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 シュルト様の手をどけようとその手に自分の手をかけるが、私の力ではびくともしない。
 抵抗らしい抵抗が出来ぬままに、シュルト様の片手がわたしの片足を持ち上げ、大きくひらかせた。
 お尻に信じられないほどの熱さと硬さをもった何かがぬるぬるとすりつけられているのがわかる。

 世間知らずで処女である私であってもそれが何を示すのかはすぐに理解した。
 逃げなければと腰を動かすが、気が付いた時には私の柔らかい個所にその硬い先端が押し当てられて、入口を探すようにこすり付けられる。

「ん――――――んん――っ…!!」

 どうしてこんなことまでされなければいけないのだろう。
 悲しくて苦しくて理解できない。

「婚約破棄など言い出した罰だ」
「・・・・・・!!!」

 ずん、と鈍い痛みと衝撃を伴って体の中にそれが入り込んでくる。

 先程、散々に弄繰り回されたおかげか、叫ぶほどの痛みではないが、衝撃で息がうまくできない。苦しくてたまらないのに、シュルト様は遠慮なく腰を押し込んでくる。動かれるたびに、ずんずんと身体を割られるような錯覚に陥る。それを受け入れている場所に心臓が移ったみたいに、どくどくと激しく脈打っているような気さえした。

「ん、、んんんっ!!」
「ほら、もう半分も入ったぞ?ハジメテなのに上手に呑み込んだものだ」
「んん~~~~~~!!」

 シュルト様の声もどこか苦しそうだが、私はもうそれどころではない。痛い苦しい熱い。

「ほら、少し力を抜け」
「ひっ」

 私の口を押えていた手が離れ、新鮮な空気がようやく肺に届く。
 はぁはぁと荒い呼吸しかできず、私は悲鳴を上げるのも忘れて、この苦痛から逃げ出したくて体をよじるが、シュルト様はどこまでも残酷だ。

 逃げようとする私の身体はシュルト様の身体に引っ張られて、くるりとベッドのうつ伏せになるように押しつぶされる。

 彼の両手が腰を掴んでお尻を上げさせ、私の抵抗など知らないように腰を押し付けてきた。
 ずく、と何かが裂けたような音がして、シュルト様の熱が私のお尻にぴったりと張り付く。汗ばんだ肌と肌がくっつく感触に短い悲鳴が勝手に出た。

「あ、ああっ」
「ほら、全部入ったぞ?痛いか?苦しいか?」

 お腹の中が苦しくて痛い。私の中に収まっている大きくて硬い何かが、内側から私を焦がすほどに熱を放っている。

「やぁ、ひぅ、おっきぃ、くるしいぃよぉ」

 早く出て行って欲しくて力を込めると、それを締め付けてしまい形をはっきりと感じてしまう。自分の中に入っているのが信じられないほどの存在感だ。そこから体がどろどろに溶けだしそうに熱くてたまらない。

「これでお前は処女ではない。傷と違って時間が経ったところで消えないぞ。それでも俺と婚約破棄をするというのか?」
「あ、やぁ、やだぁ、ぬいてぇ、ぬいてぇ」
「まだ言うか」
「ひんっ!!」

 ず、と軽く抜かれてすぐに強く突き上げられる。ぱちん、と目の前に星が飛んだ気がした。私の反応が楽しかったのか、シュルト様は意地悪にもそれを繰り返す。
 ゆっくりと引き抜き、ずん、と根元まで一気に差し入れるのだ。

「や、だめ、ぬいちゃ、めくれ、めくれるから」

 あまりに大きなそれが抜けていくとき、自分がひっくり返りそうな恐怖が襲ってくる。

「抜いてほしくないのか?ずっと突っ込んでいてやろうか」
「ちが、ちがううぅ…」
「どっちもか?欲張りな奴だ。ほら」
「やぁぁぁっ」

 シーツに顔を押し付け、私は涎を垂らしながらシュルト様の抽挿に翻弄され続ける。
 ずるずるとわざとらしく抜ける寸前まで引き抜いたかと思えば、痛いほどに奥まで突き込まれる。

「やぁ、やぁだ、ぁぁぁ」

 抜けかける瞬間と奥を突かれる時、私の身体がおかしなほどに熱を持つ。嫌なのに、痛いのに、苦しいのに、シュルト様のそれが動くたびに、お腹の奥がジンジンして、口から甘ったるい声が出た。自分じゃないみたい。

「んっ、あっ、あっ」

 ぱちゅぱちゅといやらしい音が聞こえてくる。シュルト様の腰の動きが、激しいものからゆったりとしたものに変わったのだ。

「随分と覚えが良いな?もう気持ちよくなったのか」

 背中に覆いかぶさるように抱きしめられて腰を振られると、シュルト様を受けていているソコがジンジンと疼く。腰を動かしながらも、シュルト様は私の首筋に顔をうずめ、首筋や頬を舐めたり、後ろから回した手で私の胸をいたぶる。胸の先端を強く摘ままれると、私は反射的に彼を締めてしまう。

「やっ、だめ、だめぇ…なんでぇ」

 心と体がバラバラだ。シュルト様の変貌が理解できなくて、なんで私がこんな事をされているのかわからない。それなのに、身体は彼に塗り替えられていく。
 捨てようと思っていた恋心が暴れ狂って、どうしたらいいのかわからない。

「ひっ、、、ううう、ぐすっ」

 ずんずんと腰を打ちつけられながら、私はぐすぐずと泣き声を上げる。
 シュルト様の熱が動くたびにいやらしい声は出るし、身体は火照るのに、心の奥は凍えたままだ。

 酷い、悲しい、わからない。

「っ・・・・・・・・・泣くな!!」
「あっ!!」

 顎を掴まれ、無理矢理に顔を振り向かされる。
 苦しい体勢のまま、シュルト様が私の唇を乱暴に奪った。柔らかな舌が唇を舐めまわし、私の口の中で暴れる。

「んっ、んんんっむぅ」

 キスをされながら、腰の動きが早くなったり緩まったりとまるで私の反応を見るようなものに変わっていく。
 さっきまではあんなに勝手な動きだったのが嘘みたいだ。

「や、やぁぁぁつ」

 キスから解放され、ずんずんと柔らかいところばかりを突かれる。
 お腹の中のシュルト様の熱が私の弱い所を的確に責めたてるから、私はいつの間にか痛みや苦しみの事を考えられなくなっちゃう。

「だめ、だめっ、そこ、やっああんっ」

 角度を変えて突かれると、お腹の奥がじん、と痺れて頭の中が真っ白になりそうだ。

「ここか?だんだん締め付けが強くなってきたぞ。イクならイクとちゃんと言うんだ」
「ア、ああっ、いく、いきますうぅぅ」
「くっ……しまるっ!」
「ひっ!!!!」

 びくん、と体が大きく跳ねた。シュルト様を受けて入れているところの熱が全身に弾け飛ぶような衝撃。じんじんと熱いそこが震えて、シュルト様を締め付けているのがわかる。そしてシュルト様のそれも、ビクビク震えて私の中で喜んでいるみたいに跳ねている。お腹の中が熱くて苦しい。

「やぁ…」

 震えが治まるまで、シュルト様は私を背中からぎゅっと抱いたままでいてくれた。

「はぁ……っくうん」

 シュルト様の身体が離れて、同時にずるりと熱が抜け出ていくのがわかる。体の中にぽっかり穴が開いたみたいだ。

「アルリナ」

 肩を掴まれ、うつ伏せだった身体が天井に向けられる。
 もはや抵抗する力などないわたしはシュルト様のなすがままだ。

「あ、ぁ、シュル、ト、さまぁ」

 涙と汗で視界がぐしゃぐしゃでぼやけた世界にシュルト様の顔だけが見える。

 好きで、好きで、大好きで。
 勝手な恋心で追いかけて。いつも振り向いてくれないのが悲しかった人。

 諦めるって決めたのに、もうやめるって決めたのに。

「なんで」

 ぽつり、とこぼれた声にシュルト様が眉を寄せたのがわかる。

「いいか。お前は僕の婚約者だ。婚約破棄など許さない。処女ではないお前が他の男と結婚するなんて不可能なんだ。諦めろ」

 何を諦めろというのだろうか。私はとっくに諦めているのに。
 私の心だけではなく、身体までズタボロにして。

 悲しくて叫びたいのに声すら出なかった。
 近づいてくるシュルト様が、まるで恋人にするみたいな優しくて甘いキスをくれる。

 アルリナ、と私を呼ぶ声が甘くて優しくて。
 私は夢でも見ているのかと思いながら、目を閉じ、そのまま意識を手放した。
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