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天文28年
第四十五話 異聞・野呂田の戦い 上巻
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「イチ先生、遠路遥々来てくださって感謝する」
私はお市。生徒の浅井 鞠さんの案内で、私は彼女の故郷の近江国は野呂田に来ていた。
今からここで合戦が始まる。
鞠さんの弟である近江の白豚くんが参戦するのだが、これがまあ相当ややこしい事になっているらしい。
そもそもこの近江と言う国、かつて今川家が松平家を従属していたように、現在浅井家は六角家の配下にある。
そして近江の領主は六角 義賢だった。本当に、つい1ヶ月ほど前までは。
そして浅井賢政と六角義賢、名前が似てるのにお気づきかもだがそれもそのはず、元服した際の白豚くんの命名が、この義賢なのだ。
鞠さん曰く、六角義賢と白豚くんは本当に実の親子の様に二人の仲が良いらしい。
そうなると面白くないのが、嫡男である実の息子。義賢には義治と言う子供がいて、こちらは若将軍の義藤が命名親だ。
そこでまあ軽く将軍・義治コンビと白豚・義賢コンビの対立軸が出来てしまうのだが、更にそれを決定付けた出来事が二つ。
私が兵部卿という官位持ちなのを覚えているだろうか?
これは将軍に次ぐ軍事地位を持ち、各国の官位持ちに支給される守護者への決定権を持つ。
強い守護者を持っていれば当然戦でも優位なので、いわば私が国々のパワーバランスを牛耳ってると言っても過言ではない。
そして三河のイケメンナンパ師の松平 蔵人佐にはうちの学校の工科謹製の守護狸を、白豚くんには守護豚を学院から贈呈している。
性能はお墨付きだが嫌がらせの様に醜悪な外見にしてやったが、逆に凶悪な面構えが敵を威圧すると泣くほど喜ばれた、解せぬ。
一方の六角義治は未だ旧型の守護者を使っており、これは別に嫌がらせではなく単に私が彼の事を良く知らなかっただけなんだけど、それが義治の気に食わなかったらしい。
そしてもう一つだが、六角義賢が白豚くんに自分の娘、善治から見れば妹を嫁に出そうとしたのだ。
そんな諸々が気に食わなかったのか、先月起きたのが観音寺騒動。
義治がたまった不満の末に父である義賢を殺害、その勢いで浅井領に攻め込んで来たという訳だ。
さてお手並み拝見といくか。
いや今回は本当に見にきただけで、白豚くんに加担しないよ?
人としては全く尊敬に値しない彼だが、こと守護者の操縦に関してだけなら別格。
実は守護者には自動操縦機能が付いてて、ある程度人間の操作を代行できる様になっているのだが、白豚くんはそれを完全手動操縦で行える。
これが可能なのは私の知る限り他は愛染隊の珠ちゃんと、兄信長だけだ。
イケメン蔵人佐は半自動、私の守護猫に至っては安全機能付きで、危なくなったら絡繰人形を自動召喚できる様になっており、実は調子に乗って深追いして、何度かお世話になってる。
そして合戦が始まったが、うん白豚くん強すぎだろう。
浅井側の戦力1万に対し六角が2万五千と聞いてるけど、あれ相手が倍いても勝てる気がせんぞ?
私はお市。生徒の浅井 鞠さんの案内で、私は彼女の故郷の近江国は野呂田に来ていた。
今からここで合戦が始まる。
鞠さんの弟である近江の白豚くんが参戦するのだが、これがまあ相当ややこしい事になっているらしい。
そもそもこの近江と言う国、かつて今川家が松平家を従属していたように、現在浅井家は六角家の配下にある。
そして近江の領主は六角 義賢だった。本当に、つい1ヶ月ほど前までは。
そして浅井賢政と六角義賢、名前が似てるのにお気づきかもだがそれもそのはず、元服した際の白豚くんの命名が、この義賢なのだ。
鞠さん曰く、六角義賢と白豚くんは本当に実の親子の様に二人の仲が良いらしい。
そうなると面白くないのが、嫡男である実の息子。義賢には義治と言う子供がいて、こちらは若将軍の義藤が命名親だ。
そこでまあ軽く将軍・義治コンビと白豚・義賢コンビの対立軸が出来てしまうのだが、更にそれを決定付けた出来事が二つ。
私が兵部卿という官位持ちなのを覚えているだろうか?
これは将軍に次ぐ軍事地位を持ち、各国の官位持ちに支給される守護者への決定権を持つ。
強い守護者を持っていれば当然戦でも優位なので、いわば私が国々のパワーバランスを牛耳ってると言っても過言ではない。
そして三河のイケメンナンパ師の松平 蔵人佐にはうちの学校の工科謹製の守護狸を、白豚くんには守護豚を学院から贈呈している。
性能はお墨付きだが嫌がらせの様に醜悪な外見にしてやったが、逆に凶悪な面構えが敵を威圧すると泣くほど喜ばれた、解せぬ。
一方の六角義治は未だ旧型の守護者を使っており、これは別に嫌がらせではなく単に私が彼の事を良く知らなかっただけなんだけど、それが義治の気に食わなかったらしい。
そしてもう一つだが、六角義賢が白豚くんに自分の娘、善治から見れば妹を嫁に出そうとしたのだ。
そんな諸々が気に食わなかったのか、先月起きたのが観音寺騒動。
義治がたまった不満の末に父である義賢を殺害、その勢いで浅井領に攻め込んで来たという訳だ。
さてお手並み拝見といくか。
いや今回は本当に見にきただけで、白豚くんに加担しないよ?
人としては全く尊敬に値しない彼だが、こと守護者の操縦に関してだけなら別格。
実は守護者には自動操縦機能が付いてて、ある程度人間の操作を代行できる様になっているのだが、白豚くんはそれを完全手動操縦で行える。
これが可能なのは私の知る限り他は愛染隊の珠ちゃんと、兄信長だけだ。
イケメン蔵人佐は半自動、私の守護猫に至っては安全機能付きで、危なくなったら絡繰人形を自動召喚できる様になっており、実は調子に乗って深追いして、何度かお世話になってる。
そして合戦が始まったが、うん白豚くん強すぎだろう。
浅井側の戦力1万に対し六角が2万五千と聞いてるけど、あれ相手が倍いても勝てる気がせんぞ?
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