388 / 425
第5章
敵意も好意もない視線は逆に目立つ
しおりを挟む
魔鏡で本当に子供達を保護されている状況であると分かったし、確認に走らせた者からも魔界にてバグさんに子供の保護を依頼しているということが確認できたのでほっと一安心。
ノヴァも行動を制限される子供達を気にしていたし、守る対象が大勢いる状況よりも魔力操作などに気を張らなくていいから楽になったみたい。
例え子供達が居ないとしても、孤児院はあの子達の帰ってくる家で、これから先も残念なことではあるが絶対に必要不可欠な場所だから建物が壊されないように護らないといけない。
だから子供達が孤児院にいないからと結界を解くわけにはいかないし、突然解いたり力をあからさまに弱めると相手に感ずかれる。
数日もすれば感づかれるかもしれないが、気づかれるのはなるべく遅い方がいい。
「シスター達は一緒に避難しなくて良いのですか?」
「私達はこの孤児院を守る義務があります。それに、私まで一緒に行けば相手に可笑しいと思わせてしまうでしょう。怖くはありますが…男爵様の結界が護ってくれていますし、騎士様達も子等がいなくなっても変わらず巡回して下さっていますので、私達は此処に残ります。数名実家に避難したいと言う者は帰らせておりますので問題ありません男爵夫人様」
シスターはそう言って笑顔で頷いた。
シスターは平民の者も居るけれど、貴族出身のお嬢様も多く居て、こういう時って真っ先に逃げたがると思っていたけれど、意外にも彼女等は強く逞しい人達みたいだ。
いざという時には武器を手に取れるくらいの訓練はしているというのだから、僕は彼女達の見方を改めなければならないな。
「ウォード家はこれからも結界と必要な補助をいたしますので、必要な物があれば遠慮せずに申し出てください」
「はい男爵様。男爵様の心遣いに深く感謝申し上げます」
ノヴァはシスターの返事にコクリと頷いて、孤児院の周りを見回るのでっと告げ歩き出す。
僕のノヴァに続いて孤児院の周りを歩き、結界に緩み等がないかを見て周る。
ノヴァの数歩後ろを歩きながら周りを見渡していると不意にこちらへ向けられる視線を感じた。
悪いもののようには感じないけれど、良いものでもない…無な視線は逆に不自然で気になる。
チラっと結界を見て周っているノヴァに視線を向けるが、彼は気が付いていないのかわざと知らぬふりをしているのか…確かめたいが視線の正体の耳が良くこちらの声が聞こえてしまったらよくない。
ひっそりと影の中にいる坊に視線の元へと行くよう指示を出し、僕は視線に気が付いてないふりでノヴァの後を歩くことにした。
にゃ~ん
ドサ
「ぐぅ」
しばらくして視線の主が敵と判断した坊が僕達の前に毒で動けなくなった男を連れて戻って来た。
そこでノヴァは近くに不審人物が居たのだと気が付いたみたいでちょっと悔しそうな顔をしている。
「敵意も好意もない視線って逆に不自然だったから念の為坊に見晴らせてたんだけど…坊が連れてきたってことは僕達に何かしら害を加えようとしたってことだよね」
にゃん
そうっと鳴く坊の頭を撫でてやりながらノヴァに軽く説明しつつ、捉えた男にも確認する。
しかし坊が与えた毒が予想以上に多かったのか男は苦しむばかりで会話など出来そうにない状態である。
見かねたノヴァが少しだけ解毒してやり、男が喋られるような状態にし喋らそうとした瞬間、四方から投げナイフや弓が飛んできたので全て空中に闇奈落を発動し無効化した。
すぐに黒い服に身を包んだ如何にも怪しげな恰好をした者共が僕達を武器片手に囲み、炎やら風やら色々な魔法を操って攻撃を仕掛けてくる。
これだけの魔法を繰り出せるのだから敵はやっぱり力のある者達が集まった集団なのだと確信する。
今のノヴァにあまり魔力を消費させたくないし、きっと敵方の狙いもそこだと思う。
結界の力を弱めたいのだ。
「ノヴァ!」
離れた所に居るノヴァに呼びかけるとノヴァは直ぐに僕がやりたいことを理解して、一瞬の隙を突いて僕の背後に瞬間移動してくれた。
その隙に僕は敵がいる方に広範囲に重力魔法を展開し、奴等の動きを封じる。
しかし重力で押されているにも関わらず、敵は立ち上がり更にはこちらへ向かってこようとする。
彼等がどんな思いや信念があってそこまでして立ち向かってくるのか知らないが、僕はノヴァを殺されるわけにはいかないし、僕が死んでしまうことで悲しむ人達がいると知っているから負けてやるわけにはいかない。
本当は生きて捉えて、奴等からも情報を引き出したかったのだけど…この状況では仕方ない。
それにすぐにヨハネス達が姿を見せないってことは、足止め要因の者共もいるのだろうし、のんびりと対応しているわけにはいかないのだ。
悔しく思いながらも重力魔法の圧を強めることで、敵は圧死し動かなくなった。
貴重な情報源はなくなってしまったけれど、坊が捕らえた男は残っている。
坊が見張って自死もできないようにしてあるからこいつから聞き出せることを全て聞き出すしかなくなった。
後はヨハネス達が捕らえてくれていれば…と思うが、僕達と同等レベルの敵と対当したのだとすれば生きて捕らえることは期待できない。
ノヴァも行動を制限される子供達を気にしていたし、守る対象が大勢いる状況よりも魔力操作などに気を張らなくていいから楽になったみたい。
例え子供達が居ないとしても、孤児院はあの子達の帰ってくる家で、これから先も残念なことではあるが絶対に必要不可欠な場所だから建物が壊されないように護らないといけない。
だから子供達が孤児院にいないからと結界を解くわけにはいかないし、突然解いたり力をあからさまに弱めると相手に感ずかれる。
数日もすれば感づかれるかもしれないが、気づかれるのはなるべく遅い方がいい。
「シスター達は一緒に避難しなくて良いのですか?」
「私達はこの孤児院を守る義務があります。それに、私まで一緒に行けば相手に可笑しいと思わせてしまうでしょう。怖くはありますが…男爵様の結界が護ってくれていますし、騎士様達も子等がいなくなっても変わらず巡回して下さっていますので、私達は此処に残ります。数名実家に避難したいと言う者は帰らせておりますので問題ありません男爵夫人様」
シスターはそう言って笑顔で頷いた。
シスターは平民の者も居るけれど、貴族出身のお嬢様も多く居て、こういう時って真っ先に逃げたがると思っていたけれど、意外にも彼女等は強く逞しい人達みたいだ。
いざという時には武器を手に取れるくらいの訓練はしているというのだから、僕は彼女達の見方を改めなければならないな。
「ウォード家はこれからも結界と必要な補助をいたしますので、必要な物があれば遠慮せずに申し出てください」
「はい男爵様。男爵様の心遣いに深く感謝申し上げます」
ノヴァはシスターの返事にコクリと頷いて、孤児院の周りを見回るのでっと告げ歩き出す。
僕のノヴァに続いて孤児院の周りを歩き、結界に緩み等がないかを見て周る。
ノヴァの数歩後ろを歩きながら周りを見渡していると不意にこちらへ向けられる視線を感じた。
悪いもののようには感じないけれど、良いものでもない…無な視線は逆に不自然で気になる。
チラっと結界を見て周っているノヴァに視線を向けるが、彼は気が付いていないのかわざと知らぬふりをしているのか…確かめたいが視線の正体の耳が良くこちらの声が聞こえてしまったらよくない。
ひっそりと影の中にいる坊に視線の元へと行くよう指示を出し、僕は視線に気が付いてないふりでノヴァの後を歩くことにした。
にゃ~ん
ドサ
「ぐぅ」
しばらくして視線の主が敵と判断した坊が僕達の前に毒で動けなくなった男を連れて戻って来た。
そこでノヴァは近くに不審人物が居たのだと気が付いたみたいでちょっと悔しそうな顔をしている。
「敵意も好意もない視線って逆に不自然だったから念の為坊に見晴らせてたんだけど…坊が連れてきたってことは僕達に何かしら害を加えようとしたってことだよね」
にゃん
そうっと鳴く坊の頭を撫でてやりながらノヴァに軽く説明しつつ、捉えた男にも確認する。
しかし坊が与えた毒が予想以上に多かったのか男は苦しむばかりで会話など出来そうにない状態である。
見かねたノヴァが少しだけ解毒してやり、男が喋られるような状態にし喋らそうとした瞬間、四方から投げナイフや弓が飛んできたので全て空中に闇奈落を発動し無効化した。
すぐに黒い服に身を包んだ如何にも怪しげな恰好をした者共が僕達を武器片手に囲み、炎やら風やら色々な魔法を操って攻撃を仕掛けてくる。
これだけの魔法を繰り出せるのだから敵はやっぱり力のある者達が集まった集団なのだと確信する。
今のノヴァにあまり魔力を消費させたくないし、きっと敵方の狙いもそこだと思う。
結界の力を弱めたいのだ。
「ノヴァ!」
離れた所に居るノヴァに呼びかけるとノヴァは直ぐに僕がやりたいことを理解して、一瞬の隙を突いて僕の背後に瞬間移動してくれた。
その隙に僕は敵がいる方に広範囲に重力魔法を展開し、奴等の動きを封じる。
しかし重力で押されているにも関わらず、敵は立ち上がり更にはこちらへ向かってこようとする。
彼等がどんな思いや信念があってそこまでして立ち向かってくるのか知らないが、僕はノヴァを殺されるわけにはいかないし、僕が死んでしまうことで悲しむ人達がいると知っているから負けてやるわけにはいかない。
本当は生きて捉えて、奴等からも情報を引き出したかったのだけど…この状況では仕方ない。
それにすぐにヨハネス達が姿を見せないってことは、足止め要因の者共もいるのだろうし、のんびりと対応しているわけにはいかないのだ。
悔しく思いながらも重力魔法の圧を強めることで、敵は圧死し動かなくなった。
貴重な情報源はなくなってしまったけれど、坊が捕らえた男は残っている。
坊が見張って自死もできないようにしてあるからこいつから聞き出せることを全て聞き出すしかなくなった。
後はヨハネス達が捕らえてくれていれば…と思うが、僕達と同等レベルの敵と対当したのだとすれば生きて捕らえることは期待できない。
447
あなたにおすすめの小説
王子のこと大好きでした。僕が居なくてもこの国の平和、守ってくださいますよね?
人生2929回血迷った人
BL
Ωにしか見えない一途なαが婚約破棄され失恋する話。聖女となり、国を豊かにする為に一人苦しみと戦ってきた彼は性格の悪さを理由に婚約破棄を言い渡される。しかしそれは歴代最年少で聖女になった弊害で仕方のないことだった。
・五話完結予定です。
※オメガバースでαが受けっぽいです。
【完結】『妹の結婚の邪魔になる』と家族に殺されかけた妖精の愛し子の令嬢は、森の奥で引きこもり魔術師と出会いました。
夏灯みかん
恋愛
メリルはアジュール王国侯爵家の長女。幼いころから妖精の声が聞こえるということで、家族から気味悪がられ、屋敷から出ずにひっそりと暮らしていた。しかし、花の妖精の異名を持つ美しい妹アネッサが王太子と婚約したことで、両親はメリルを一族の恥と思い、人知れず殺そうとした。
妖精たちの助けで屋敷を出たメリルは、時間の止まったような不思議な森の奥の一軒家で暮らす魔術師のアルヴィンと出会い、一緒に暮らすことになった。
王太子殿下のやりなおし
3333(トリささみ)
BL
ざまぁモノでよくある『婚約破棄をして落ちぶれる王太子』が断罪前に改心し、第三の道を歩むお話です。
とある時代のとある異世界。
そこに王太子と、その婚約者の公爵令嬢と、男爵令嬢がいた。
公爵令嬢は周囲から尊敬され愛される素晴らしい女性だが、王太子はたいそう愚かな男だった。
王太子は学園で男爵令嬢と知り合い、ふたりはどんどん関係を深めていき、やがては愛し合う仲になった。
そんなあるとき、男爵令嬢が自身が受けている公爵令嬢のイジメを、王太子に打ち明けた。
王太子は驚いて激怒し、学園の卒業パーティーで公爵令嬢を断罪し婚約破棄することを、男爵令嬢に約束する。
王太子は喜び、舞い上がっていた。
これで公爵令嬢との縁を断ち切って、彼女と結ばれる!
僕はやっと幸せを手に入れられるんだ!
「いいやその幸せ、間違いなく破綻するぞ。」
あの男が現れるまでは。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
誰よりも愛してるあなたのために
R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。
ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。
前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。
だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。
「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」
それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!
すれ違いBLです。
初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。
(誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)
秘匿された第十王子は悪態をつく
なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。
第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。
第十王子の姿を知る者はほとんどいない。
後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。
秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。
ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。
少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。
ノアが秘匿される理由。
十人の妃。
ユリウスを知る渡り人のマホ。
二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。
乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する
135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。
現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。
最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる