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4章 全ての元凶

113話 黒鉄を打つ

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「まず、今回使う金属は、黒鉄。通常の鉄とは違って、錆びにくく、粘りっけがあるのが特徴だ」

「おお~~そんなの何処で手に入れたんだ?」

「デッカイロックイーターを倒した時に出てきた。ロックイーターの口には黒鉄は合わなかったらしい」

 マザーイーターを殺した時、光鉱石以外にも珍しい鉱石を入手する事ができた、黒鉄はそのうちの1つだ。因みに、光鉱石以外の鉱石は、兵士に許可をしっかり貰った後に入手しているので罪悪感などはない。

 黒鉄は、時間の合間を縫って不純物を取り除き、純粋なインゴットにしている。

「あーー!!わたしの新しい剣はその金属で作ってもらいたかったのに!!」

「へへっ、悪いなルッタちゃん。俺の剣まじで使い物にならないから俺にくれないか?」

「はい!!どうぞ!!」

「マーサ・・・この子いい子」

「知ってる」

 普段から、山賊という人間のクズと戦っているリッキーからしたら、ルッタは天使そのものなのだろう。

「1本あたりの重量はどうする?」

「1キロで。それ以上重量を落としちまうと、剣として成立しねぇ」

「分かってるよ。鍛冶屋にそんな当たり前の事言わないでくれ」

「この3ヶ月半でなまってるかもしんねえだろ?」

「見て驚くなよ?」

 なまっている?むしろ逆だ。旅には当たり前だが、金が必要だ。その金を調達する為に色んな鍛治仕事をしてきた。

 やりたくない事や、興味のあるものまで色々な鍛治を体験してきた。その結果、俺の武器の鍛治職のレベルは6にまで到達した。

 ギルドにいた8年で4にしか到達していなかった事を加味すると、3ヶ月半でレベルが2つ上がるのは異常だ。

「ルッタ、炎頼む」

「はい!『フレイム』!!」

 黒光りする金属が、炎の熱で段々赤くなっていく。溶炉があれば使いたいが、ここは地下の酒場。そんなものはないので魔法で対応だ。

「調節が上手いな~ルッタちゃん。まるで魔法使いだ」

「ありがとうございます!でも、わたしは剣士になりたいので!!」

 成長したのは俺だけでない。ルッタもだ。パァラの熱心な指導によって、パァラは魔法の威力の調整が可能ととなり、真に魔法を自分のモノとしたのだ。

 元から、頭と要領がよかったルッタだ。出来て当然なのだろうが。

「そんじゃまあ、打っていくか」

「おう!・・・なあ、ハンスの兄貴にパァラちゃんついて行ったけど、大丈夫なのか?教育に悪そうだけど・・・そういうの慣れちゃってる子?」

「もしかしたらリッキーのよりも慣れてるかも」

「それはそれでまずいんじゃないか?」

 嘘は言ってない・・・と思う。














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