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一章
7.楽しいお酒の席
しおりを挟むお風呂から出た後、入れ替わりで冬真がお風呂に行ってからリビングでお酒を飲む準備をする。今日はまだ早いからな♪よく一人で飲むんだけど、今日は冬真もいるし付き合ってもらおう。ホストやっててお酒がダメなんて事はないだろう?
また勝手に人の事を決めつけつつ、つまみを数品作っていた。舞茸と玉ねぎのマリネ、エビとタコのアヒージョ、そしてカマンベールチーズを一口サイズにカットして、ドライフルーツとナッツもお皿に盛り付けて~♪ヤバい♪楽しいな♪ワインセラーから赤ワインを出して、食器棚からワイングラスを二つ用意する。お酒なら他にもあるけど、今の気分は赤ワインだった。
俺がルンルン気分で準備をしていると、お風呂から出て来た冬真がリビングに入って来て驚いた顔をしていた。
「あ、冬真来た来た~♪なぁ、赤ワイン飲める~?」
「飲めますけど、これ全部雪さんが?」
「そうだよ♪いつもは一人だからここまではやらないけど、今日は冬真もいるからさ。あ、付き合ってくれるよな?」
「勿論です♪うわぁ、どれも美味しそう!あ、部屋着ありがとうございます」
礼儀正しい冬真に俺はニコッと笑って席に着くように言う。お風呂上がりの冬真の髪型は下に下ろされていて、やっとオフになったって感じがした。
俺がワインを開けようとボトルを持つと、冬真が注ごうとしたのかまた立ち上がろうとした。それを俺は手を出して止めてまた座らせる。職業柄また体が動いたのだろうけど、今日は俺がやりたかったんだ。
「一応冬真はまだ正式な社員になった訳じゃないからね。お客様に注いでもらう訳にはいかないでしょ。それと今日の冷たい態度のお詫びね」
「雪さん……ありがとうございますっ」
「明日からは俺もちゃんと冬真の事を見るからさ。光ちゃんと違って厳しいから気を抜かないように!その代わり今、この時は思い切り楽しもう?」
「はいっ♪雪さんに認めてもらえるまで諦めないで頑張ります!」
俺は冬真のグラスから先に、店でするように丁寧に注ぐ。そして二人分用意してからパーティー開始~♪
それぞれワインを楽しみながら用意したつまみを食べてお互いの話をした。少ししたら気分も良くなり俺はいつもよりはライトに話せたと思うんだ。冬真はお酒に強いのかワインの後にいろいろ飲んだけど、ずっと変わらずに楽しそうにしていた。
誰かとこんな風に楽しくお酒を楽しむのなんて初めてだな。光ちゃんとならあるけど、ほとんど家で一人で楽しむ事が多かった。
うん、こう言うのも悪くない。俺は酔いながらも冬真と飲みながらそんな風に思っていた。
「でさぁ、光ちゃんてば俺の事いつまでも子供扱いしてね~?俺がいなきゃ店回せない癖にさ~!」
「あはは、それでも俺からしたら二人はとても信頼し合っていてとても良いパートナーに見えますよ」
「それは!俺が一歩引いていろいろ我慢してるからですぅ~!」
「そうなんですか?いろいろ我慢してるんですね」
「してるよ~。今日だって俺に相談無しに人雇うとか決めちゃってさ……今までずっと二人でやって来たのに……」
思い出して少し切なくなっちゃった。俺だって良いパートナーだと思いたいよ。でもさ、光ちゃんにとっては俺なんていつまでも子供のままなんだよ。光ちゃんは凄く大人だなと思うよ。誰にでも持ち前の明るさで柔軟に対応出来るし、嫌な事言われてもガハハって笑って流せるぐらい心広いんだから。
俺がしんみりしてると、冬真は申し訳無さそうにシュンとし出した。
「俺のせいですみません。急に二人の中に割って入るような真似してしまいましたよね」
「それさ、やめない?」
「え?何をですか?」
「すぐに謝る所だよ。そりゃ悪い事をしてすぐに謝れるのは良い事だよ。でも、友達なんだからもっと気を使わずに話そうよ」
「……友達?」
「何ぃ~?俺なんかと友達になるの嫌だって言うのぉ?」
「いえ、雪さんにそんな風に言ってもらえると思ってなかったので……とても嬉しいです♪」
「だから冷たくしたのは悪かったって言ってるじゃん~。もー、次気にしたらまた冷たくするからな~」
「それは困りますね」
「でしょー?あ、ねぇ次何飲む~?」
「あの、今日はこの辺にしておきませんか?雪さんが心配です」
「何だと!?俺との酒に付き合えないだと!?」
「そういう訳じゃ……明日に響いたらまずいかなって……」
俺が空になったボトルを掴んで睨むと、冬真は言いにくそうにそう言った。
うーん、楽しいしもう少し飲みたかったんだけどなぁ。でも眠くもなって来たからここまでにするか~。
「ふぅ、冬真がそこまで言うなら今日はこの辺にしといてやる。なかなか楽しかった……ぜ。あれ?」
「雪さん!」
俺はかっこよく言って締めようとしたら、視界がぐにゃんと曲がって勝手に体が倒れそうになった。慌てて冬真が俺の方に寄って支えてくれたけど、俺はそのまま力なく冬真に身を預ける事に。
ヤバい。飲み過ぎたか。こんな事になるのは初めてで少し焦った。けど、今の俺はただ冬真の腕に抱かれてそれにしがみ付くしか出来なかった。
「か、片付けしなきゃ……」
「片付けなら俺がやります。雪さんはもう寝ましょ?」
「うん。そうする」
「って、ここで寝ちゃダメです!」
「だって体に力入らないんだもん……少しここで休んだら寝室行くよぅ」
出来ればこのまま寝ちゃいたいぐらいだった。
俺って酒弱かったんだな。いつも一人で飲んでたからこうなるまで飲んだ事ないし、知らなかった。
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