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3章 極悪囚人更生施設サルフル鉱山
95話 マザーイーター
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「ギキュアァァァァァァァァァァァァ!!」
マザーイーターとオストリッチは語っていた。その名から察するに、この地域で1番歳を取ったロックイーターなのだろう。
生命は、一定の年齢を過ぎると、劣化が始まる。人間だったら30代から始まるが、劣化の開始は生物によって異なる。
更に、歳を重ねるにつれて強力又は凶暴になる生物も存在する。ロックイーターはそのカテゴリに入る魔物だったようだ。
皮膚が通常の個体と違って色が黒いのは、長年鉱物を食べ続けた影響と加齢による変色だと思われる。
「あれは多分硬ェな。マーサ、今度こそお前の戦鎚の出番かもしれねぇぞ。戦えるか?」
「片手が使い物にならない。はっきり言って無理だ。逃げよう!!」
「いや、絶対逃げない方が良いぜ。コイツ、俺らに子供達殺されて怒りマックスだろうからよ。多分、振り切る前にアイツの腹に直行だ。ついでにサルフル鉱山に残った奴らも全員殺すだろうよ」
「なら殺すしかねぇだろぉぉぉぉぉ!!」
正気を失っているのか、全長20mはあるだろうバケモノに真正面から立ち向かっていくというのか。体調面は置いといて、そのボロボロの剣で。
「無茶だ、おとなしくオストリッチを追おう」
「残念だが、今更追っても遅い。空を見ろ。結構面白い光景が待ってるぞ」
パァラ指差す先には、大きな鳥の足を掴んで、空を使って逃げるオストリッチの姿があった。確かに絵面的には非常に面白いが、それ以上に腹が立つ。
「ぶっっっっっっ殺すッ!!」
ハンス・ベルセルクは目の前のマザーイーターに夢中で気が付いていないようだ。
「ギャアァァァァァ!!」
「あああああああああああああああああああああ!!」
驚異的な跳躍力で飛び上がり、マザーイーターに斬りかかるハンス・ベルセルク。しかし、案の定と言うべきか、朽ちかけていた剣は、一撃目で粉砕。跡形もなく消え去ってしまった。
「あっ、やっぱ駄目だったか」
宙で柄だけになった剣を見つめながら冷静になるハンス・ベルセルク。マザーイーターの口がすぐ目の前に迫っているというのに、何をそんなに呑気にしているんだ。宙という身動き取れない場所だと、魔法で攻撃でもしない限り喰われて死ぬz───────。
「よっと」
そんな俺の予想を裏切るように、ハンス・ベルセルクは、マザーイーターの下顎を足場にして、更に跳躍。俺達に向かって叫んだ。
「悪い!後で絶対に返すから武器貸してくれ!!流石のオレでも素手では倒せない!」
「ま、待ってろ。今俺の戦鎚を・・・・・・」
片手で戦鎚を投げようとする手を止める。あの技術と力、そして身体能力ならメア・モークという聖剣を使いこなせるのではないだろうか。
『・・・マーサさん』
メアは既に準備は出来ているみたいだ。ならば────────
「これを使え!!ハンス・ベルセルク!!」
片手の痛みを歯を喰いしばって耐え、メア・モークを可能性を持つ男ハンス・ベルセルクに向かって投げるのだった。
マザーイーターとオストリッチは語っていた。その名から察するに、この地域で1番歳を取ったロックイーターなのだろう。
生命は、一定の年齢を過ぎると、劣化が始まる。人間だったら30代から始まるが、劣化の開始は生物によって異なる。
更に、歳を重ねるにつれて強力又は凶暴になる生物も存在する。ロックイーターはそのカテゴリに入る魔物だったようだ。
皮膚が通常の個体と違って色が黒いのは、長年鉱物を食べ続けた影響と加齢による変色だと思われる。
「あれは多分硬ェな。マーサ、今度こそお前の戦鎚の出番かもしれねぇぞ。戦えるか?」
「片手が使い物にならない。はっきり言って無理だ。逃げよう!!」
「いや、絶対逃げない方が良いぜ。コイツ、俺らに子供達殺されて怒りマックスだろうからよ。多分、振り切る前にアイツの腹に直行だ。ついでにサルフル鉱山に残った奴らも全員殺すだろうよ」
「なら殺すしかねぇだろぉぉぉぉぉ!!」
正気を失っているのか、全長20mはあるだろうバケモノに真正面から立ち向かっていくというのか。体調面は置いといて、そのボロボロの剣で。
「無茶だ、おとなしくオストリッチを追おう」
「残念だが、今更追っても遅い。空を見ろ。結構面白い光景が待ってるぞ」
パァラ指差す先には、大きな鳥の足を掴んで、空を使って逃げるオストリッチの姿があった。確かに絵面的には非常に面白いが、それ以上に腹が立つ。
「ぶっっっっっっ殺すッ!!」
ハンス・ベルセルクは目の前のマザーイーターに夢中で気が付いていないようだ。
「ギャアァァァァァ!!」
「あああああああああああああああああああああ!!」
驚異的な跳躍力で飛び上がり、マザーイーターに斬りかかるハンス・ベルセルク。しかし、案の定と言うべきか、朽ちかけていた剣は、一撃目で粉砕。跡形もなく消え去ってしまった。
「あっ、やっぱ駄目だったか」
宙で柄だけになった剣を見つめながら冷静になるハンス・ベルセルク。マザーイーターの口がすぐ目の前に迫っているというのに、何をそんなに呑気にしているんだ。宙という身動き取れない場所だと、魔法で攻撃でもしない限り喰われて死ぬz───────。
「よっと」
そんな俺の予想を裏切るように、ハンス・ベルセルクは、マザーイーターの下顎を足場にして、更に跳躍。俺達に向かって叫んだ。
「悪い!後で絶対に返すから武器貸してくれ!!流石のオレでも素手では倒せない!」
「ま、待ってろ。今俺の戦鎚を・・・・・・」
片手で戦鎚を投げようとする手を止める。あの技術と力、そして身体能力ならメア・モークという聖剣を使いこなせるのではないだろうか。
『・・・マーサさん』
メアは既に準備は出来ているみたいだ。ならば────────
「これを使え!!ハンス・ベルセルク!!」
片手の痛みを歯を喰いしばって耐え、メア・モークを可能性を持つ男ハンス・ベルセルクに向かって投げるのだった。
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