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失い得るもの
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自分でも頭では分かっていたことだった。
けれど改めてアキラの口から聞かされることによって、ユウトは急激に心が軽くなるのを感じた。
「うん、そうだった。俺は今日ここへ、お前を『女』にする為に来たんだよな……もう大丈夫だ、ありがとうアキラ」
その言葉と笑顔に、アキラもほっと胸をなで下ろした。
自分を見つめるユウトの瞳。
そこにアキラは、先程とは違う『女』の姿をした自分を見た。
これから自分は、何があってもこの姿で生きていかなければならない。
それがユウトと生きていく上での、自分に課した条件。
ふと、アキラの顔から笑みが消えた。
「どうした……?」
「ねえユウト……女になる前に、オレの弱音も聞いてくれる?」
「当たり前だ、もちろん聞くよ」
すると唐突に、アキラはユウトの胸へぎゅっと顔を埋めてきた。
その身体は、カタカタと小刻みに震えている。
「オレ、本当はすごく怖い……不安で仕方がないんだよ。だって『女』は弱い……嫌と言う程自覚させられた」
『女』になってからの、これまで自分に起こった様々な出来事。
それを思い出す度に身震いが止まらない。
こんな世の中で『女』であることを選ぶのは、危険極まりない行為だと言えるのかもしれない。
それでも、アキラにとってユウトは自分の全てだった。
ユウトがいなければ、決して選ぶことの無かった選択だ。
「でも……この先の世界がどんな暗闇の中だとしても、ユウトさえ傍にいてくれればそれでいい。それだけでオレは、きっと迷わないし何も怖くないって……だから――」
そんな言葉を遮って、ユウトはたまらずにアキラを抱き締めた。
「俺がお前を守る。絶対に迷わせない。だから、これから先も二人で……ずっと一緒にいよう、アキラ」
真っ直ぐな態度で語ったユウトの台詞に、アキラの顔は真っ赤になった。
そんなアキラの胸の高鳴りは、ユウトにも伝わっていた。
ま、守るとかって恥ずかしすぎる……
だって、これじゃあまるで……
「なにそれ、プロポーズみたいじゃん……」
アキラはもごもごと口ごもるように言った。
「ん? 何だって?」
「っ……だ、だから、今のって何かちょっと……プ、プロポーズみたいだったかも……て」
ユウトは一瞬キョトンとしたが、
「ああ……そっか。そうかもな」
けれど改めてアキラの口から聞かされることによって、ユウトは急激に心が軽くなるのを感じた。
「うん、そうだった。俺は今日ここへ、お前を『女』にする為に来たんだよな……もう大丈夫だ、ありがとうアキラ」
その言葉と笑顔に、アキラもほっと胸をなで下ろした。
自分を見つめるユウトの瞳。
そこにアキラは、先程とは違う『女』の姿をした自分を見た。
これから自分は、何があってもこの姿で生きていかなければならない。
それがユウトと生きていく上での、自分に課した条件。
ふと、アキラの顔から笑みが消えた。
「どうした……?」
「ねえユウト……女になる前に、オレの弱音も聞いてくれる?」
「当たり前だ、もちろん聞くよ」
すると唐突に、アキラはユウトの胸へぎゅっと顔を埋めてきた。
その身体は、カタカタと小刻みに震えている。
「オレ、本当はすごく怖い……不安で仕方がないんだよ。だって『女』は弱い……嫌と言う程自覚させられた」
『女』になってからの、これまで自分に起こった様々な出来事。
それを思い出す度に身震いが止まらない。
こんな世の中で『女』であることを選ぶのは、危険極まりない行為だと言えるのかもしれない。
それでも、アキラにとってユウトは自分の全てだった。
ユウトがいなければ、決して選ぶことの無かった選択だ。
「でも……この先の世界がどんな暗闇の中だとしても、ユウトさえ傍にいてくれればそれでいい。それだけでオレは、きっと迷わないし何も怖くないって……だから――」
そんな言葉を遮って、ユウトはたまらずにアキラを抱き締めた。
「俺がお前を守る。絶対に迷わせない。だから、これから先も二人で……ずっと一緒にいよう、アキラ」
真っ直ぐな態度で語ったユウトの台詞に、アキラの顔は真っ赤になった。
そんなアキラの胸の高鳴りは、ユウトにも伝わっていた。
ま、守るとかって恥ずかしすぎる……
だって、これじゃあまるで……
「なにそれ、プロポーズみたいじゃん……」
アキラはもごもごと口ごもるように言った。
「ん? 何だって?」
「っ……だ、だから、今のって何かちょっと……プ、プロポーズみたいだったかも……て」
ユウトは一瞬キョトンとしたが、
「ああ……そっか。そうかもな」
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