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第4章
種族による認識の違いは面白い
しおりを挟む『ルナイスよ。前に生きた世界に比べこの世界はお主にとってどうだ?』
はっはっはっはっと笑っていた龍神様が不意に真剣なお声で尋ねてきた。
前の世界から僕の魂をこっちの世界に引っ張ってきたのは龍神様だって言ってるし、神様でもそこはとっても気になるところなのだろう。
『僕はこの世界に生まれた時は正直どうしてって気持ちでした。…かぁ様の命を奪ってまで生まれる価値何て僕にはないのに…生まれ変わりたくなんてなかった…そう思っていました。』
前世の記憶と幼少期の記憶は今少しずつ薄れてきている。
だけど改めて意識的に思い出してみると以外と思い出せるもんで…生まれ、前世を思い出した時の頃の自分を思い返すと何とも言えない気持ちになった。
『でもとーさまもにぃ様も…そしてノヴァやヨハネス達も皆僕を大切に思ってくれているのが伝わってきて、前世の時よりもこの世界では僕に向けられる良い感情が多くて…前の僕より生きやすいって思います。』
『ふむ…ならばよい。以前のお主よりも今のお主の方が生命力に溢れておるし心配はしてなかったが、こうしてお主から思いを聞けて良かった。我の加護はおまけだ。使うも使わぬもお主の好きにすれば良い。この世でお主が幸福を感じられたのならば我はそれで満足だ。我はいつでも見守っておる。頻繁にこのように交信することはできぬが、本に困った時には我を頼るといい。まぁ、その前にお主の周りの者が解決してくれるだろうがな。』
龍神様はそう言うとじゃあなっとすっと気配を消した。
その際に不思議と誰かに優しく頭を撫ぜられたような感覚がして思わず掌を頭に乗せる。
何だか照れくさいような、嬉しいようなで…思わずへらっとした笑みを浮かべてしまった。
龍神様の気配が消えたのがホルス様には分かったのか、少ししてすぐに皆が神殿の中へ入ってきた。
ホルス様は僕の顔を見て満足そうに笑い頷いていて、ノヴァやヨハネスは何も問題はなかったか?と心配してくれる。
さっき龍神様との交信で抱いたむず痒い気持ちがまだ燻っているところにそんな皆からの反応で、地面を転げまわりたいような気持ちになると同時に、じゅわっと心が満たされる感覚がする。
何だか呪縛から解放されたような…
そんな爽快感。
「では東の地を見て回るか?」
ホルス様の言葉にはいっと頷き、神殿を出てドラゴンの姿になったホルス様の背に乗せてもらう。
ホルス様は全員乗せて飛べると言うが、ヨハネス達は恐れ多いと言い地上から地竜に乗って追いかけてきている。
それに対してホルス様は
「我に乗るのは恐れ多いのに、地竜には乗るのか?基準が分からん。」
と首を傾げているのが面白かった。
僕達からするとドラゴンと地竜は大きく違う生物であるのだけど、ホルス様達からすると同じ龍種であまり違いはないという認識らしい。
アーナンダ国では騎士達の移動手段として地竜はよく利用される。
それぞれに相棒と呼べる地竜がいる部隊もあるらしく、そういった地竜は主人以外乗せないのだとか。
今度にぃ様から地竜について詳しく学んでみるのも良いかもしれない。
ホルス様は東の地の色んな所を案内してくれた。
東の地は全て森だと思っていたら熱風吹き荒れる熱い大山があることを知った。
どうやら大部分を締める森を燃やさないように特殊な結界が張られているようで、これも神が施したものだろうとホルス様から説明を受けた時には、あのやらかし創造神を思いだし微妙な感情になった。
しかし、そこでしか生きられない生物も居て、新たな発見に胸が躍った。
この事を国に報告すれば直ちに調査隊が東の地に入ることになるだろうから、この事は報告しないでおこうってノヴァと決めた。
まぁ、報告したところで神の結界がある地には容易に足を踏み入れることはできないから調査何てできないだろうし。
深い森の中では精霊族達と会った。
精霊族は色んな属性が集まった群れが幾つかあって、それぞれの群れが住まう大地を潤しているのだそうで、偶に放浪する精霊もいて、放浪する精霊は一体で行動が出来るほど強い証拠でもあるらしい。
この東の地の後に南の地へ行くことを告げた時にはすごい顔をされた。
『南の地の後だったらここには居れていないよ。あんな所よく行くね。』とのこと。
どうやら精霊族にとって南の地は行きたくない所のようだ。
東の地から南の地に行くのは問題ないけど、弱い悪魔族の中には嫌がる者もいるかもしれないとの情報を得たので南の地に行くときには少し警戒しておいた方がよさそうっという話になった。
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