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190話「温室とドロシーとアルダ」▲(視点・ドロシー→ヒロヤ)

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 (ここが落ち着くのは、やっぱりわたしがエルフだからですよね)
 
 二階円筒部屋の温室でノーちゃんが運んでくれた紅茶を飲んでいた。
 紅茶を持ってきてくれた時に『リズさんにお客様が来たので、今夜の宴は開始が遅れる』と伝えてくれた。
 
(そもそも……集落を出て、祖父や父、兄と行商の旅についていったのも……木々や緑しかない世界から飛び出したかったからなのに……)
 
 カズミさんが、恐らくエルフであるわたしを思って設計してくれた温室。自分の部屋もあるのですが、そこは就寝の際に使用するだけで、もっぱら憩いの場所はこの温室です。
 『小鬼の森』に自生する植物が多いのですが、季節柄お花が無いのが寂しく感じます。
 
(花の種……サーシャさんにお願いするのもいいかもしれませんね)
 
 美味しい紅茶をひとくち飲み、ふぅ……とため息をひとつ。
 
 この温室は、大浴室に引いている源泉の通り道を利用して、こんな真冬でも25℃という温度を維持してます。なので、ショーツにブラだけという下着姿でも寛げるのです。ちなみに、サーシャさんが村に持ち込んだ交易品から、わたしが買い付けた可愛い下着の中でも一番のお気に入りなのです。
 
(まだ……ですかね……)
 
 今日は朝にお薬を飲んだのですが……『小鬼の森』からの帰還時から……その……ムラムラしてるのです。探索出発前々夜にめちゃめちゃに抱かれたのですが、流石に四日も経てばやっぱりヒロヤさんが欲しくなります。
 下腹部の淫紋は既に淡く輝きだしていて、その熱が全身を……思考を色欲へと引き摺り込んでいきます。
 
(早く……ヒロヤさんに……抱かれたい)
 
 緑の香りと、紅茶の香りを思い切り吸い込んで……わたしはなんとか気持ちを落ち着けました。
 
 ◆
 
「ドロシー……ちゃん?」
「あら、アルダさん」
 
 温室の入り口に現れた小柄な彼女も可愛らしい下着姿でした。
 
「なんか、一人で部屋に居るのが寂しくて……」
 
 わたしがお尻をずらして空いたベンチにちょこんと座るアルダさん。
 
「ほんとなら、ダンジョンで見つけた鉱石の精製があるから……アルダも帰んなきゃなんだけどね。エルダとメルダが『二人でやっとくから、ヒロくんところに泊まりなよ』って言ってくれて」
「今夜はみんなで抱かれるんですけど……アルダさん大丈夫?」
 
 わたしが訊ねると、すぐに顔を真っ赤にして俯いてしまいました。
 
「ご、ごめんなさい……アルダさん、まだ慣れてらっしゃらないから……その……」
「だ、だ、大丈夫だよ。ヒロくんはみんなの恋人だから、こういう事も覚悟……してたし」
「不安でしょうけど……みなさん優しいから」
「うん。……それに、アルダ自身……興味もあるから……」
 
 恥ずかしいのか、少し声が震えてますね。
 
「ヒロくんの事、好きになってからかな。……えっちな事ばかり考えちゃうようになって。こんなアルダ……嫌われちゃうかな?」
 
 顔をあげて、潤んだ瞳でわたしを見つめるアルダさん。……とても可愛らしいです。

「そんな事ないですよ。みんなえっちですから♡」
 
 そんなアルダさんの頬に手を添えて、わたしは微笑みます。
 
「わたしも……薬で抑えてますけど、いつも……いつでも、あの人に抱かれる事ばかり考えてます」
「でも……それは淫紋の……」
 
 アルダさんの言葉を、人差し指で制して首を振りました。
 
「わたしがヒロヤさんを想う気持ちに、淫紋は関係ありませんよ。彼に助け出されて『堕ちていく筈だった』運命から救ってもらい、そんな彼を愛した。だからヒロヤさんに淫紋を定着してもらった。確かに湧き上がる情欲は『淫紋これ』の力ですけど……その源泉は……わたしがヒロヤさんにいだく気持ちなのですから」
 
 わたしは下腹部を撫でた。いまでは愛おしいまでの存在になった『淫紋』。ヒロヤさんとの絆であり、わたしの想いをはっきりとこの身に伝えてくれる大切なもの。
 
「なんかいいな……リズも羨ましがっていたけど、わかる気がする。ほんとに『ヒロくんのもの』だもんねドロシーちゃんは」
「はい。淫紋これのおかげでわたしは『ヒロヤさんだけのもの』ですから」
「……チャンスがあったら……アルダも欲しいな」
 
 ほんとに羨ましそうにわたしの下腹部を見つめるアルダさん。
 
「気を付けてくださいね。わたしも……ヒロヤさんに定着してもらえるまでに……嫌な男に定着させられる危険もありましたから」
「それだよね。ヒロくん以外の男に……好きにされて……そのうえ一生いいように扱われるなんて、想像するだけで死にたくなっちゃうよ」
 
 オットーとの件は、本当に危なかった。色欲に支配された状態で、よく挿入に抗えたと自分でも思います。あのギリギリの状態で、色欲に溺れて抵抗できなかったら……挿入を許し、歓喜の喘ぎ声を上げていたら……
 いくら優しいヒロヤさんとはいえ、そんなわたしを助けてはくれなかったでしょう。
 そしてオットーに精を吐き出され……この淫紋は、そんな嫌悪する男に定着させられていた……
 
 わたしは、ギリギリで回避できた恐ろしい運命を想像して思わず身震いしました。
 
 ■□■□■□■□
 
「リズ、遅いね。どうしよう、もうドロシーとアルダ呼んじゃう?」
 
 なんとか復活したマルティナのお尻を撫でながら、カズミが俺に訊いてくる。
 そのマルティナは、俺の股間に顔をうずめて『お掃除フェラ』の真っ最中だ。
 
「そうだね……んちゅ♡『念話テレパシー』で呼ぶ? んっ♡ ヒロヤくん……もっと♡ きしゅ……♡」
「ん……直接呼んでくるよ。レナもマルティナも動けそうもないしね……」
 
 俺の唇を貪るのに夢中なレナを微笑ましく見つめて、カズミが大寝室を出ていった。
 
「ヒロヤ兄ちゃん……また、おっきくなってきたよ♡」
 
 マルティナの唾液にまみれた俺のペニスが、あっという間にその硬さを取り戻す。
 
「マルティナのフェラが上手いから。いつの間に練習したんだよ」
「レナ姉ちゃんの魔導具バイブで……ヒロヤ兄ちゃんに気持ち良くなって欲しいし♡」
 
 ──れろぉ♡
 
 舌全体で亀頭を舐め上げる。
 
「れなも……むちゅ♡ また欲しくなっちゃったけど ちゅっ♡ 順番守らなきゃ…… れろ♡」
「あたしも早く欲しいよぉ……♡」
「か、カズミもまだだしね。んむっ、ちょ、レナ激しい……むちゅ……」
「だって……じゅちゅ♡ れな、ずっと待ってたんだよ……じゅる♡ が、我慢してたんだからぁ……れろぉ♡」
 
 ……大事にしてた事が裏目にでたみたいだ。
 
「だから……今夜は……はむっ♡ もっとするのぉ……ぴちゃ♡ みんなに見られてもいいから……れな、ヒロヤくんにもっとしてもらうのぉ……じゅっ♡ じゅる♡ ずぞぉ♡」
「レナ姉ちゃんだけじゃないよ。あたしも、もっとしてもらうんだから♡ あ……レナ姉ちゃん!」
 
 股間から頭を起こし、俺とのキスに夢中になっているレナに詰め寄る。
 
「シール! 淫紋シール欲しい! 今夜はそれ貼ってみんなとえっちしたい!」
「ん……わかったよマルティナ……ちゅっ♡」
 
 ようやく、俺の唇から離れるレナ。名残惜しそうに舌先を伸ばすので、俺も舌を伸ばしてその可愛い舌に触れる。
 
「んあっ……♡ ちょっと取ってくるね」
 
 元気よくベッドから飛び降りて、大寝室を出ていくレナ。
 
「ヒロヤ兄ちゃん……次はあたしときしゅ……」
 
 マルティナの美味しそうなぽってり唇が迫ってきた。
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