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第28話 長女と五女
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「あら、本当にいましたわ」
「ヴィヴィアンヌお姉様!?」
シエルは私に気がつき慌てて立ち上がりましたわ。当然ですわね、まさか私が来るとは思っていなかったでしょうし。
「こんなところで何をしてますの?」
「が、学問の授業の前に予習をしていたところです!最近テストの点数も上がってきたので……」
如何にも緊張している顔でシエルは答えましたわ。予習なんて今までしたことなかったけど、才能がないシエルには必要なことですわね。
「どこをやってますの?」
「この式なのですが……読んでもよくわからなくて……」
そう言っていたシエルから本を受け取り、それを読んで私は驚愕しましたわ。
「嘘でしょ……!」
そこは私が3歳の頃に教わったところでしたわ。いいえ、私はお父様譲りの才能があるからそうだったけれど、それでもフェリクスやジュリエットだって悩んだりしなかったはずですわ。まさかここまでとは……
「……前回のテストは、何点でしたの?」
「前回のテストですか?それが今まで一番高い点数でした」
「そう、100点中何点だったのかしら?」
「50点です!」
「なんですって!?」
100点中50点!?それで過去最高得点ですの!?そんな点数でそんな嬉しそうな顔するなんて有り得ませんわ!!
「低過ぎる!低過ぎますわ!」
「!?」
「才能がないとは聞いていたけれど、いくら何でも酷過ぎますわ!この程度の式がわからないなんて!」
「も、申し訳ありません!」
このままではラパン伯爵家の威信に——いいえ、威信なんてどうでもいいですわ!知性の才能を持った身として、妹の体たらくを見過ごせませんわ!
私は近くにあったペンを取り、答案用紙に走らせましたわ。
「いいですこと?この式は………こうやって……こう解きますわ!さぁ、この問題を今私がやったようにやってみなさい!」
「え、えーと………こう、ですか?」
「ここが違いますわ!ここを……こうですわ。それと、印もつけてあげますわ。こうすればわかりやすいですわよ?」
「なるほど。ということは……この問題はこうですか?」
「そうですわ。やれば出来るじゃないですの」
「あ、ありがとうございます!」
シエルは式が解けたことが嬉しかったのか、答案用紙を掲げて笑いましたわ。こんな簡単な問題が解けただけで、どうしてそんなに嬉しそうな顔が出来ますの?
「あ、あの、ヴィヴィアンヌお姉様!本のここの式なのですが、ここもよくわからなくて……」
「これもそんなに難しい式ではありませんわ!パーチメントを出しなさい、特別に教えて差し上げますわ」
「はい!」
嬉しそうなシエルが不思議だったからか、それとも悩みながら学ぼうとするシエルに興味が湧いたのか、気づけば私は勉強を教えていましたわ。まあ、伯爵家の管理もすぐに終わってしまいますし、退屈凌ぎには良いかもしれませんわね。
「ヴィヴィアンヌお姉様!?」
シエルは私に気がつき慌てて立ち上がりましたわ。当然ですわね、まさか私が来るとは思っていなかったでしょうし。
「こんなところで何をしてますの?」
「が、学問の授業の前に予習をしていたところです!最近テストの点数も上がってきたので……」
如何にも緊張している顔でシエルは答えましたわ。予習なんて今までしたことなかったけど、才能がないシエルには必要なことですわね。
「どこをやってますの?」
「この式なのですが……読んでもよくわからなくて……」
そう言っていたシエルから本を受け取り、それを読んで私は驚愕しましたわ。
「嘘でしょ……!」
そこは私が3歳の頃に教わったところでしたわ。いいえ、私はお父様譲りの才能があるからそうだったけれど、それでもフェリクスやジュリエットだって悩んだりしなかったはずですわ。まさかここまでとは……
「……前回のテストは、何点でしたの?」
「前回のテストですか?それが今まで一番高い点数でした」
「そう、100点中何点だったのかしら?」
「50点です!」
「なんですって!?」
100点中50点!?それで過去最高得点ですの!?そんな点数でそんな嬉しそうな顔するなんて有り得ませんわ!!
「低過ぎる!低過ぎますわ!」
「!?」
「才能がないとは聞いていたけれど、いくら何でも酷過ぎますわ!この程度の式がわからないなんて!」
「も、申し訳ありません!」
このままではラパン伯爵家の威信に——いいえ、威信なんてどうでもいいですわ!知性の才能を持った身として、妹の体たらくを見過ごせませんわ!
私は近くにあったペンを取り、答案用紙に走らせましたわ。
「いいですこと?この式は………こうやって……こう解きますわ!さぁ、この問題を今私がやったようにやってみなさい!」
「え、えーと………こう、ですか?」
「ここが違いますわ!ここを……こうですわ。それと、印もつけてあげますわ。こうすればわかりやすいですわよ?」
「なるほど。ということは……この問題はこうですか?」
「そうですわ。やれば出来るじゃないですの」
「あ、ありがとうございます!」
シエルは式が解けたことが嬉しかったのか、答案用紙を掲げて笑いましたわ。こんな簡単な問題が解けただけで、どうしてそんなに嬉しそうな顔が出来ますの?
「あ、あの、ヴィヴィアンヌお姉様!本のここの式なのですが、ここもよくわからなくて……」
「これもそんなに難しい式ではありませんわ!パーチメントを出しなさい、特別に教えて差し上げますわ」
「はい!」
嬉しそうなシエルが不思議だったからか、それとも悩みながら学ぼうとするシエルに興味が湧いたのか、気づけば私は勉強を教えていましたわ。まあ、伯爵家の管理もすぐに終わってしまいますし、退屈凌ぎには良いかもしれませんわね。
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