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第二章 穢れた二本の肉棒
10 命をかけた提案
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◇
神子は国の重要な宝物扱いだ。彼の預言は高確率で当たり、戦や大きな取引前には必ずと言っていいぐらい国王が尋ねてくる。彼が言っていたように『穢れて』しまった体でもう使い物になったかどうかは分からないが、その可能性を考えると少しむしゃくしゃしていた気分はすっきりとする。国は本当にこの神子の言葉に国の将来全てを賭けているだなんて。信じる事があるのは馬鹿にしないが、そんなに大事な宝ならばなぜもっとしっかりと守らないのだろうかと物凄く疑問に思う。
――――あの黒瞳の男と出会ってから自分の欲に歯止めが利かなくなってきているな。今までだったらこんな国宝級の獲物には絶対に手を出さなかったのに
神子の意識が戻ってから身なりを整えるのを手伝う。名前を囁きながら長くて濃厚なキスをすると恋をする乙女のような表情で俺を見る。それだけで彼は俺の事を他人には話さないだろうという確実が持てる。
――――これで一応は安心か
別れを惜しむ振りをしながら寺院を出る。
風が冷たく、空は段々深い鉛色へと変化を始める。少し肌寒い風が吹いている。
俺は村を抜ける道をずっと歩んでいる。
そして別の道と合流する地点。そこで俺の前をゆっくりと歩く男を見掛けた瞬間、思わず足と止めた。ゆっくりと唇が弧を描く。
全身黒い服を纏い、静かな雰囲気の長身の美形。立っているだけで圧倒的な権力者の雰囲気を醸し出している。夕日の中の影がやたらと長く伸びているがその影にすら少し違和感を持つ。本体と影の形が合わないのだ。
体の奥がじわじわと痺れ、喉奥が鳴る。
目が離せない。
――――……こりゃあ……想像していなかった方向性だな
「またすぐに会えたな」
嬉しい、というよりも抑えきれない程の激しい歓喜の衝動で気付けばすぐに声を掛けていた。振り向いた男は俺を見ると目を細めてすぐに笑い出す。
「君か! はは、まさかこんなに早くまた会えるとは思っていなかったよ。よく私だと気付けたな」
「お前の事は気付くって言っただろ。また会いたかったぜ」
「ふっ、私達は縁があるらしいな」
俺は妖艶に楽しそうな表情をする男を見る。やはり前回とはまた少し顔が変化している気がする。だがあのむせ返るような色気と声色は変わらない。
「お前はどこに向かっている?」
彼は目を細め、少し微笑みながら静かに答える。
「……魔王城」
――――ビンゴ
「へぇ、奇遇だな。俺もだ」
彼は小さな冷たい笑みを浮かべて俺の全身を舐め回すように見る。僅かに混ざったのは面白い玩具を見つけたような獰猛な猛獣のような危険な気配。
――――やっと……俺にはっきりとした興味を持ったな。やっぱり獣のようだ。……とてもエロくって、強引に組み敷きたくなる獣
「そうか。普段行きずりの男を睡眠姦していない時は、君は何をしているんだ?」
彼の妙に艶がある声質は先日と同じように耳を心地よく撫で廻す。食らい付くような眼光の強さは他に出会った事がない。黒い瞳なのにまるで血のように濡れて脈打っている。
自分の鼓動が一層速く、煩く、耳元で暴れるように聞こえる。
俺は腰に刺した剣の柄に手を乗せ、物凄い棒読みで淡々と宣伝する。
「俺はこの国の勇者セインだ。お前を倒す為に来た」
彼は一瞬目を見開く。そして物凄く愉快そうに大きな声で爆笑する。
「あはははははは! そうかそうか! 私は人間に苦痛と混乱を強いる魔王だ。君を倒し、この国と世界に災難を招こう! わははははははははは! ……って、一応モンスターとかも召喚しておく方が嬉しいか?」
「はははははははは! 付き合いのいい魔王だな!」
「あはははは、君だって物凄い目の据わった棒読みだったよ」
「仕方ねえだろ。一応王と神殿に台本が決められちまっているんだよ、俺は。後にチェックされそうでよ」
「ふっ、その台本には他にもセリフが残っているのか?」
「この国から退かぬと……あー……面倒だな。台本はもういい。折角また会えたんだ」
彼はまだ肩を揺らす程笑いながら唇を舐める。その赤い舌先が残していく濡れた跡が妙に色っぽく、彼の射精した瞬間の熱い吐息を思い出して少し肉棒が疼く。
「魔王よ、遊びはそれぐらいにして。少し腹を割って話さねぇか?」
「いいだろう。何について話したい?」
「お前、災難や人間界を平伏したい訳じゃないだろ。本当は何がしたいんだ?」
彼は妖艶に笑ったまま道のすぐ脇にある岩へと腰掛けて再びじっくりと俺の全身を舐め回す。彼の視線が撫でた部分が熱を持ったかのように熱く感じる。
「君と同じ事さ」
「それってなんだ?」
「泣く人間を組み敷き、きつい穴をほじくり回し、何度も痙攣しながら絶頂するイキ顔を見ながら更に犯す。一生忘れられないようにその体内奥に私の存在を刻み込む。そしてまたいい獲物が見つかったら陵辱を繰り返す」
「ははは、それは最高だな。使い物にならないぐらい体がビクビク跳ねていていれば更にそそられるな」
「私もだ。正直に言えば世界征服になんぞ全く興味はない。家臣は違うがな。私が興味あるのは泣き喚く表情と快楽に見悶える姿だ。あと私自身も気持ちよければ最高だ」
魔王は目を細める。俺も目を細めて笑い返す。
「そこで、だ。お前と穴兄弟になった俺から提案がある」
「聞いてやる」
「俺達とは直接関係ない奴等が喜ぶような血の流し合いは正直俺も全く興味ねぇし、何よりお前が物凄ぇ気に入った」
魔王は目を僅かに細めるだけで俺の言葉を聞いている。俺は腹の底から湧き上がってくるような笑みを殺しきれずに口角を上げる。
「行きずりの遊びであんなに楽しかったのならば、本気の遊びだったらどうなるか……知りたくないか? 俺は知りたい。一緒に旅をしながら俺と本気の遊びをしようぜ、魔王」
魔王は目を細めたまま暫く無言で俺を観察する。唇には小さな笑みを張り付けている。
「勇者様ともあろう者が魔王を犯罪と淫行に誘うのか? 正義はどうした?」
「生憎、正義なんて面倒な物は最初から持ち合わせてねぇよ。俺は別に崇高な志を持って勇者やっている訳じゃねぇ。単に利便が多くって生活に役立つからやっているだけだ。だがお前とやった一件、あれは最高だった。お前と一緒にどこまでも鬼畜の限り好き勝手に暴れてエロ漬けになれるんだったら、そっちの方が絶対に面白いだろ」
「はっ! 勇者の座から引きずり落とされるぞ?」
「お前と本気の遊びをしていられるんだったら、別にいいぜ」
「本当に鬼畜勇者だな。私が裏切ったり寝ている君を殺すとは考えないのか?」
「……前回お前も楽しんでいただろ。お前とだったら俺も制限なく鬼畜になれそうだ。一緒にやってみたくないか? 勇者と崇められる男と本気の鬼畜な男狩り。俺を殺したらそれが出来ないぜ。もう二度と俺ほど穢れた勇者には出会えねぇって断言出来るぞ」
「ふはっ。穢れているのを自慢する勇者か。……君は本当に、興味深いな。人間にしては、肝が妙に据わってる」
「お前も魔王にしては、随分と理性的で面白い」
互いに目は逸らさない。
神子は国の重要な宝物扱いだ。彼の預言は高確率で当たり、戦や大きな取引前には必ずと言っていいぐらい国王が尋ねてくる。彼が言っていたように『穢れて』しまった体でもう使い物になったかどうかは分からないが、その可能性を考えると少しむしゃくしゃしていた気分はすっきりとする。国は本当にこの神子の言葉に国の将来全てを賭けているだなんて。信じる事があるのは馬鹿にしないが、そんなに大事な宝ならばなぜもっとしっかりと守らないのだろうかと物凄く疑問に思う。
――――あの黒瞳の男と出会ってから自分の欲に歯止めが利かなくなってきているな。今までだったらこんな国宝級の獲物には絶対に手を出さなかったのに
神子の意識が戻ってから身なりを整えるのを手伝う。名前を囁きながら長くて濃厚なキスをすると恋をする乙女のような表情で俺を見る。それだけで彼は俺の事を他人には話さないだろうという確実が持てる。
――――これで一応は安心か
別れを惜しむ振りをしながら寺院を出る。
風が冷たく、空は段々深い鉛色へと変化を始める。少し肌寒い風が吹いている。
俺は村を抜ける道をずっと歩んでいる。
そして別の道と合流する地点。そこで俺の前をゆっくりと歩く男を見掛けた瞬間、思わず足と止めた。ゆっくりと唇が弧を描く。
全身黒い服を纏い、静かな雰囲気の長身の美形。立っているだけで圧倒的な権力者の雰囲気を醸し出している。夕日の中の影がやたらと長く伸びているがその影にすら少し違和感を持つ。本体と影の形が合わないのだ。
体の奥がじわじわと痺れ、喉奥が鳴る。
目が離せない。
――――……こりゃあ……想像していなかった方向性だな
「またすぐに会えたな」
嬉しい、というよりも抑えきれない程の激しい歓喜の衝動で気付けばすぐに声を掛けていた。振り向いた男は俺を見ると目を細めてすぐに笑い出す。
「君か! はは、まさかこんなに早くまた会えるとは思っていなかったよ。よく私だと気付けたな」
「お前の事は気付くって言っただろ。また会いたかったぜ」
「ふっ、私達は縁があるらしいな」
俺は妖艶に楽しそうな表情をする男を見る。やはり前回とはまた少し顔が変化している気がする。だがあのむせ返るような色気と声色は変わらない。
「お前はどこに向かっている?」
彼は目を細め、少し微笑みながら静かに答える。
「……魔王城」
――――ビンゴ
「へぇ、奇遇だな。俺もだ」
彼は小さな冷たい笑みを浮かべて俺の全身を舐め回すように見る。僅かに混ざったのは面白い玩具を見つけたような獰猛な猛獣のような危険な気配。
――――やっと……俺にはっきりとした興味を持ったな。やっぱり獣のようだ。……とてもエロくって、強引に組み敷きたくなる獣
「そうか。普段行きずりの男を睡眠姦していない時は、君は何をしているんだ?」
彼の妙に艶がある声質は先日と同じように耳を心地よく撫で廻す。食らい付くような眼光の強さは他に出会った事がない。黒い瞳なのにまるで血のように濡れて脈打っている。
自分の鼓動が一層速く、煩く、耳元で暴れるように聞こえる。
俺は腰に刺した剣の柄に手を乗せ、物凄い棒読みで淡々と宣伝する。
「俺はこの国の勇者セインだ。お前を倒す為に来た」
彼は一瞬目を見開く。そして物凄く愉快そうに大きな声で爆笑する。
「あはははははは! そうかそうか! 私は人間に苦痛と混乱を強いる魔王だ。君を倒し、この国と世界に災難を招こう! わははははははははは! ……って、一応モンスターとかも召喚しておく方が嬉しいか?」
「はははははははは! 付き合いのいい魔王だな!」
「あはははは、君だって物凄い目の据わった棒読みだったよ」
「仕方ねえだろ。一応王と神殿に台本が決められちまっているんだよ、俺は。後にチェックされそうでよ」
「ふっ、その台本には他にもセリフが残っているのか?」
「この国から退かぬと……あー……面倒だな。台本はもういい。折角また会えたんだ」
彼はまだ肩を揺らす程笑いながら唇を舐める。その赤い舌先が残していく濡れた跡が妙に色っぽく、彼の射精した瞬間の熱い吐息を思い出して少し肉棒が疼く。
「魔王よ、遊びはそれぐらいにして。少し腹を割って話さねぇか?」
「いいだろう。何について話したい?」
「お前、災難や人間界を平伏したい訳じゃないだろ。本当は何がしたいんだ?」
彼は妖艶に笑ったまま道のすぐ脇にある岩へと腰掛けて再びじっくりと俺の全身を舐め回す。彼の視線が撫でた部分が熱を持ったかのように熱く感じる。
「君と同じ事さ」
「それってなんだ?」
「泣く人間を組み敷き、きつい穴をほじくり回し、何度も痙攣しながら絶頂するイキ顔を見ながら更に犯す。一生忘れられないようにその体内奥に私の存在を刻み込む。そしてまたいい獲物が見つかったら陵辱を繰り返す」
「ははは、それは最高だな。使い物にならないぐらい体がビクビク跳ねていていれば更にそそられるな」
「私もだ。正直に言えば世界征服になんぞ全く興味はない。家臣は違うがな。私が興味あるのは泣き喚く表情と快楽に見悶える姿だ。あと私自身も気持ちよければ最高だ」
魔王は目を細める。俺も目を細めて笑い返す。
「そこで、だ。お前と穴兄弟になった俺から提案がある」
「聞いてやる」
「俺達とは直接関係ない奴等が喜ぶような血の流し合いは正直俺も全く興味ねぇし、何よりお前が物凄ぇ気に入った」
魔王は目を僅かに細めるだけで俺の言葉を聞いている。俺は腹の底から湧き上がってくるような笑みを殺しきれずに口角を上げる。
「行きずりの遊びであんなに楽しかったのならば、本気の遊びだったらどうなるか……知りたくないか? 俺は知りたい。一緒に旅をしながら俺と本気の遊びをしようぜ、魔王」
魔王は目を細めたまま暫く無言で俺を観察する。唇には小さな笑みを張り付けている。
「勇者様ともあろう者が魔王を犯罪と淫行に誘うのか? 正義はどうした?」
「生憎、正義なんて面倒な物は最初から持ち合わせてねぇよ。俺は別に崇高な志を持って勇者やっている訳じゃねぇ。単に利便が多くって生活に役立つからやっているだけだ。だがお前とやった一件、あれは最高だった。お前と一緒にどこまでも鬼畜の限り好き勝手に暴れてエロ漬けになれるんだったら、そっちの方が絶対に面白いだろ」
「はっ! 勇者の座から引きずり落とされるぞ?」
「お前と本気の遊びをしていられるんだったら、別にいいぜ」
「本当に鬼畜勇者だな。私が裏切ったり寝ている君を殺すとは考えないのか?」
「……前回お前も楽しんでいただろ。お前とだったら俺も制限なく鬼畜になれそうだ。一緒にやってみたくないか? 勇者と崇められる男と本気の鬼畜な男狩り。俺を殺したらそれが出来ないぜ。もう二度と俺ほど穢れた勇者には出会えねぇって断言出来るぞ」
「ふはっ。穢れているのを自慢する勇者か。……君は本当に、興味深いな。人間にしては、肝が妙に据わってる」
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互いに目は逸らさない。
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