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双子と温泉
亜紀ちゃんと家に帰ると、双子が今夜はもう自分たちのものだと、俺を連れ去った。
俺も亜紀ちゃんも笑った。
用意していたとのことで、一緒に「虎温泉」に入った。
三人で練乳イチゴのかき氷を食べながら、湯船に浸かる。
くっついて夜空を見上げてのんびりした。
「お前ら、彼氏とかはどうなんだよ」
「「タカさん!」」
「ワハハハハハハ!」
カワイイ。
「前は想像してお前らが結婚するなんて思ったら、前は泣きそうなくらいに動揺してたんだけどな」
「今は?」
「ああ、なんともねぇ」
「「ワハハハハハハ!」」
「まあ、俺が彼氏を潰すからな!」
「私もやる!」
「私も!」
何だかよく分からないが、彼氏が可哀そう過ぎる。。
「子どもの成長って楽しみなんだけどさ、結構恐ろしいんだよな。俺も初めて分かった」
「ふーん、それって、私たちが離れて行っちゃうってこと?」
「そうだ。俺みたいに器が小さな人間には耐えられないよ」
「大丈夫だよ、ずっと一緒だから」
「そうだよ、タカさんしかいないもん」
「それは嬉しいけどさ。俺が死んだ後はどうすんだよ?」
「生き返らす」
「あ?」
「絶対に取り戻すもん」
「そっか」
まあ、先のことを考えて不安になるのはアホウのやることだ。
ロボが俺を探して来たので、「ロボボート」を用意させた。
ロボが一緒に湯船で寛いだ。
「そう言えば、お前らの「人生研究会」ってどうなってる?」
定期的に活動報告は受けているが、こいつらはその外側の方が怖い。
「自由党の政治家は大体掌握したかな」
「なに!」
聞いてねぇ。
「大体お金でね」
「あとはいろんな権益を用意したし」
「お前ら! 聞いてねぇぞ!」
「えー! ちゃんと報告書に添付したよ!」
「タカさん、読んでないんじゃん!」
「うぅ……」
確かに、忙しくて数か月目を通していない。
「く、口でも言え」
「わかったよ! でも、結構長い話になるよ?」
「それならいいや」
反省。
「「御堂グループ」は、もうほとんど完成かな。こっちも読んでないんでしょう」
「お前らを信頼しているからな!」
「「アハハハハハハ!」」
双子がやったのは、各企業の有機的結合だ。
その根幹に「御堂グループ」を置き、相互に切り離せないように構築した。
切り離せば企業同士に相当な損益とダメージを生じるようになっている。
「企業同士の連結を解除すると、130%の減益かな」
「ギリギリ存続出来るかって感じ。まあ、数年以内になんとかすればだけどね」
「ダミーで反御堂グループ勢力を集めたよ」
「そっちも水面下で御堂グループに利益が流れるんだけどね」
「気付いた時にはもう、取り込まれてるだろうなー」
俺と経済操作の専門家スナークで計画した経済統合のシステムを、実際に双子が実行している。
「今主に話し合っているのは、食糧の自給自足」
「畜産は、「梅田精肉店」さんが牧場の経営を始めればテストケースになるよね」
「幾つかの牧場を買い取って、ノウハウは集めているところ」
「農協って結構硬い組織だよね」
「あそこを切り崩すか独自に対抗していくか、今検討中」
双子は既得権益の壁と戦おうとしている。
言い換えれば全ての分野で既得権益があり、生産者と流通、販売の間に立って甘い汁を吸っている人間が大勢いるのだ。
「企業はある程度手は入れられるけど、農業はちょっと難しいね」
「農業地って、日本はほんとに少なくなったじゃない。だから今いる農家の人を個別に当たって行くしか無さそう」
「アラスカからの輸入はどうなんだ?」
「「!」」
「今の日本の人口と企業活動を考えると、土地の変換は難しいだろう。だったら、外に目を向けるしかねぇ」
「タカさん! スゴイよ!」
「思いつかなかったよ!」
「まあ、俺が自給自足って言ってたからな。もちろん北海道なんかはまだ広大な土地があるけどよ」
「そうだね」
「なるべく国内が望ましいけど、アラスカも日本だと思ってもいいだろう」
「そうか!」
「農業は特別な仕事だ。ライフラインは国が管理しているけど、人間に絶対に欠かせない食糧はまだ全然手を入れていない。御堂も本腰を入れるつもりだけどな。お前たちも手伝ってくれ」
「「はい!」」
「お前らは畜産に力を入れそうだけどな!」
「「アハハハハハハ!」」
漁業もそうだ。
もう日本で遠洋に出る漁船はほとんどない。
今後、大型のトロール船などを増産する必要がある。
また、海外へ出るにあたり、国際的な取り決めもある。
乱獲による魚の減少の問題ももちろんある。
環境問題もある。
それらの根幹には、現在の世界状況がある。
「業」との戦いがそれを解決することに繋がっているのは皮肉だ。
「《グランマザー》さんが言ってた、惑星を農地にするのってどうなのかな?」
「ダメだ。俺たちは地球の中で考えなければいけない」
「どうして?」
「俺たちは地球で生きているんだ。他の惑星は、その惑星のものだ」
「うーん、よく分からない」
「俺たちはこの家で生きている」
「うん」
「早乙女の家の塔はいい雰囲気だ。でも、あそこは早乙女の家のものだ」
「うん」
「借りることも取り上げることも出来る。でも、それはやってはいけないんだ」
「そうだよね!」
「俺たちは限定された世界で生きようとしなければいけないんだよ。そこで不味いことになったのなら、それは自業自得だ」
「うん! 段々分かって来た!」
俺は双子を抱き寄せた。
「俺はな、生命の最大の愛は、その惑星の範囲に留まると思っているんだ」
「うん」
「俺は「大銀河連合」の衰退というのは、そこに起因していると考えている」
「他の星を考えたってこと?」
「そうだ。だから生命としての根幹が喪われた。一時的には豊かになったのかも知れん。だけど制約の中で生きることを喪ったんで、生命的に行き詰った」
「なるほど!」
「アーノルド・トインビーは歴史的な勃興から隆盛、衰退のサイクルを提唱したけどな。俺は自分の国の制約の中で生きれば、それで完結すると思っている」
「だから自給自足なんだね!」
双子の頭を撫でる。
「まあ、散々他から奪い取っては来ちゃったけどな」
「「アハハハハハハ!」」
「タカさんが妖魔を限定的に使うとか、「大銀河連合」の力を借りないっていうのは、そういうことなんだ!」
「そうだ。ウォルター・ベンヤミンが「メシアは解放者にあらず、アンチキリストを斃す者也」と言っている。つまり、幸福をもたらす者ではなく、敵を斃すのみの存在だということだな。俺たちは敵と戦うけど、豊かさを求めるのではなく、制約の中で何とかしなければいけないんだよ」
冷たい物を摂っていないロボがグッタリしてきたので、三人で笑って風呂を上がった。
ロボには冷たいミルクを飲ませる。
双子と一緒に寝たので、恒例の映画鑑賞をした。
『新耳袋・殴り込み』の1本を見せた。
ホラーだがビビりながら果敢に挑戦する姿に、双子が感動していた。
そのせいか最後まで見て、感動していた。
「こういう人たちがいるんだね」
「ちょっと感動した」
「そっか」
まあ、どうでもいいんで、三人で仲良く寝た。
俺も亜紀ちゃんも笑った。
用意していたとのことで、一緒に「虎温泉」に入った。
三人で練乳イチゴのかき氷を食べながら、湯船に浸かる。
くっついて夜空を見上げてのんびりした。
「お前ら、彼氏とかはどうなんだよ」
「「タカさん!」」
「ワハハハハハハ!」
カワイイ。
「前は想像してお前らが結婚するなんて思ったら、前は泣きそうなくらいに動揺してたんだけどな」
「今は?」
「ああ、なんともねぇ」
「「ワハハハハハハ!」」
「まあ、俺が彼氏を潰すからな!」
「私もやる!」
「私も!」
何だかよく分からないが、彼氏が可哀そう過ぎる。。
「子どもの成長って楽しみなんだけどさ、結構恐ろしいんだよな。俺も初めて分かった」
「ふーん、それって、私たちが離れて行っちゃうってこと?」
「そうだ。俺みたいに器が小さな人間には耐えられないよ」
「大丈夫だよ、ずっと一緒だから」
「そうだよ、タカさんしかいないもん」
「それは嬉しいけどさ。俺が死んだ後はどうすんだよ?」
「生き返らす」
「あ?」
「絶対に取り戻すもん」
「そっか」
まあ、先のことを考えて不安になるのはアホウのやることだ。
ロボが俺を探して来たので、「ロボボート」を用意させた。
ロボが一緒に湯船で寛いだ。
「そう言えば、お前らの「人生研究会」ってどうなってる?」
定期的に活動報告は受けているが、こいつらはその外側の方が怖い。
「自由党の政治家は大体掌握したかな」
「なに!」
聞いてねぇ。
「大体お金でね」
「あとはいろんな権益を用意したし」
「お前ら! 聞いてねぇぞ!」
「えー! ちゃんと報告書に添付したよ!」
「タカさん、読んでないんじゃん!」
「うぅ……」
確かに、忙しくて数か月目を通していない。
「く、口でも言え」
「わかったよ! でも、結構長い話になるよ?」
「それならいいや」
反省。
「「御堂グループ」は、もうほとんど完成かな。こっちも読んでないんでしょう」
「お前らを信頼しているからな!」
「「アハハハハハハ!」」
双子がやったのは、各企業の有機的結合だ。
その根幹に「御堂グループ」を置き、相互に切り離せないように構築した。
切り離せば企業同士に相当な損益とダメージを生じるようになっている。
「企業同士の連結を解除すると、130%の減益かな」
「ギリギリ存続出来るかって感じ。まあ、数年以内になんとかすればだけどね」
「ダミーで反御堂グループ勢力を集めたよ」
「そっちも水面下で御堂グループに利益が流れるんだけどね」
「気付いた時にはもう、取り込まれてるだろうなー」
俺と経済操作の専門家スナークで計画した経済統合のシステムを、実際に双子が実行している。
「今主に話し合っているのは、食糧の自給自足」
「畜産は、「梅田精肉店」さんが牧場の経営を始めればテストケースになるよね」
「幾つかの牧場を買い取って、ノウハウは集めているところ」
「農協って結構硬い組織だよね」
「あそこを切り崩すか独自に対抗していくか、今検討中」
双子は既得権益の壁と戦おうとしている。
言い換えれば全ての分野で既得権益があり、生産者と流通、販売の間に立って甘い汁を吸っている人間が大勢いるのだ。
「企業はある程度手は入れられるけど、農業はちょっと難しいね」
「農業地って、日本はほんとに少なくなったじゃない。だから今いる農家の人を個別に当たって行くしか無さそう」
「アラスカからの輸入はどうなんだ?」
「「!」」
「今の日本の人口と企業活動を考えると、土地の変換は難しいだろう。だったら、外に目を向けるしかねぇ」
「タカさん! スゴイよ!」
「思いつかなかったよ!」
「まあ、俺が自給自足って言ってたからな。もちろん北海道なんかはまだ広大な土地があるけどよ」
「そうだね」
「なるべく国内が望ましいけど、アラスカも日本だと思ってもいいだろう」
「そうか!」
「農業は特別な仕事だ。ライフラインは国が管理しているけど、人間に絶対に欠かせない食糧はまだ全然手を入れていない。御堂も本腰を入れるつもりだけどな。お前たちも手伝ってくれ」
「「はい!」」
「お前らは畜産に力を入れそうだけどな!」
「「アハハハハハハ!」」
漁業もそうだ。
もう日本で遠洋に出る漁船はほとんどない。
今後、大型のトロール船などを増産する必要がある。
また、海外へ出るにあたり、国際的な取り決めもある。
乱獲による魚の減少の問題ももちろんある。
環境問題もある。
それらの根幹には、現在の世界状況がある。
「業」との戦いがそれを解決することに繋がっているのは皮肉だ。
「《グランマザー》さんが言ってた、惑星を農地にするのってどうなのかな?」
「ダメだ。俺たちは地球の中で考えなければいけない」
「どうして?」
「俺たちは地球で生きているんだ。他の惑星は、その惑星のものだ」
「うーん、よく分からない」
「俺たちはこの家で生きている」
「うん」
「早乙女の家の塔はいい雰囲気だ。でも、あそこは早乙女の家のものだ」
「うん」
「借りることも取り上げることも出来る。でも、それはやってはいけないんだ」
「そうだよね!」
「俺たちは限定された世界で生きようとしなければいけないんだよ。そこで不味いことになったのなら、それは自業自得だ」
「うん! 段々分かって来た!」
俺は双子を抱き寄せた。
「俺はな、生命の最大の愛は、その惑星の範囲に留まると思っているんだ」
「うん」
「俺は「大銀河連合」の衰退というのは、そこに起因していると考えている」
「他の星を考えたってこと?」
「そうだ。だから生命としての根幹が喪われた。一時的には豊かになったのかも知れん。だけど制約の中で生きることを喪ったんで、生命的に行き詰った」
「なるほど!」
「アーノルド・トインビーは歴史的な勃興から隆盛、衰退のサイクルを提唱したけどな。俺は自分の国の制約の中で生きれば、それで完結すると思っている」
「だから自給自足なんだね!」
双子の頭を撫でる。
「まあ、散々他から奪い取っては来ちゃったけどな」
「「アハハハハハハ!」」
「タカさんが妖魔を限定的に使うとか、「大銀河連合」の力を借りないっていうのは、そういうことなんだ!」
「そうだ。ウォルター・ベンヤミンが「メシアは解放者にあらず、アンチキリストを斃す者也」と言っている。つまり、幸福をもたらす者ではなく、敵を斃すのみの存在だということだな。俺たちは敵と戦うけど、豊かさを求めるのではなく、制約の中で何とかしなければいけないんだよ」
冷たい物を摂っていないロボがグッタリしてきたので、三人で笑って風呂を上がった。
ロボには冷たいミルクを飲ませる。
双子と一緒に寝たので、恒例の映画鑑賞をした。
『新耳袋・殴り込み』の1本を見せた。
ホラーだがビビりながら果敢に挑戦する姿に、双子が感動していた。
そのせいか最後まで見て、感動していた。
「こういう人たちがいるんだね」
「ちょっと感動した」
「そっか」
まあ、どうでもいいんで、三人で仲良く寝た。
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