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chapter1:Sacrificial daughter
ローズマカロンはキスの味
しおりを挟む「本当に!酷いわ!マキシムさんの裏切り者!」
家に帰ってお風呂に入ってベッドにダイブする。
「...あんな風にキスされるとか...」
唇を指で触れる...口の中を蹂躙されていく長く長く深いキスだ...頭の中は真っ白でふわふわした気分で...何故か...嫌じゃなかったのだ...しかもピッピちゃんがいなかったらきっと流されて身体を許してしまったかもしれない...
「私...あのなまぐさ司祭に...ディビッドの事が...」
心臓がドキドキする、確かに顔も良くてカッコいいと思うしお菓子も美味しいし...でも...
「きっとこんな気持ちだっていつかなくなっちゃうんだから...ダメよティナ...ママだってそうだったもの...」
そう...パパが人が良すぎてそれが原因で事業に失敗して実家に戻って他の国の貴族の後妻になったママ...恋愛結婚だったのに永遠の愛だの真実の愛だの薄っぺらに感じてしまう様になったのよ...
しかもディビッドは悪魔を倒す仕事している...強いかもしれないけど危険だって多い筈...もし心から愛してその人が仕事のせいで死んだとして耐えられるの?
フールフールを倒す姿を思い出す...あんな恐ろしい化け物相手に怖気付くとこも無く戦っていた姿。
そして助けてくれたあの時の事を...ちょっとときめいた...いいえもうその時点で好きだったんだと思う...
むくりと起き上がってベッド脇に置いた鞄を開けるとマカロンをラッピングした袋を取り出す。
あの後使用人の人が持ち帰りできるお菓子を袋に詰めてお土産にしてくれたのだ。
開けて一つ取り出す...ローズマカロンだ。
それに軽く口付けしてから口に入れる...甘さと薔薇の香りが広がる...あの時のキスの味と同じ...
「...美味しい...」
大好きだけど...キスを思い出すマカロンの味に心臓が壊れそうになっちゃうわ...
そういえば窓閉めなきゃ...むにゃ...何だか眠くなってきちゃったわ...
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