくれたら私が車で拾っていくよ?

薫さんもなんと名古屋住みだったらしく、お迎えまでしてくれると言う。

なんだか悪い気がするので移動は自分ですると伝えるとまたすぐに返事が来た。

件名:Re:Re:Re:Re:コスプレ衣装の件について
本文:もののついでだから大丈夫だよ?
お姉さんに任せて!ねっ!

そこまで言われると断るのも悪い気がしてきたから、結果一緒に行くことになった。

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「やった!!!」
優希くんを無事に説き伏せる事が出来た私の気分はもう最高潮だった。

あとは約束の日まで待つだけ。
その前に残っている仕事を全力で片付け、その日が来るのを楽しみにしていた。

------
土曜日になり、今僕は名古屋駅で薫さんを待っていた。

僕の着ている服の写真を送り、銀時計の前でぼーっと立っていると
「もしかして優希くん、ですか?」

そう僕を呼ぶ声が聴こえたので声の方へ顔を向けると
目の前には暗めのミルクティーベージュのロングヘアーの美人なお姉さんがいた。

「えっ、えっとそう、です。」
「無事に会えて良かった。
車駐車場に停めてるからいこっか?」

「は、はい。」
流されるままに僕は車に乗った。

「えっと、一応車の中で申し訳ないんだけど私が柿崎ゆること、遊佐薫です、優希くんよろしくね?」
「は、はひっ!こちらこそ!姫村優希です、よろしくお願いしましゅ!」
あっ、思いっきり舌を噛んでしまった、物凄く恥ずかしい。

「っ!(なんでこんなに可愛いかなぁもう!?)」
「ご、ごめんなさい、舌噛んじゃいました・・・」

「大丈夫、初対面だと緊張するよね?」
「こんな歳になって恥ずかしいですけど・・・」

「気にしないでいいよ、落ち着いていこう?」
「ありがとう、ございます。」
優しく諭してくれたおかげか緊張も少し落ち着いてきた。

「ちょっと落ち着きました、ありがとうございます!」
「うん、それはよかった。」

それから10分ほど車に揺られていると大きなビルに到着した。

「ここが優希くんが着るコスプレというよりも衣装を作ってくれるメーカーさん、GloryCuteさんだよ。」
「僕女性服は流石に分からないですね・・・」

「あははっ、普通はそうだよね。
それじゃあ駐車場に車停めさせてもらおっか。」
「はい!」

そう言ってビルの横にある駐車場に車を停めて、ビルの中へ入っていった。

------
「こんにちは、面会の方でしたでしょうか?」
受付の女性がそう問いかける。

「こんにちは、私今日の15時から面会の予定を入れさせてもらっている遊佐薫と言います。」
受付の人の問いにしっかりと対応する姿は社会人なんだな、と実感する。
普段の配信の姿のイメージと違ってとても頼りになる人のように見える。

「遊佐様ですね、はい、確認の方取れましたのでご案内させていただきますね。」
「ありがとうございます、じゃ優希くんいこっか。」
「はい!」

受付の女性が僕達を先導しエレベーターで上の階に上がると部屋に通された。

「こちらでしばらくお待ちください、もう少ししたら担当の者が来ますので。」
「ありがとうございます。」
「ありがとうございます!」

そこから10分ほど待つとすらっとした背格好の男の人が入ってきた。

「あらー薫ちゃん久しぶりじゃなーい!」
「お久しぶりです、相変わらずですね先輩。」
その男の人はオネエさんだった。

「それでその子が言ってた子かしら?」
「そうなんです!可愛くないですか!」

「ふーむ、ふむ・・・」
オネエさんが僕をじーっと見つめてくる。

「アナタ、本当に性別偽ってないのよね?」
「は、はい。
生物学的にも男ですよ、一応。」

「信じられないわ・・・アナタモデルに興味ないかしら?」
「ちょっと先輩!」
薫さんがオネエさんにツッコミを入れた。

「あら、ごめんなさいね、アタシってば素材のいい子見つけるとついスカウトしちゃうクセがあって・・・」
「まぁ、気持ちは分からないでもないですけど。」
薫さんまで何を言っているんだろう?

「まぁいいわ、とりあえずウチのスタッフがそろそろ準備出来ると思うから隣の部屋にアナタは移動してもらえるかしら?えーっと名前は・・・」
「優希です!姫村優希って言います!」

「優希ちゃんね、可愛い名前じゃない。」
「ありがとうございます?」
これはお礼でいいのかな?褒められたんだよ、ね?

「それじゃ優希ちゃん、ここでスタッフの言うことに従ってくれたら直ぐに終わるからね。」
「はい!」
そして僕はスタッフさんのいる部屋へと入った。

「あら、キミが今回の採寸の子ね?パパっとやっちゃうからこっちにおいで!」
「はい!」

スタッフのお姉さんの手際はよく直ぐに採寸は終了した。

「ねぇ、キミ本当に男の子だったんだね・・・お化粧とか興味ない?可愛い服もここなら一杯あるよ!?」
「えっ?」
突然何を言っているんだろうこのお姉さん。

------遊佐薫視点------
「ねぇ、薫ちゃん。」
「先輩どうかしましたか?」

「あの子、マジでウチのモデルになってくれないかしら・・・」
「流石に女の子の格好させて雑誌に載るのは嫌がるんじゃないですかね?」
「まぁそうよねぇ。」

「あの子が可愛い服着たとこ見てみたいわぁ・・・」
遠い目をしながら彼はそう呟いた。
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